運転免許証の自主返納とは?運転免許返納手続きに必要なもの、どこで行うかを解説

近年では、高齢ドライバーによる自動車事故を、ニュースで目にすることが増えました。
年齢を重ねて運転技術の低下を感じた場合は、運転免許証の自主返納制度を利用するのがおすすめです。
免許証を自主返納すると「運転経歴証明書」が交付され、身分証明書として使えたり様々な特典があったりします。
この記事では、運転免許証の自主返納制度の解説から、運転経歴証明書の内容について解説していきます。
目次
運転免許証の自主返納とは?
運転免許証の自主返納制度とは、免許証が不要になった人が、自ら警察署や運転免許センターに足を運び、運転免許証を返納する制度です。
近年では、高齢ドライバーによる事故を目にするようになり、運転に不安を感じる高齢者が、自主的に免許証を返納するケースが増えています。
警察庁の発表によれば、令和5年における運転免許証の自主返納件数は、38万2957人にのぼりました。
情報引用元:警察庁|運転免許の申請取消(自主返納)件数と運転経歴証明書交付件数の推移
車を運転しなくなった人、運転技術に衰えた人は、警察署や運転免許センターで運転免許返納手続きを行ってください。
運転免許返納手続きはどこで行う?
運転免許返納手続きは管轄の警察署、もしくは運転免許センターで行います。警察署や運転免許センターが開いている時間に行き、窓口で免許返納の旨を伝えてください。
手続きは、渡された書類に必要事項を記入して、窓口に提出してください。
運転免許返納手続きに必要なものは?
運転免許返納手続きに必要なものは、運転免許証だけで大丈夫です。
出典:運転免許証の自主返納の申請をする方(運転経歴証明書の交付は希望しない方)|警察庁
ただし「運転経歴証明書」を交付してもらう場合は、印鑑に加えて交付手数料1,100円がかかります。免許証の返納だけなら無料で、お金は必要ありません。
運転免許証を返納したときのメリットや特典
運転免許返納手続きを行う際に、手数料1,100円を支払うことで「運転経歴証明書」が交付されます。
運転経歴証明書は身分証明書として使えたり、様々な特典があったりします。
こちらでは、免許証を返納したときのメリットや運転経歴証明書の特典、免許証を失効した場合は運転経歴証明書の交付できるのか、について解説していきます。
運転免許証を返納したときのメリット
自動車事故を起こさなくなったり、運転免許を悪用されたりするリスクがなくなります。また、免許更新の必要がなくなったり車の維持費がなくなったりと、手間や金銭の面でも負担が軽くなります。
運転経歴証明書の特典
車を運転できなくなると、日常生活において不便になることが増えます。たとえば買い物に行けなくなったり、外食しにくくなったりなどです。
そこで、令和元年12月1日より運転経歴証明書の提示で、高齢者運転免許自主返納サポート協議会加盟企業の特典が受けられるようになりました。
たとえば東京都の場合、免許返納を行うことで次のようなサービスを受けることができます。
- 銀行の預金金利の優遇制度
- ホテルの利用料金割引
- 服やメガネなど、日常雑貨の割引
- 商店街での買い物が割引
- 食事のデリバリーのおまけ
参考:警視庁|高齢者運転免許自主返納サポート協議会加盟企業・団体の特典一覧
サービス内容は都道府県によって異なるので、詳しい内容に関しては、お住まいの県警や府警の公式サイトからご確認ください。
運転経歴証明書はどれくらいで発行される?
運転記録証明書は、警察署や運転免許センターの窓口で直接申請した場合は1週間以内、郵送の場合は概ね1~2週間後に発行されます。
警察署等の窓口で直接申請した場合であっても、申請して即日発行されることはありません。
免許証を失効(期限切れ)しても、5年以内なら運転経歴証明書の交付できる
たとえば免許証の期限が切れていても、失効から5年以内なら運転経歴証明書を発行できます。
運転免許証を自主返納した方や運転免許証の更新を受けずに失効した方は、運転経歴証明書の交付を受けることができます。ただし、自主返納後5年以上又は運転免許失効後5年以上が経過している方や、交通違反等により免許取消しとなった方等は運転経歴証明書の交付を受けることができません。
引用:警察庁|運転経歴証明書について
「もう免許証の期限が切れたから、自主返納しなくてもいいや。」とお考えの人は、運転経歴証明書の交付を検討してみてください。身分証明書として使えて、銀行の預金金利の優遇や買い物の割引があってお得です。
ただし、交通違反等により免許取消しとなった人は、運転経歴証明書の交付を受けることができないので注意してください。
運転免許返納手続きは本人以外が行うことはできる?
運転免許返納手続きは、家族や介護施設の職員など、本人以外でも行うことができます。条件としては、申請者本人がやむを得ない事情で警察署や運転免許センターに行けない、そして申請者本人の意思確認ができる場合です。
代理人の要件、代理人による申請ができない場合
代理人の要件、代理人による申請ができない場合については、以下の表を参考にしてください。
代理人の要件 (いずれかに該当する方) | 代理人による申請ができない場合 |
---|---|
・親族(同居、別居の別は問いません) ・申請者が入院、入所中の病院、介護施設等の職員 ・福祉関係の有資格者 ・成年後見人 | ・運転免許証を紛失している場合 ・運転免許証の汚破損等により、内容の一部が判読できない場合 ・運転免許の一部取消し申請をする場合 ・運転免許証の有効期限が満了している場合 ・運転免許の取消処分の対象となっている場合 ・運転免許の停止処分の対象となっている場合、および停止処分期間中の場合 ・運転免許の住所地が管轄外の場合 |
情報引用元:千葉県警察|代理人による運転免許の自主返納申請
運転免許返納手続きを本人以外が行う場合の持ち物
代理人が運転免許返納手続きを行う場合は、次の物を持参する必要があります。
- 申請者本人の運転免許証
- 委任状
- 代理人の住所・氏名・生年月日が確認できるもの
委任状については、お住いの都道府県の県警や府警の公式サイトからダウンロードが可能です。たとえば東京都の場合は、警視庁のホームページから委任状をダウンロードできます。
【東京都|免許返納の委任状】

画像引用元:警視庁|運転免許証の自主返納の申請をする方
代理人の住所・氏名・生年月日が確認できるものは、主に以下の証明書が該当します。
- 運転免許証
- 住民票の写し(コピー不可)
- マイナンバー(個人番号が記載されていないもの、通知カード不可)
- 健康保険証
- パスポート
- 在留カード
70歳頃になったら、高齢者講習と合わせて免許の自主返納を考える
70歳頃になると身体機能にも衰えが出て、運転技術も低下してくる年齢です。警視庁の調査によると、近年では事故全体における高齢者運転の割合が、15%〜18%で推移しています。少子高齢化が進み、今後は高齢ドライバーの事故割合が増加する可能性は高いです。
参考:警視庁|防ごう!高齢者の交通事故!
70歳以上になると、「高齢者講習」を受けることが義務付けられています。高齢者講習では実車の項目があり、第三者から自分の運転技術について指摘してもらえます。
運転技術が低下して身体機能の衰えを感じたら、免許の自主返納をするのがおすすめです。
高齢者講習については、こちらの記事でも詳しく解説しています!
運転免許証の自主返納について、その他の疑問・質問
こちらでは、運転免許証の自主返納について、その他の疑問・質問を解説していきます。
何歳からでもできます。年齢制限はないので、極端に言えば18歳からでも免許返納は行えます。
できません。運転免許の停止・取消しの行政処分中の人、もしくは停止・取消処分の基準に該当する人などは、自主返納の対象外です。
運転免許証の自主返納制度についてのまとめ
- 免許証の自主返納は、免許証が不要になった人が警察署などで自主的に運転免許証を返納する制度
- 免許証の自主返納は、申請者本人以外に代理人を立てて行うことができる
- 免許返納をすると「運転経歴証明書」が交付され、身分証明書になったり様々な特典があったりする
運転免許証の自主返納を考える時期は、高齢者講習を受ける70歳頃です。運転技術の低下を感じたら、事故を起こす前に運転免許返納手続きを行いましょう。
この記事の監修者
DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。