車のブレーキの異音(ブレーキ鳴き)の原因|異音が続く場合はプロに相談を

トラブル

ブレーキが正常な状態では、「スー」という静かな音しか聞こえません。しかし、異常が起こると低速走行でも「キーキー」という音が発生します。

この異音は、いわゆる「ブレーキ鳴き」と言われる症状です。

また「キーキー」という音以外にも、「フォーン」「ゴーゴー」「グググ」といった音が聞こえる場合があります。

この記事では、ブレーキをかけたときに異音がする場合の原因について解説していきます。

ブレーキの異音の原因

こちらではブレーキの音の種類ごとに、異音の原因について解説していきます。

ブレーキの異音「キーキー」/ブレーキ鳴き

ブレーキをかけ、「キーキー」という鋭い音が鳴ったときは、ブレーキパッドが摩耗している可能性があります。

いわゆる「ブレーキ鳴き」と言われる症状です。

ディスクブレーキは、ブレーキ使用によりパッドがすり減って薄くなったときに、パッドウェアインジケーターというパーツがディスクに触れて、音が鳴るように作られています。

この場合はブレーキの異常ではなく、ブレーキパッドの交換時期であることを知らせる機能が作動している状態です。

ブレーキの異音「フォーン」

回転しているローターにパッドが接触する際に振動が生じます。

この振動がうまく吸収されずキャリパーやサスペンションといった周辺機器を共振させると、周波数によっては「フォーン」といった甲高い異音が鳴ります。

ブレーキの異音「コー」「ゴーゴー」

ローターの摩擦面の異常が原因となることもあります。

ディスクローター側の問題として、ディスクローターの錆びや、摩擦材のローターへの溶着があります。

車の使用頻度が高くなく、走り始めに「コー」「ゴーゴー」という擦れたような音がする場合は、錆びが原因のことがあります。

特に冬の寒い時期の乗り始めには、ブレーキ鳴きしやすくなる傾向があります。固い金属同士が摩耗して異音が発生するためです。

ブレーキの異音「シューシュー」

ブレーキブースターのエア漏れによってブレーキ時に「シューシュー」という音がすることがあります。

ブレーキブースターとは、真空と大気圧の差を利用して、ブレーキの踏む力を増幅する装置です。

ブレーキブースターのエア漏れがあると、ブレーキの効きが悪くなる恐れがあるため、早急に修理が必要です。

ブレーキの異音「コツコツ」「グググ」

ABSの作動音で「コツコツ」や「グググ」といった音がすることがあります。

ABSはアンチロック・ブレーキシステムの略称で、急ブレーキをかけたときにタイヤがロックされて滑るのを防止するための安全装置です。

雨の日に路面や水たまりを走ると、「コツコツ」といった音が聞こえやすくなります。

また、スタッドレスタイヤに交換したてのときは「グググ」という音が発生しやすいです。

ABSはブレーキを強く踏むと作動して、ブレーキペダルが細かく振動します。このような場合に音がするのは異常ではありません。

ブレーキ鳴きがする場合は、すぐにプロへ相談を

ブレーキの異音は、性能に問題が発生したサインかもしれません。ブレーキに異常があると、命の危険に直結します。

ブレーキパッドの摩耗、パッドとローターの摩耗面による振動の場合は、ディーラーや専門店に見てもらってください。

特に、ブレーキパッドが摩耗している場合(ブレーキ鳴き)は、すぐに交換が必要です。

交換時期を超えて使用し続けると、パッドの摩擦材が削れてむき出しになった金属の板でディスクローターを削ってしまい、交換費用が高額になることがあります。

「キーキー」というブレーキ鳴きがする場合は放置せず、部品交換や修理を早急に行ってください。

「コー」「ゴーゴー」という異音の場合は、ディスクローターの錆が原因です。

ブレーキを数回使っていくうちに錆びが取れ、音がしなくなってくるので、すぐに交換が必要ではというわけではありません。

錆を防ぐには、ブレーキ部品の周辺の洗車をこまめに行ってください。

ブレーキパッドの交換費用

ブレーキパッドの交換費用は、左右1組の工賃で「普通車:8,000円〜」「軽自動車:6,000円〜」程度です。

高い場合は、1箇所の交換で5,000円を超える場合もあります。もちろん、車種によって費用は異なるので、あくまで目安と思ってください。

たとえば、タイヤ交換と一緒にブレーキパッドの交換をお願いすると、ホイールの脱着1回で両方作業できるため、費用が安くなるケースもあります。

異音以外にブレーキパッドを交換するタイミング

ブレーキ鳴きがする前に、ブレーキパッドを交換するタイミングは2つあります。

それは、ブレーキパッドの厚さが3mm以下になったときと、走行距離が5万kmを超えたときです。

ブレーキパッドの厚さが3mm以下

ブレーキパッドの新品は10mm前後の厚さがありますが、3mm以下になったら交換の目安です。1.6mm以下になると、車検に通らないかもしれません。

1mm以下になるとブレーキの効きに影響が出るおそれがあるため、少なくともその前には必ず交換を行ってください。

走行距離が5万kmを超えた

車を1万km走行すると、ブレーキパッドは1mmほど消耗すると言われています。もちろん、車種や走り方にもよって消耗具合が異なります。

そのため、ブレーキパッドが3mm以下になる手前の、走行距離5万kmを超えたあたりでブレーキパッドを交換するのがおすすめです。

また、新車時や前回の交換から何km走ったかを確認することで、ある程度の摩耗量を予測できます。

5万kmほど走行したら、ブレーキパッドの厚みを点検してみてください。

ブレーキの異音についてのまとめ

  • 「キーキー」という音がするときは「ブレーキ鳴き」で、ブレーキパッドの交換が必要
  • ブレーキ鳴きがする場合は、すぐにプロへ相談を
  • ブレーキパッドの厚さが3mm以下、走行距離が5万kmを超えたらブレーキパッドの交換時期

ブレーキは安全運転をするための重要な役割を果たします。

異音の原因が特定できなかったり、自分で判断がつけられなかったりする場合は、必ずプロに相談するようにしてください。

この記事の監修者

GlassD吹浦先生

DUKS  府中店 営業事務

吹浦 翔太

業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。

インタビュー記事

ピックアップ記事

関連記事一覧