夏は特に注意!車のオーバーヒートの原因と対処法を解説
夏はキャンプや海水浴などの行楽シーズンであり、車で遠出をする機会が多くなります。また、お盆は家族と一緒に、実家まで長距離運転をする人もいるでしょう。
気温が高い夏の長時間運転は、「オーバーヒート」に注意が必要です。
夏は冷却水の温度も上がりやすく、高速道路で長時間の渋滞に巻き込まれると、エンジンに負担が掛かり、オーバーヒートを起こす可能性があります。
目次
車の「オーバーヒート」とは
オーバーヒートとは、エンジンが熱くなりすぎた状態のことを言います。エンジンの内部では車を動かすために、ガソリンと空気の混合気を爆発したり燃焼したりしているのです。
そのため、エンジンはとても高温になりますが、同時に冷却作業も行われています。この冷却作業が正常に行われていないとオーバーヒートが起こり、最悪の場合はエンジンが故障します。
車がオーバーヒートを起こしたときの症状
車がオーバーヒートを起こしそうであったり、もしくは実際に起きてしまったときは、どのような症状が現れるのでしょうか。症状に心当たりのある人は、車がオーバーヒートを起こすか、起こしている可能性が高いです。
後ほど解説しますが、オーバーヒートになると修理代が高くなることがあります。自分の車と照らし合わせて、問題がないか確認してみてくださいね。
走行中に違和感を覚える
・スピードの乗りが悪い
・エンジンが掛からなくなったり止まったりする
・エンジンの回転数が安定しない
・アイドリングができない
走行中にこのような現象を感じたら、オーバーヒートの可能性を疑ってください。
水温計の異常
冷却水の温度を測るために設置されている水温計が、「C」よりも「H」の文字の方により近い場合、水温が高くてなってしまっている可能性があります。
水温計が設置されていない車体の場合は、水温警告灯が点灯or点滅しているかどうか確認しましょう。
異音がする
エンジンから「キンキン」や「カンカン」といった音が聞こえてくる場合、エンジンがオーバーヒートを起こしている可能性が高いです。
オイル焼けによる異臭がする
オイル焼けの匂いがしている場合は、事態はかなり深刻で、すぐに対処が必要になります。
異臭を少しでも感じたら、迅速な対応をしましょう。
エンジンから煙が出る
ボンネットの間から、煙のような状況が立ちあがっていないか確認しましょう。
この煙の正体は水蒸気で、冷却水が熱により気化してしまっているのです。
車がオーバーヒートを起こす原因
冷却水の不足、漏れ、劣化
冷却水が十分に足りていないと、エンジンの温度が上がりやすくなってしまいます。
「冷却水が足りているか?経年劣化していないか?」気温の高い夏は冷却水が蒸発しやすいので、定期的にチェックすることが大切です。
また、ラジエーターやホースから冷却水が漏れていないかもチェックしてください。
ウォーターポンプの不調
ウォーターポンプとは、エンジンに水を行き渡らせる機能を果たします。
このウォーターポンプが不調だと、冷却水の循環がうまく行なわれず、エンジンの温度が上昇してしまいます。
エンジンオイルの不足、漏れ、劣化
冷却水と同様に、エンジンオイルにもエンジンを冷却する働きがあります。オイルの不足、漏れ、劣化があると冷却する働きが落ちるのです。また、金属部分が滑らかに動かなくなるので、摩擦熱によるオーバーヒートを引き起こします。
電動ファンが動かない
電動ファンはラジエーターの温度を下げるために、走行風を発生させる機能をもちます。
この走行風が発生しないと、熱の上昇度が高くなります。
サーモスタットの故障
エンジンの温度を安定させるために使用されるサーモスタットが故障してしまうと、オーバーヒートが起きやすくなってしまいます。サーモスタットが故障してしまう原因には、経年劣化が第一に挙げられます。
走行中にオーバーヒートしたときの対処法
大前提として走行中にオーバーヒートが起こっても、自分で解決しようとするのはやめましょう。
オーバーヒートが起きると冷却水やエンジンが熱くなっているため、火傷のリスクがあります。
必ずプロに任せて、ロードサービス等が到着するまでは、以下の行動を心がけてください。
安全な場所に車を停める
「車がオーバーヒートしてしまったかも」と感じたら、車をストップさせて、エンジンを止めます。
もし、走行を続けてしまうと、エンジンへの負荷がより高くなってしまいます。
車の異常を感じたら走行はやめて、路肩や駐車場など安全な場所に車を停めましょう。
風通しを良くして時間を置く
エンジンを掛けたままボンネットを開け、エンジンルームの風通しを良くしましょう。
エンジンをすぐに止めると、冷却水やエンジンオイルの循環が止まってしまい、エンジンが焼き付く可能性があります。ただし、冷却水などが漏れていたり、冷却ファンが回っていなかったりする場合は、すぐにエンジンを切ってください。
また、オーバーヒート時は、エンジンやラジエーターなどが熱くなっています。むやみに触ることはせず、温度が下がるまでしばらく放置してください。
専門家にサポートを頼む
ロードサービスや整備工場に連絡し、専門の人に車を点検してもらい、異常がないか確認してもらいましょう。
冷却水は100℃まで温度が上がっているので、自分で冷却水の漏れをチェックするのは危険です。冷却水のラジエーターキャップやリザーバータンクを外して、冷却水が噴射すると大火傷をする危険があります。
また、ボンネットから蒸気が出ている場合は、蒸気が高温になっているため火傷のリスクが高いです。プロが現場に到着するまで待ちましょう。
少しでも車がおかしいなと感じたら、サポートを要請して迅速に対応してくださいね。
オーバーヒートをすると修理に手間がかかる?
オーバーヒートを起こすと、以下の部品の修理や交換が必要になります。
- 冷却水やエンジンオイルの交換、補充
- ラジエーターホースの漏れ止め、交換
- ラジエーター、ラジエーターファンの修理、交換
- サーモスタット(温度調整器)の修理、交換
- ウォーターポンプの修理、交換
- エンジンの修理、載せ替え
軽度のオーバーヒートであれば、冷却水やエンジンオイルの交換で済む可能性があります。しかし、症状が重いと最悪の場合、エンジンの修理や載せ替えが必要になり、多額の費用が掛かります。
オーバーヒートを起こさないために
オーバーヒートを起こさないためには、部品の定期的な交換が必要です。
- 冷却水、エンジンオイルは定期的に交換する(冷却水は2年、エンジンオイルは半年に1回が目安)
- 冷却水が足りていない場合は補充をする
- ウォーターポンプから冷却水が漏れていないかチェックする
- 10年もしくは10万km走行したらサーモスタットを交換する
- 長距離運転をする際はこまめに休憩をとるようにする
特に夏場の長距離運転では、こまめに休憩をとるように心がけましょう。渋滞に巻き込まれたあとは、サービスエリアや飲食店などで、30分以上は休憩してください。
最後に
冷却水やエンジンオイルを定期的に交換しないと、オーバーヒートの危険性は高くなります。気温が高く、遠出をする機会の多い夏場は注意が必要です。
夏を迎える前に、冷却水やエンジンオイルの補充・漏れがないかをチェックしましょう。
もちろん、夏以外の季節もオーバーヒートが起こる可能性があるので、冷却水やエンジンオイルの交換は定期的に行ってくださいね。
この記事の監修者
DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。