飛び石傷の責任は追求できる?飛び石傷ができた際の対処法を解説

車を運転していると、たまに飛び石の影響で自分の車が傷つく場合があります。たとえば、走行中にいきなりフロントガラスにヒビが入った場合は、飛び石の影響と考えてよいでしょう。
たとえば、他の車が巻き上げた石で飛び石傷が発生した場合、責任追求や損害賠償請求ができるのでしょうか?
泣き寝入りかどうなのか?こちらでは、飛び石傷ができた際に、相手の車に責任追求できるのかどうかについて解説していきます。

目次
飛び石傷とは?

飛び石傷とは、走行中に飛来した小石などが、フロントガラスに当たってできる傷のことです。飛び石傷は、放置するとヒビが広がりやすく危険です。
傷の大きさや位置によっては修理で済む場合もありますが、視界を妨げる箇所や2cm以上のヒビがある場合はガラス交換が必要になることもあります。
早期の対応が重要で、自己修理は失敗リスクが高いため、専門業者に相談するのがおすすめです。
飛び石傷ができるパターンは2つ
飛び石傷には、主に2つの発生パターンがあります。ひとつは自車のタイヤが小石を跳ね上げ、車体やガラスに当たるケース。もうひとつは前方車両が巻き上げた石が飛来して被害を受けるケースです。
- 自車のフロントタイヤが巻き上げた石で、自車に傷をつけるパターン
- ほかの車が巻き上げた石が、自車に当たって損害となるパターン
前者の場合は相手がいないので、誰の責任にすることもできません。では、後者のように他の車両による飛び石で自分の車が傷ついた場合、相手に責任を追求することはできるのでしょうか?
飛び石傷の責任を追求するのは難しい
飛び石傷の責任を特定するのは、非常に困難です。飛び石傷で、相手に損害賠償を請求するには、民法709条の「不法行為責任」が法的根拠になります。
しかし、この責任を相手に負わせるためには、「過失」と「因果関係」を証明しなければならず、被害者にとって大きな壁となります。
相手の「過失」を証明する難しさ
飛び石傷において相手の「過失」を証明するのは非常に困難です。
石が跳ねた原因が通常の走行によるものであれば、法的には過失と認められにくく、責任を問うのは難しいとされています。
たとえ加害車両が特定できても、故意や不適切な運転行為がなければ損害賠償の根拠にはなりません。
過去の判例でも、過失の立証が不十分とされて請求が認められなかった例が多く、現実的には自己負担や保険対応が一般的です。
「因果関係」を証明する難しさ
飛び石傷における「因果関係」の証明は非常に難しいとされています。
石がどの車両から跳ねたか、どのタイミングで傷がついたかを明確に示す必要がありますが、走行中の一瞬の出来事であるため、客観的な証拠を得るのは困難です。
加害車両が特定できても、石の跳ね返りがその車両に起因するかどうかを立証するのは現実的ではなく、法的な責任追及には高いハードルがあります。
ドライブレコーダーがあっても飛び石傷の責任追求は難しい

ドライブレコーダーに映像が残っていても、飛び石傷の責任を追及するのは容易ではありません。
映像から加害車両の特定ができたとしても、石がその車両から跳ねたことを直接証明するのは困難です。
また、飛び石は偶発的な事象であり、通常の走行中に発生する可能性があるため、故意や過失が認められにくいのが現実です。
そのため、ドライブレコーダーの映像だけでは、法的根拠として不十分とされると思ってください。
・相手の過失を証明するのが困難
・小さな石の飛来の瞬間や軌道を明確に捉えるのは難しい
・本当にその車からか、因果関係を証明するのは難しい
・映像が不鮮明だと、証拠価値が著しく低下するため
飛び石傷ができた際の対処法

車を走行中に飛び石傷が発生したら、応急処置をして早めに修理しましょう。飛び石による傷を放置すると、走行時の振動や温度差でヒビが広がる恐れがあります。
まずは保護フィルムやセロハンテープで傷口を覆い、ゴミや水分の侵入を防ぐ応急処置を行いましょう。
その後は、できるだけ早く専門業者に修理を依頼することが重要です。初期対応が早ければ、修理費用を抑えられる可能性も高く、安全性の確保にもつながります。
飛び石傷の応急処置については、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
飛び石傷ができたら警察に届出をする?しない?
飛び石による傷は、物損事故として扱われる可能性があるため、警察に届出をしてください。
特に保険を使って修理を行う場合、事故証明が必要になることが多く、届出をしておくことで後の手続きが円滑になります。
加害車両が特定できないケースも多いですが、ドライブレコーダー映像や目撃情報があれば、損害賠償請求の根拠となることもあります。
届出を怠ると、保険金の支払い対象外となる可能性もあるため、被害を受けた際は速やかに警察と保険会社へ連絡するのがおすすめです。
飛び石傷の保険の適用はアリかナシか?
飛び石による傷は、自動車保険の「飛来・落下物との衝突」に該当するため、車両保険の対象となるケースが多いです。
ただし、保険を使うと等級が1ランク下がり、翌年以降の保険料が上がる可能性があります。
また、免責金額の設定によっては全額補償されないこともあるため、修理費と保険料の増加分を比較して判断することが重要です。
そのため保険会社に連絡して、トータルとして保険適用が得か損か、よく相談するようにしてください。
飛び石傷の保険適用については、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
飛び石傷の予防法
飛び石は、自分がいつ被害者・加害者になってもおかしくはないです。そうならないためには、以下の4つを心掛けておきましょう。
- 前方車両との車間距離を十分に空けておく
- 適正な速度をしっかりと守る
- タイヤの溝に小石が挟まっていないか確認する
- マッドガードを取り付ける
飛び石の事故は、時速100kmを超える高速道路で起こりやすいと言われています。
そのため、高速道路を運転する際は、特に車間距離に気を付けて、スピードを出し過ぎないようにしましょう。
また、自分の車に小石が挟まっていないかもチェックしてください。タイヤの溝に小石が挟まっていると、高速道路等では遠心力の影響で飛びやすくなります。
特にスタッドレスタイヤの場合は、溝に小石が詰まりやすいので注意が必要です。また、タイヤにはマッドガードを取り付けるのも効果的でしょう。
飛び石傷の責任追求についてのまとめ
- 他の車の巻き上げた石が原因で飛び石傷ができても、責任追求や損害賠償請求は難しい
- 飛び石傷の責任追求が難しい理由は、相手の過失や因果関係を証明するのが難しいから
- 飛び石傷はどんなケースであっても、自分で修理に出すのが一般的
飛び石傷ができた場合、他の車の巻き上げた石が原因であっても、責任追求するのは難しく泣き寝入りするのが一般的です。
走行中に飛び石傷を発見したら、応急処置をしてすぐに傷を直すようにしてください。

この記事の監修者
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DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。












