車のタイヤがパンクしたら?対処法・応急処置・修理について解説

トラブル

車に起きるトラブルの中でも頻度が高いのが、タイヤのパンクです。

走行中、ハンドル操作に違和感を覚えたり、スムーズに走れないような感覚があったり、「いつもと違う」と感じたらタイヤがパンクしていないかどうかを確認してください。

実際にタイヤがパンクしてしまった際、対処方法によってはその後のダメージの大きさや修理費なども大きく変動します。

今回の記事では、車のタイヤがパンクしてしまったときの正しい対処法・やるべきではない行動を中心に解説していきます。

運転中にタイヤがパンクしてしまったときの対処法

どこでパンクしてしまっても、まずは自分自身の安全と車の安全を確保し、停車してください。パンクしたままの状態での走行は絶対にやめましょう。

一般道でパンクに気づいた場合

一般道を走行中にタイヤのパンクに気がついた時は、ハザードランプを点灯させ、すぐに路肩へ停車させてください。

後続車がいないかどうか、周囲の安全を確認した上でスペアタイヤへの交換や修理キットでの応急処置を行いましょう。

自分自身で応急処置ができない・難しい場合は、任意保険に付帯しているロードサービスを利用してください。

無理に直そうとすると、却って事故を起こす危険性が高くなってしまいます。

高速道路でパンクに気づいた場合

高速道路を走行中にタイヤのパンクに気がついた時は、ハザードランプを点灯させながら路肩に寄せて停車し、車の50m以上後方に停止表示板または発煙筒を設置します。

注意して欲しいのは、高速道路でタイヤがパンクした場合、自力で対処しようとしてはいけないという点です。

また、以下の4点は必ず守るようにしてください。

パンクに気付いたときの注意点

・走行速度が速い車が通過するため、路肩でのタイヤ交換はしない

・追突事故の危険性があるため絶対に車内で待機しない

・停止表示板または発煙筒を必ず設置する

・助手席または左側のドアから降りる

車両後方に停止表示板や発煙筒を設置した後は、車後方のガードレールの外側まで避難し、道路管理センターやロードサービスに連絡をしてください。

タイヤがパンクしたときの応急処置

タイヤがパンクした場合の応急処置として、スペアタイヤと交換するか、パンク修理キットを使うかの方法があります。

どちらの応急処置も、しっかりと安全が確保できているときに限り行ってください。

スペアタイヤと交換

スペアタイヤを積んでいて、自分で取り付けできそうならタイヤを交換してください。タイヤを交換する際に必要なものと、手順は以下の通りです。

【必要な工具】

・ジャッキ

・十字レンチ

・軍手

・車の輪止め

・空気圧計

・トルクレンチ

【手順】

1.新しいタイヤの回転方向や状態を確認する

2.交換するタイヤの対角線上にあるタイヤに輪止めをする

3.ホイールのナットを十字レンチでゆるめる

4.ジャッキで車体を浮かせる

5.ホイールのナットを外す

6.新しいタイヤと交換する

7.車体を下ろす

8.ホイールのナットを十字レンチで締める

9.空気圧が問題ないか確認する

もしも交換する自信がない場合は、ロードサービスにお願いしてください。ちなみに、JAFやカー用品店では、タイヤ交換の講習会を実施している場合があります。

気になる人は近所のJAFやカー用品店で、講習会が開催されていないかチェックしてみましょう。

パンク修理キットを使う

タイヤに空いた穴が小さい場合は、パンク修理キットで対応できるかもしれません。

パンク応急修理キットは、液状のゴムをタイヤ内に充填して、穴を一時的に塞ぐものです。パンク修理キットには、以下のものが入っています。

【パンク修理キットに入っているもの】

・注入キャップとホース

・パンク修理剤

・説明書

・コンプレッサー

説明書の手順に従って、応急処置を行いましょう。応急処置が終わったら、必ず整備工場などプロにタイヤの交換を依頼してください。

また、修理キットで対処できるのは、小さい穴になります。広範囲に亀裂が入っている場合などは対処できないため、ロードサービスにお願いしてください。

万が一タイヤがパンクした場合は、すぐに専門店やディーラーに相談してください。異常がないように感じても、以下の行動は絶対にやめましょう。

NG①:タイヤがパンクしたままの状態で走行

タイヤがパンクしたままの状態で車を走行させると、蛇行運転になるだけでなく、タイヤのホイールに負担がかかってしまいます。ホイールが損傷していると修理が難しくなってしまう確率が高くなるので、タイヤがパンクしてしまった時は無理に走行させないようにしてください。

NG②:タイヤがパンクしたまま放置する

しばらく運転しないからといって、タイヤがパンクしたまま放置するのもNGです。パンクしたまま放置すると車の重さに耐えきれず、ホイールやタイヤが損傷します。

放置の期間が長くなると、修理で済むはずだったのに、タイヤ交換をしなければいけなくなるかもしれません。

自宅でパンクに気付いた場合や応急処置後は、なるべく早く業者にタイヤの状態を見てもらうようにしてください。

NG③:タイヤゴムに刺さっている異物を無理に抜く

タイヤゴムに刺さっているものに気づくとどうしてもすぐに抜いてしまいたくなりますが、無理に抜いてしまうと、タイヤにかかったダメージをさらに悪化させてしまう原因になります。

タイヤゴムに何かが刺さっているのを発見した時はむやみに抜いたりせず、すぐにスペアタイヤに交換するか、そのままの状態でお店へ持って行くようにしてください。

NG④:安全が確保できていない場所でのスペアタイヤへの交換

スペアタイヤへの交換は、必ず安全が確保できている場所で行うという鉄則を守って行いましょう。

真横を車が走行するような状況の中で無理にスペアタイヤへ交換をすると、思わぬ事故に繋がってしまうこともあります。

すぐ近くに安全を確保できる場所があるならば別ですが、スペアタイヤと交換の技術が伴っていたとしても、事故のリスクが少しでもある場所での交換は危険です。すぐにロードサービスへ依頼してください。

タイヤがパンクしたときの修理・交換について

車のタイヤがパンクしてしまったとき、修理を行ってくれるのは以下のお店です。

  • ディーラー
  • タイヤ専門店、カー用品店
  • 整備工場
  • ガソリンスタンド
  • 出張整備

費用はお店によって異なりますが、こちらではタイヤの修理・交換にかかる費用相場について紹介していきます。

パンク修理の費用相場

タイヤのパンクを修理する場合、「外面修理」と「内面修理」があり、それぞれ値段が異なります。

費用相場内容
外面修理2,000円前後タイヤの外側から、専用のパンク修理剤を使って補修する方法です。タイヤをホイールから取り外さずに修理できます。
内面修理3,000円〜5,000円タイヤの内側から、損傷箇所を補修する方法です。タイヤをホイールから取り外すため、手間がかかります。

内面修理の方が作業工程が多いため、料金も高くなる傾向です。ただし、タイヤの内側までしっかり点検できて、内面修理は外面修理よりも強度が高くなります。

タイヤ交換の費用相場

タイヤを交換するとなると、工賃に加えてタイヤ本体の値段がかかります。普通自動車の場合、タイヤ1本交換する際の費用相場は以下が目安です。

【普通自動車/タイヤ1本の交換】

総額:12,000円前後=工賃:2,000円前後+タイヤ:10,000円前後

軽自動車の場合はタイヤの料金が安くなり、タイヤ1本3,000円からが目安です。

また、料金はディーラーや専門店で異なるので、あくまで参考価格だと思ってください。

交換となると、パンクしたタイヤ以外にも、状況に応じて2本以上交換することもあり、費用はもっと高くなるかもしれません。

修理か交換か?損傷の目安について

タイヤが修理で済むのか、交換が必要かについては、傷の大きさ・数・場所がポイントです。以下の表に目安をまとめたので、参考にしてください。

傷の大きさ傷の数傷の場所
修理6mm以下2個以下※周上間隔40cm以上・タイヤの接地面
交換7mm以上3個以上・タイヤ側面・ショルダー部

基本的に、損傷箇所がタイヤの接地面であれば、修理で済む可能性が高いです。ただし、タイヤ側面やショルダー部などの接地面以外に傷がある場合は、タイヤの強度が低下するため修理できません。

また接地面の傷であっても、損傷の直径が6mm以上、隣接して2箇所以上の損傷がある場合は、修理ではなく交換になります。

日常点検でパンク予防を

1ヶ月に一度で構わないので、タイヤを定期的にチェックすることで、パンクを未然に防げる確率は上がります。

チェックポイント

・亀裂や損傷

・空気圧の低下

・溝の深さ

これらのポイントを押さえて、劣化が見つかればプロに相談してください。路面が凍結しやすい冬の前に、タイヤ交換をすることをオススメします。

タイヤのほか、車の日常点検については、以下の記事で詳しく解説しています!

タイヤがパンクする原因

釘などの異物がタイヤに刺さる

タイヤのパンクの原因として考えられるのが、釘などの異物がタイヤに刺さることです。釘がタイヤに刺さることで『スローパンク』という現象が起き、タイヤから緩やかに空気が抜けていきます。

劣化によるタイヤの破裂

経年劣化や空気圧の低下が原因で、タイヤが破裂することがあります。破裂により一気に空気が抜ける現象を、『バースト』と言います。

釘が刺さったときと違い外見で分かりにくく、運転中に突然起こるので注意が必要です。カーブ中に起こるとハンドル操作が効かなくなり、スリップして大事故に繋がります。

パンクしている事がわかったら安全第一で行動を

タイヤがパンクしてしまうと、以下の症状を感じるようになります。

パンク時の症状

・運転中、普段と違う振動を感じるようになる

・何かがぶつかるような、異様な接触音が聞こえる

・ハンドル操作が持っていかれるような感覚がある

車のタイヤがパンクしていることに気がついたら、まずは車を安全な場所に停車させましょう。

スペアタイヤを積載していて、自分の手で交換できそうであればすぐに交換してください。

タイヤがパンクしたままの状態での走行は非常に危険です。万が一の場合に備えて、車にはスペアタイヤを常備しておくことがベストです。

自分で対処できそうにない時は、無理をせずロードサービスなどに連絡してください。

タイヤのパンクについてのまとめ

  • 運転中にパンクに気が付いたら、とにかく安全確保を優先する
  • タイヤがパンクしたときの応急処置は、スペアタイヤと交換するか修理キットを使うかの2択
  • 自分で応急処置ができない場合は、すみやかにロードサービスにお願いする
  • タイヤがパンクした状態で運転したり、放置をしたりするのはNG
  • タイヤの修理や交換は、ディーラー・カー用品店・タイヤ専門店・整備工場・ガソリンスタンドで

運転中にタイヤがパンクしていることに気が付くと、どうしても焦ってしまいます。まずは安全確保第一で行動するようにしてください。


この記事の監修者

GlassD吹浦先生

DUKS  府中店 営業事務

吹浦 翔太

業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。

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