車が雹害でボコボコになったら?修理費用、車両保険の適用について

トラブル

梅雨から夏場は湿った空気で天候が不安定になりやすく、ゲリラ豪雨などで突然天候が乱れます。

天候が突然乱れて注意したいのが「雹害(ひょうがい)」です。雹害とは、雹が降ってくることで車や家、農作物が傷ついたりする被害のことを言います。

雹害で車が傷ついた場合は、すぐにディーラーや整備工場に修理を依頼してください。

この記事では、車が雹害に遭った際の修理費用、車両保険の適用や雹害から車を守る方法について解説していきます。

車の雹害とは?

雹(ひょう)とは直径5mm以上の氷の塊のこと、5mm未満の氷の塊は霰(あられ)です。

車の雹害とは、車両にこれらの氷の塊がぶつかって、フロントガラスが割れたりボディが凹んだりして、傷ついた状態のことを言います。

雹害は積乱雲が発生しやすい梅雨、夏場に多く起こりやすいです。梅雨から夏の終り頃までは、上空に強い寒気が流れ込むと大気の状態が不安定になり、積乱雲が発生して雹が降ることがあります。

雹害は車以外にも建物の屋根や壁を破壊したり、農作物を傷つけたり、人が怪我をしたりといった被害が生じて大変危険です。

雹害で車がボコボコになった場合の修理費用

こちらでは、雹害で車がボコボコになった場合の修理費用について解説していきます。

ボディ全体(ボンネット、屋根、ドアなど)

ボンネットや屋根、ドアなど車のボディが傷ついた場合は、以下の3つの方法で車を修復します。

  • デントリペア
  • 板金塗装修理
  • パーツ交換

修理方法や内容、費用については下の表を参考にしてください。

修理方法内容費用
デントリペア凹んだ部分が少ない、軽度な凹みの場合の修理方法です。
凹んだ部分を、専用の器具で直接押し出したり、引っ張ったりして修復します。
雹害等の大きいへこみは修理できません
10,000円~ (凹み1ヶ所につき)
板金塗装修理広範囲にできた凹みを、一気に修理する方法です。
凹んだ部分を、ハンマーで叩いたりパテで埋めたりした後、整形してから塗装を施します。
凹みがひどい場合はルーフや、フェンダーなど、部品の交換が必要になります。
100,000円~300,000円以上
パーツ交換上記2つも対応できない場合は、パーツを丸ごと交換する必要があります。200,000円~500,000円以上

※料金相場はあくまで目安です。

フロントガラスやリアガラス

フロントガラスやリアガラスが、雹害で割れてしまったり傷ついたりした場合、基本的には交換になります。

車種ごとによる、フロントガラス交換費用は下の表を参考にしてください。

【フロントガラスの交換費用】

車種費用
軽自動車60,000円~90,000円
小型乗用車65,000円~120,000円
中型乗用車70,000円~150,000円
大型乗用車90,000円~180,000円
ワンボックス・RV100,000円~180,000円

※料金相場はあくまで目安です。

普通自動車、軽自動車によるリアガラスの交換費用は、下の表を参考にしてください。

【リアガラスの交換費用】

車種費用
普通自動車50,000円〜100,000円
軽自動車50,000円〜80,000円

※料金相場はあくまで目安です。

フロントガラスやリアガラスの交換費用については、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。

車の雹害に車両保険は使えるのか?

雹害に遭って、車が傷ついた際に気になるのが、車両保険を適用できるかどうかです。結論から言えば、雹害でできた車の傷に保険は使えます。ただし、注意しなければいけないポイントもあるので、よく把握しておいてください。

雹害に車両保険は使える

雹害で車が傷ついた場合、車両保険を使うことができます。車両保険には「一般型」と「エコノミー型」の2種類がありますが、雹害はどちらも補償対象です。

たとえば、修理費用が500,000円で免責費用を100,000円と設定していた場合、400,000円の保険金が支払われます。

※車輛の状況や、保険の契約内容によっては保険で修理できない場合もあります。

雹害で車両保険を使う際の注意点

雹害で車両保険を使うと翌年の等級が1つ下がるため、毎月支払う保険料が上がります。

ちなみに保険料が上がったとしても、雹害の修理費用は車両保険を適用した方がお得になる場合が多いです。

そのため、雹害で車両保険を適用する際は、保険が適用されるのか、翌年の保険料がいくら上がるのか、修理費用と合わせてどれくらいお得なのか、担当者にしっかりと確認してください。

雹害で車がボコボコになって直さない場合のデメリット

雹でボンネットや屋根が凹んでも、走行するには問題ない場合もあります。しかし、雹が当たった箇所は塗装が剥がれている場合が多いです。

そのため雹害車を放置すると、塗装が剥がれた箇所から水分や汚れが侵入して、錆の発生に繋がります。塗装の内部にまで錆が広がれば、安全運転に支障が出る危険性が高いです。

また、車を買い替える際に車を売却しようとした場合、査定額が下がってしまいます。

車を雹害から守る方法

車を雹害から守る方法は、夏場は天気予報をこまめに確認すること、そして屋根のある場所に駐車するか、車に毛布を被せることです。

夏場は天気予報をこまめに確認する

雹は積乱雲が発生しやすい梅雨、夏場にかけてよく降ります。そのため、この時期は天気予報をこまめに確認して、雹が降るかどうか気を付けてください。

気にしておく注意報は「雷注意報」です。雷と雹は、どちらも積乱雲の発達により発生します。そのため雷注意報が発令されたときは、雹が降る可能性も考えられます。

雷注意報には、雷以外にも「積乱雲の発達による雹や突風などへの注意」という意味も含まれているのです。

屋根のある場所に駐車するか、車に毛布を被せる

「雷注意報」の発令で雹が降ってくる可能性があると感じたら、屋根のついた場所に駐車するのがベストです。

ガレージがあれば、そこに車を停めてください。運転中にショッピングモールなど大型の駐車場があれば、一時的にそこへ避難しましょう。

屋根のある場所に駐車できない場合は、毛布を被せて車を守ってください。自宅の駐車場にカーポートがある場合、屋根との隙間から雹が降ってくる可能性があります。

そのため自宅の駐車場に屋根がない場合、カーポートの場合は、車に毛布を被せておくと良いでしょう。

車の雹害についてのまとめ

  • 車の雹害とは降雹が車両にぶつかって、フロントガラスが割れたりボディが凹んだりして傷ついた状態
  • 雹害の修理費用は板金や部品交換が必要な場合がほとんどで、修理金額は高額になります。
  • 雹害の修理に車両保険を使うのがおすすめだが、翌年の等級が下がって毎月の保険料は上がる

雹害で車が傷つくといったケースは稀ですが、いざ自分の身に降りかかったら、どうすれば良いか分からないものです。

とりあえずはディーラーや整備工場、ガラス専門店などに相談して、早急に修理してもらうようにしてください。保険会社にも連絡して、保険料がいくら支払われるのか、翌年の保険料はどれくらい上がるのかも確認しましょう。

この記事の監修者

GlassD吹浦先生

DUKS  府中店 営業事務

吹浦 翔太

業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。

インタビュー記事

ピックアップ記事

関連記事一覧