駐車場事故とは?過失割合や罰則、バック事故について解説

トラブル

駐車場での事故は、夜間よりも昼間に起こりやすいです。スーパーや飲食店など、駐車台数が多くなる休日の駐車場は、特に気を付ける必要があります。

場所によっては密室状態の立体駐車場もあり、事故が起きた場合は人も少なく、どう対処して良いのか分からない人もいるでしょう。

この記事では、駐車場で交通事故を起こした、もしくは巻き込まれた場合はどう対処すれば良いのか、について詳しく解説します。

駐車場事故で警察を呼ばなかったらどうなる?

スーパーやホームセンターなど、商業施設に設けられた駐車場は「道路」として認められるため、警察を呼ばないと「報告義務違反」に抵触します。「道路交通法・第七十二条」に則り、公道での事故と同様に警察への通報義務が発生します。

また、警察に届け出をしていないと交通事故証明書が発行されません。交通事故証明書が発行されないと、保険が適用されない可能性があります。駐車場内で事故をした場合は、必ず警察に連絡しましょう。

駐車場事故の扱い

交通事故扱い(道路交通法の適用)になるかどうかは「不特定多数の人が自由に行き来できる場所か」が大きな基準になります。

交通事故扱いになる駐車場

不特定多数の人が自由に行き来できる駐車場は、主に以下の場所が考えられます。

  • スーパー
  • ショッピングモール
  • ホームセンター
  • コンビニ
  • ドラッグストア
  • サービスエリア
  • パーキングエリア
    …etc

以上の駐車場は、道路交通法の対象となると考えて良いでしょう。民家や月極駐車場などの場合は、通行が制限されているため交通事故として扱われる可能性は低いです。

ただし「不特定多数の人が自由に行き来できる場所か」の判断は、場所によって難しいケースもあります。

民家や月極駐車場で事故を起こした場合も、警察に連絡するようにしましょう。

交通事故扱いでなくとも法令上の責任はある

たとえ交通事故扱いにならない場合でも、加害者は民法・七百九条に定められている不法行為責任を負います。交通事故として扱われない場合でも、物損事故の場合は賠償責任が発生するからです。

また、人身事故の場合は場所がどこであれ自動車運転過失傷害罪の対象です。人身事故の加害者は、自動車損害賠償保障法・第三条に定められている運行共有者責任を負う必要があります。

【自動車損害賠償保障法・第三条】
自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によって他人の生命又は身体を害したときは、これによって生じた損害を賠償する責に任ずる。ただし、自己及び運転者が自動車の運行に関し注意を怠らなかつたこと、被害者又は運転者以外の第三者に故意又は過失があつたこと並びに自動車に構造上の欠陥又は機能の障害がなかつたことを証明したときは、この限りでない。

引用:自動車損害賠償保障法 | e-Gov法令検索

駐車場事故の罰則

駐車場事故の場合、「当て逃げ事故(物損事故)」と「ひき逃げ事故(救護義務違反)」で罰則が分かれます。

当て逃げ事故(物損事故)の罰則

当て逃げ事故(物損事故)の場合は、「違反点数7点」が加算されます(安全運転義務違反2点+危険防止措置義務違反5点)。

ひき逃げ事故(救護義務違反)の罰則

ひき逃げ事故(救護義務違反)の場合は「違反点数35点」の加算と合わせて、免許を取得できない「欠格期間3年」の罰則です。これは最低限の罰則で、飲酒や無免許などの場合は点数はさらに高くなり、欠格期間も長い場合には10年にもなります。

ちなみに私有地など、道路交通法上の「道路」に該当しない駐車場で事故を起こした場合は交通事故扱いにならないので、違反点数の加算がない場合もあります。しかし、罰則の適用はあるので、駐車場内は気を付けて運転しましょう。

駐車場事故での過失割合

駐車場事故での過失割合は、主に以下の4パターンに分かれます。

  • 走行中の車同士の出合い頭事故
  • 「走行中の車」と「駐車する車」の事故
  • 「走行中の車」と「出庫する車」の事故
  • 車と歩行者の事故

それぞれの過失割合については、以下の表を参考にしてください。

事故のパターン状況過失割合
走行中の車同士の出合い頭事故駐車場の交差点での出合い頭事故直進・右左折問わずに、過失割合は50:50
「走行中の車」と「駐車する車」の事故通路を走行する車が、駐車スペースへ駐車する車に衝突した場合の事故通路を走行する車:80
駐車する車:20
「走行中の車」と「出庫する車」の事故駐車スペースから出庫する車が、通路を走行する車に衝突した場合の事故通路を走行する車:30
出庫する車:70
車と歩行者の事故通路を走行する車が、歩行者に衝突した場合の事故。また、駐車スペース内にいる歩行者に、車が衝突した場合の事故車:90
歩行者:10

※この過失割合は、あくまで参考の比率です。

駐車場の事故例「バック事故」

駐車場の事故例として耳にするのが、「バックしたら後ろの車にぶつかった」「バックしてきた車にぶつけられた」の2つです。

こちらでは、バック事故のパターンや過失割合、過失割合が不利になるケースについて解説していきます。

バック事故の過失割合をパターン別に解説

バックするといっても、駐車する場合や出庫する場合など様々ですが、バック中の衝突事故は以下のパターン、そして過失割合が考えられます。

パターン過失割合
駐車場の通路を走行中に、駐車スペースからバックで出庫してきた車にぶつけられたぶつけた側  :70
※駐車スペースから出る車
ぶつけられた側:30
※走行中の車
駐車場の通路を走行中に、駐車しようとしている車にぶつけてしまったぶつけた側  :80
※走行中の車
ぶつけられた側:20
※駐車スペースに入ろうとする車
公道を直進中に、脇道(コンビニなどの駐車場)からバックしてきた車にぶつけられたぶつけた側  :80
※駐車スペースから出る車
ぶつけられた側:20
※走行中の車

※この過失割合は、あくまで参考の比率です。

ドライバーの運転や状況によっては過失割合が変わるので、事故を起こしたらまずは保険会社に連絡して、適切な指示に従うようにしてください。

バック事故で過失割合が不利になるケース

バック事故で過失割合が不利になるケースは、クラクションを鳴らさなかった場合です。

たとえば、前方の車がバックしてきていて余裕があるにもかかわらず、クラクションを鳴らして警告しなかった場合は、ぶつけられた側になったとしても「過失割合10〜20%」が加算される可能性があります。

クラクションを鳴らす暇もなくぶつけられた場合は例外ですが、クラクションを鳴らす余裕がある場合は、警告する意味でクラクションを鳴らしましょう。

駐車場事故で自分が被害に遭った場合の対処法

事故の状況は、被害者の過失割合に大きく影響するため、請求できる賠償金にも及びます。

もしも自分が被害に遭った場合は、正当な賠償金を請求できるよう、以下の対策をして証拠を残すようにしてください。

  • スマホやドライブレコーダーで状況を録画して残しておく
  • 目撃者がいれば証人になってもらう
  • 加害者との会話を録音する
  • 録音・録画した証拠を元に状況をメモしておく
  • 病院で医師の診断を受けて診断書をもらう

駐車場で事故を起こしたときの対処方法

こちらでは、自分が事故を起こした場合の対処法について、詳細に解説します。

負傷者の救護

駐車場で人を撥ねたり、車同士の事故で負傷者がいたりした場合は、何よりもまず負傷者の救護を優先してください。

警察へ連絡する(負傷者がいる場合は救急車も)

負傷者が出て周りに人がいる場合は、応急救護処置をしながら周囲の人へ、警察・消防に連絡してもらうようにしてください。

保険会社へ連絡

当事者同士よりも保険会社を通じてやり取りした方が、事故後の処理がスムーズにいくためです。

負傷者に意識がなく、スーパーや飲食店などで人がいる場合は、AEDを持ってくるよう呼び掛けましょう。AEDが到着するまでは、負傷者の反応を見ながら心肺蘇生をしてください。

負傷者がいない場合は、すぐに警察に連絡しましょう。警察へ報告する内容は以下の通りです。

  • 事故が発生した日時と場所
  • 現場の状況
  • 負傷者の数
  • 物損状況
  • 事故対応の内容

基本的に駐車場での事故も公道で起きた事故も、対処法は一緒です。交通事故の対処法については、以下の記事でも詳しく解説しています。

駐車場での事故を防ぐ運転

サポカー等の安全技術により、現在では車も駐車しやすくなりました。とはいえ、油断は禁物です。駐車での操作は以下のことを心掛けて、事故を起こさないようにしましょう。

駐車するとき

駐車するときは、基本的にバックで後退する場合が多いですよね。バックで駐車するときは、ハザードランプを点けて一旦停止しましょう。

また、後退して駐車する前に、駐車スペース内の安全確認をしっかりと行ってください。そして、ハンドルとペダルの操作をあわてず一つ一つゆっくりと行いましょう。足はブレーキに乗せた状態で、ゆっくりと後退します。

出庫するとき

車を出庫する際は、まず車の先頭を少し出して一時停止します。それにより目視できる範囲が広がるので、走行している車や歩行者がいないか、しっかりと確認してからゆっくりと出庫しましょう。

また、車の先頭部分を少し出すことで、近くで走行している車や歩行者に、自分が出庫しようとしていることを知らせることができます。

駐車場内を走行するとき

駐車場内では自分の前を走行している車が、駐車するため急停車したり後退したりします。また、駐車スペースの車に隠れて、歩行者が急に飛び出てくる場合もあります。

そのため、駐車場内を走行するときは、10km以下の徐行運転を心掛けてください。また、近くに歩行者がいる場合は、すぐに止まれるよう3〜4kmまで速度を落としましょう。

駐車場事故についてのまとめ

  • 駐車場事故は、私有地であろうとも必ず警察に通報する
  • 駐車事故の過失割合は、パターンによって変動する
  • 駐車場の事故で自分が被害に遭った場合は、そのときの状況を録画・録音しておく

駐車場内で事故を起こした場合、基本的には公道で事故を起こした場合の対処と変わりません。負傷者がいる場合は、すぐに応急救護処置をしてください。

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この記事の監修者

GlassD吹浦先生

DUKS  府中店 営業事務

吹浦 翔太

業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。

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