無断駐車をやめさせるには?効果的な張り紙の書き方と法的注意点

無断駐車は、私有地のトラブルの中でも特に悩まされやすい問題です。
パーキングスペースに車を勝手に停められると、日常の利用が妨げられるだけでなく、警察へ相談しても民事扱いとなり、思うように対処が進まないこともあります。
今回の記事では、無断での駐車がどのような行為に当たるのかを理解し、張り紙による注意の方法や、やめさせるにはどんな手段があるのかについて解説していきます。
また、刑事罰の可能性についても触れ、トラブルを避けながら適切に対応するためのポイントを整理するので、ぜひ参考にしてください。
・無断駐車の罰則
・張り紙をすることの効果や注意点
・無断駐車をやめさせるにはどうすれば良いのか?
目次
無断駐車とはどんな行為なのか?

無断駐車とは、土地の所有者や管理者の許可を得ずに車両を停める行為です。アパートやマンション、月極駐車場や個人宅の敷地などあらゆる場所で発生します。
利用者が料金を支払う意思を示さないケースだけでなく、短時間の停車であっても権利者の承諾がなければ無断駐車に該当します。
敷地の利用を妨げたり、来客用スペースを占有したりするため、トラブルに発展しやすい点が特徴です。
さらに、管理者側は警察へ通報しても民事不介入となることが多く、実際の対応は土地所有者が主体となって行う必要があります。
無断駐車の罰則について
・不退去罪:罰金10万円以下
・威力業務妨害:3年以下の懲役又は50万円以下
自宅の駐車場など、私有地での無断駐車は道路交通法の適用はありません。道路交通法の場合はあくまで公道での適用となり、私有地では適用されないからです。
とはいえ、無断駐車自体は刑罰の対象です。無断駐車の場合は、刑法第130条前段に規定する「住居侵入罪」または「建造物侵入罪」が適用されます。
また、無断駐車している人に対して退去を求めても、受け入れようとしない場合は刑法130条に規定する「不退去罪」が適用される可能性があります。
【刑法第130条】
正当な理由がないのに人の住居若しくは人の看取する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求受けたのにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった物は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
引用:刑法 | e-Gov法令検索
また、無断駐車が原因で「出勤できない」「営業先に行けない」など、仕事に何かしらの支障や損失が発生したとします。
その場合は、刑法第234条に規定する「威力業務妨害」が適用される可能性も出てきます。
「威力業務妨害」の罰則は、刑法第233条の規定により3年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
無断駐車した車両に張り紙をするのは有効なのか?

無断駐車の車両に対して、注意や警告を促す意味で、張り紙を使って知らせる方法があります。
しかし、張り紙に対して法的有効性や効果がどれくらいあるのか、疑問に感じる人も多いのではないでしょうか?
そこでこちらでは、張り紙の法的有効性や効果などについて解説していきます。
- 張り紙の法的な有効性と目的
- 張り紙をすることの効果
- 張り紙はどんな場合にすれば良い?
- 張り紙の例文
- 張り紙の置き方や注意点
張り紙の法的な有効性と目的
無断駐車に対して張り紙を貼る行為は、法的な強制力を持たない注意喚起手段として位置づけられます。
目的はあくまで「ここが私有地であり、無断駐車は認められない。」という意思を、明確に示すことです。
ただし、車体に傷が付くような貼り方をすると、逆に損害賠償を請求されるおそれがあります。
張り紙はトラブルを避けつつ、権利者の立場を伝えるためのソフトな対応として利用するのが一般的です。
張り紙をすることの効果
張り紙の効果は、相手に無断駐車を自覚させることです。強制力はありませんが、ここが私有地であることを明確に示し、再発を防ぐ抑止力として機能します。
また、管理者が状況を把握しているというメッセージにもなり、放置されることへの不安を与える点も効果的です。
ただし、車体を傷つける貼り方はトラブルの原因となるため、あくまで丁寧な注意喚起として行うことが重要です。
張り紙はどんな場合にすれば良い?
張り紙を行う場面は、まずは穏やかに注意したいときです。
無断駐車が初めて確認された場合や、相手の意図が不明な場合に有効で、強い措置を取る前の段階として位置づけられます。
また、管理者が状況を把握していることを示すことで、再発防止の抑止力にもつながります。
ただし、長期間放置されている車両や、繰り返し無断駐車が続く場合は、張り紙だけでは効果が弱く、別の対応を検討する必要があります。
張り紙の例文
張り紙の文面は、無断駐車であることを明確に伝えつつ、感情的にならない表現が重要です。
| この駐車スペースは契約者専用のため、無断での駐車はお断りしております。 大変恐れ入りますが、次回以降の駐車はお控えくださいますようお願いいたします。 次回以降も同じ状況になると、管理会社などの関係機関に連絡・相談させていただく場合があります。 ご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。 |
ポイントは「ここは、契約者専用の駐車スペースです。」のように権利関係を示し、続けて「許可のない駐車はご遠慮ください。」と、丁寧に注意することです。
強い言葉を避けつつ、状況を正確に伝えることで、相手に誤解なく注意を促す効果が期待できます。
また、連絡先を記載する場合は管理者名に留め、個人情報を過度に書かないことが安全です。
張り紙の置き方や注意点
張り紙は、無断駐車への警告や注意を促すための方法です。無断駐車をした車両に張り紙をする際は、次の点に注意してください。
- 車体や窓ガラスにガムテープで貼らない
- ワイパー等に張り紙を挟みこむ
- 罰金を書いたとしても、法的な効力はない
張り紙をする際、車体や窓ガラスにガムテープで貼り付けてしまうと、剥がすときに跡が残って車の所有者と揉める恐れがあります。
また「罰金●●万円」と書いたとしても、実際に罰金を請求できるわけではないので、法的な効力はありません。
張り紙に記載する内容は車の所有者に対して、無断駐車である旨がはっきり伝わるように書くのがポイントです。
[対策]無断駐車をやめさせるにはどうすれば良いのか?

しつこい無断駐車をやめさせるには、管理会社や駐車場のオーナーに連絡したり、警察に通報したりといった、次の方法があります。
- 管理会社や駐車場のオーナーに連絡する
- 警察に通報する
- 弁護士に相談する
- 内容証明を送る
管理会社や駐車場のオーナーに連絡する
月極駐車場や賃貸物件の場合は、管理会社やその土地の所有者であるオーナーに連絡しましょう。
月極駐車場内や賃貸物件での無断駐車は、他の契約者が場所を間違えて駐車しているだけのケースもあります。
他の契約者の勘違いであれば、管理会社やオーナーから契約者に対して、その旨を伝えてもらえば無断駐車は解決します。
連絡をする際は無断駐車をしている「車のナンバー」「車種」「車の色」「その他の特徴」「被害にあった日付」などを記しておいてください。
警察に通報する
自宅の駐車場で無断駐車された場合は、「住居侵入罪」または「建造物侵入罪」で警察に通報できます。
警察へ通報する際は、無断駐車をしている「車のナンバー」「車種」「車の色」「その他の特徴」「被害にあった日付」などを伝えましょう。
私有地における無断駐車等のトラブルは、基本的に民事扱いになります。「民事不介入」となるため、必ずしも警察が動いてくれるとは限りません。
そのため「無断駐車されている」と伝えるよりも「不審な車が自宅の敷地内に侵入している」と伝えた方が効果的です。
弁護士に相談する
警察へ通報してもどうにもならない場合は、弁護士に相談しましょう。警察は無断駐車をやめさせることはできませんが、弁護士を立てることで相手と交渉することが可能です。
また、あまりにも悪質な場合は、損害賠償請求の訴訟を起こすこともできます。ただし弁護士を立てると、それなりの費用や時間がかかります。
内容証明を送る
しつこい無断駐車に対しては注意喚起を促す意味で、車の所有者を特定して内容証明を送る方法があります。
内容証明を作成する際は、以下の手順で行ってください。
無断駐車した時間が分かれば、駐車料金の支払いを求めることもできます。
自分で手続きを行うのが面倒だったり、不安があったりする場合は、行政書士に相談するのもおすすめです。
行政書士の場合は、弁護士に相談するよりも費用を抑えられ、素早く対応してくれます。
無断駐車の防止にはカラーコーンや防犯カメラの設置を

無断駐車を防止する場合、たとえば「駐車禁止」と書いた紙をカラーコーンに貼って、駐車場に置いておくという方法があります。
また自宅の駐車場であれば、防犯カメラを設置して駐車場内を常に監視できる状態にすれば、無断駐車の抑止力になるので有効です。
仮に無断駐車をされても内容証明を作成する際に役立ち、防犯カメラを設置することで、車両の盗難防止としての効果があります。
月極駐車場の場合は、駐車場を選ぶ際に管理会社としっかりとコミュニケーションを取り、ちゃんとしている会社かどうか判断しましょう。
無断駐車の対策についてのまとめ
- 無断駐車は「住居侵入罪」または「建造物侵入罪」が適用される
- 無断駐車された場合は、張り紙をするか駐車場の管理会社やオーナーに連絡する
- しつこい無断駐車に対しては、弁護士に相談したり内容証明を送ったりする
無断駐車への対処は、感情的にならず冷静に進めることが大切です。
張り紙による注意から、管理会社や警察への相談、必要に応じた法的手続きまで、状況に応じた選択肢があります。
私有地での無断駐車には罰金や刑事罰が適用される可能性もあるため、正しい知識を持つことがトラブル防止につながります。
この記事の監修者
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DUKS 受付窓口責任者
吹浦 翔太
年間84,000件のフロントガラストラブルに対応するDUKSグループで、受付窓口の責任者を務めています。
2008年から6年間、現場での実務経験を積み、現在は国内主要ディーラー各社からの修理依頼を中心に、状況の整理と修理方針の判断に携わっています。
保有資格は「JAGUフロントマスター」「ダックス事務検定2級」。
現場で培った知見をもとに、お客様にとって最善の修理をご案内します。












