フットブレーキとは?エンジンブレーキとの違いや正しい踏み方を伝授

雑学

車のブレーキは、単に車を止めるだけの装置ではなく、各ブレーキによって車を思い通りにコントロールするための重要な役割を担っています。

今回の記事では、フットブレーキ・エンジンブレーキ・ハンドブレーキの仕組みと特徴を整備士の視点で分かりやすく解説していきます。

さらに状況に応じた最適な使い分けや、知っておきたいトラブル例についても丁寧に紹介するので、安全運転にぜひ役立ててください。

今回の記事で分かること

・車のブレーキの役割と仕組み
・フットブレーキとエンジンブレーキの使い分け方
・ブレーキのトラブルについて

車のブレーキの役割と仕組み

車のブレーキは「止まる」だけでなく、車を安全にコントロールするための重要な装置です。

こちらでは、フットブレーキ・エンジンブレーキ・ハンドブレーキの役割と仕組みを、分かりやすく解説していきます。

フットブレーキの役割と仕組み

フットブレーキの役割と仕組み

フットブレーキは、走行中の車を減速・停止させるためのブレーキです。

ペダルを踏むと油圧がブレーキ装置に伝わり、ブレーキパッドがディスクを挟み込むことでタイヤの回転を強力に抑えます。

信号待ちや渋滞、カーブ手前の減速など、日常のほぼすべての場面で使われるため、車の制御に欠かせません。

また、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)と連動することで、急ブレーキ時でもタイヤのロックを防ぎ、安定した制動を維持します。

エンジンブレーキの役割と仕組み

エンジンブレーキの役割と仕組み

エンジンブレーキとは、アクセルを離したときに生まれるエンジン内部の抵抗を利用して、車を自然に減速させる仕組みです。

燃料供給が減ることで、エンジンが回転を維持しようとする力が働き、車の動きを引き戻します。

下り坂や長い減速区間では、フットブレーキだけに頼ると過熱しやすいため、エンジンブレーキを併用することで安全性が大きく向上します。

AT車は「D」から「S」「L」など低いギアに切り替えると減速力が強まり、MT車はシフトダウンで滑らかに減速できます。

ハンドブレーキ(サイドブレーキ)の役割と仕組み

ハンドブレーキ(サイドブレーキ)の役割と仕組み

ハンドブレーキは、車を停止状態で確実に固定するためのブレーキです。駐車中に車が動き出さないよう、車両を保持する役割があります。

ハンドブレーキ以外にも「サイドブレーキ」や「パーキングブレーキ」とも呼ばれます。

ハンドブレーキはレバー式以外にも、足で踏む「足踏み式」や、スイッチ操作の「電子パーキングブレーキ」など、種類が様々です。

仕組みは、車体をしっかり固定するために後輪のブレーキを機械的、または電気的に強く押さえつけるようになっています。

電子パーキングブレーキの場合、自動保持機能を備える車も多く、初心者でも扱いやすい方式として普及しています。

電子パーキングブレーキについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。

車を上手に操作するための各ブレーキの使い分け

こちらでは車を上手に操作するために、フットブレーキ・エンジンブレーキ・ハンドブレーキの最適な使い方について解説していきます。

フットブレーキの最適な使い方

フットブレーキは「強く踏む」のではなく、状況に合わせて踏む力を調整することが重要です。

たとえば急に踏み込むと車体が揺れ、タイヤがロックして制御を失う危険があります。滑らかに減速させることが、フットブレーキの基本的な操作です。

最初に軽く踏んで車の姿勢を安定させ、その後必要な分だけ踏力を増やす、段階的なブレーキ操作をしてください。

エンジンブレーキの最適な使い方

エンジンブレーキの最適な使い方

エンジンブレーキは、アクセルを離した際に生まれる自然な減速力を活かすことで、ブレーキの負担を大幅に軽減できます。

特に長い下り坂では、フットブレーキだけに頼ると過熱しやすいため、エンジンブレーキを併用することが必須です。

AT車は「D」から「S」「L」へ、MT車は適切なタイミングでシフトダウンすることで安定した減速が可能になります。

ハンドブレーキの最適な使い方

ハンドブレーキは走行中ではなく、車を停めるときに使うブレーキです。後輪を強く押さえて車を固定するため、坂道駐車や停車中の安全確保に欠かせません。

電子パーキングブレーキ搭載車では、自動保持機能により初心者でも安定した操作が可能です。

知っておきたいブレーキのトラブル

車のブレーキトラブル

こちらでは、いざというときのために困らないよう、知っておきたいブレーキのトラブルについて解説していきます。

  • フェード現象・ベーパーロック現象
  • ブレーキの異音
  • ブレーキ警告灯の点灯
  • ハンドブレーキの凍結

フェード現象・ベーパーロック現象

フェード現象やベーパーロック現象は、どちらもブレーキが効きにくくなる危険なトラブルですが、原因が異なります。

フェード現象は、長い下り坂などでブレーキを多用し続けた結果、摩擦熱によってブレーキパッドやディスクが過度に熱せられ、摩擦力が低下して制動力が弱まる状態です。

一方、ベーパーロック現象はブレーキフルードが高温で気化し、配管内に気泡が発生することで油圧が伝わらなくなり、ペダルを踏んでもブレーキが効かなくなる非常に危険な状態です。

どちらも熱が原因でブレーキが効かなくなる現象であり、早めの減速やエンジンブレーキの併用が重要になります。

フェード現象やベーパーロック現象については、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。

ブレーキの異音

ブレーキを踏んだときに「キ-キー」「カンカン」「ゴー」といった異音がする場合、ブレーキ周りに何らかの不具合が起きている恐れがあります。

原因の多くは、ブレーキパッドの摩耗によって、金属同士が擦れているためです。

また、パッドとディスクの間に小石や砂が挟まり、走行のたびに削れるような音が続くケースもあります。

さらに、ブレーキローターの歪みや錆が進むと、ペダルを踏むたびに振動を伴う異音が発生する場合があります。

ブレーキの異音は車からの危険信号と考え、早めに点検を受けるのが安全です。

ブレーキの異音については、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。

ブレーキ警告灯の点灯

ブレーキ警告灯が点灯した場合は、車の制動系に異常が発生している可能性が高く、見逃してはいけない重要なサインです。

もっとも多い原因は、ブレーキフルードの量が減っているケースです。液量が規定値を下回ると、警告灯が点灯します。

また、パーキングブレーキが完全に解除されていない場合や、ブレーキパッドの摩耗が進んでセンサーが反応する場合にも、警告灯が点灯することがあります。

さらにABSの故障や配線トラブルなど、電気系の不具合が原因となることもあります。

ブレーキ警告灯の点灯は緊急性の高いトラブルと考え、走行を続けず早めに点検を受けるのがおすすめです。

ブレーキ警告灯の点灯については、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。

ハンドブレーキの凍結

ハンドブレーキの凍結は、冬場の低温環境でブレーキ内部に入り込んだ水分が凍りつき、ブレーキが解除できなくなるトラブルです。

特に降雪地域では、走行中に巻き上げた雪や融雪剤の影響で、ワイヤーやブレーキシュー周辺が濡れ、そのまま駐車すると凍結しやすくなります。

無理に動かそうとすると、部品を破損してしまう恐れがあります。そのためエンジンで車体を温めたり、時間を置いたりして自然解凍を待つことが安全です。

ハンドブレーキの凍結については、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。

ブレーキのトラブル防止は日常点検や車検で確認を

ブレーキのトラブルを防ぐためには、日常点検と車検での定期的な確認が欠かせません。

日常点検では、警告灯の有無やペダルの踏み心地、異音の発生などを確認してください。

少しでも違和感があれば、早めに整備工場へ相談することで重大なトラブルを未然に防げます。

ブレーキの摩耗や劣化は、外からは分かりにくいです。パッドの残量やフルードの状態、ローターの傷つきなどは専門的なチェックが必要になります。

ブレーキは消耗品であり、放置すれば必ず性能が落ちるという意識を持つことが大切です。

車の日常点検や車検については、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。

車のブレーキについてのまとめ

  • 車のブレーキは止まるためだけでなく、走行中の安全を支える欠かせない装置
  • 各ブレーキの仕組みや使い分けを理解しておくことで、運転の安定性は大きく向上する
  • フェード現象や異音、警告灯の点灯など、トラブルの兆候を知っておくことも重要

ブレーキは、日常点検や車検で状態を確認しながら、正しく使いこなすことが安全で快適なドライブにつながります。

この記事の監修者

GlassD吹浦先生

             

DUKS  受付窓口責任者

吹浦 翔太

年間84,000件のフロントガラストラブルに対応するDUKSグループで、受付窓口の責任者を務めています。
2008年から6年間、現場での実務経験を積み、現在は国内主要ディーラー各社からの修理依頼を中心に、状況の整理と修理方針の判断に携わっています。
保有資格は「JAGUフロントマスター」「ダックス事務検定2級」。
現場で培った知見をもとに、お客様にとって最善の修理をご案内します。

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