飛び石でフロントガラスにできたヒビ・傷の応急処置はどうすればいい?

修理・修復

車に乗っている人にとって、走行中の視界に必ず入るのが「フロントガラス」です。このフロントガラスに少しでも傷やヒビが入ってしまうと、大きな事故に繋がってしまう確率も高くなってしまいます。

どんなに注意して走行していても、飛び石によってフロントガラスに突然傷ができることがあります。フロントガラスに傷がついてしまう原因の多くは、走行中の飛び石によるものです。

今回は、飛び石によって車のフロントガラスに傷やヒビができてしまったときの応急処置について解説していきます。

フロントガラスの傷・ヒビへの応急処置

フロントガラスに飛び石などが当たり、ガラスに傷やヒビができてしまったら、まずは車が安全な場所にあるかを確認し、傷の程度を確かめてください。

保護フィルム・テープを貼る

傷が1㎝〜2㎝程度であれば、保護フィルムや保護テープなどで応急処置ができます。保護フィルムは、ゴミや汚れが入るのを防いでくれるほか、修理の際に傷が綺麗に直りやすくなります。

セロハンテープで補強する

市販のセロハンテープを使って応急処置を施すこともできます。このとき、必ずフロントガラスについてしまった傷を一枚で覆える幅のセロハンテープを使ってください。小さいセロハンテープを重ねて傷を塞いでしまうと、隙間からゴミや汚れが入り込んでしまう可能性が高くなります。

注意点

※保護フィルムやセロハンテープを使って応急処置をする場合、貼り付けるときに強く押さないようにしてください。傷やヒビがひどくなってしまいます。

修理キットを使う

修理キットを使えば、硬化するUVレジン(樹脂)で飛び石などによるフロントガラスの損傷を補修することができます。

自分で傷を補修するキットは数千円程度で入手できますが、綺麗に仕上げるにはそれなりのテクニックが必要です。

応急処置をする際にやってはいけないこと

ゴミや汚れをそのままにして補修する

応急処置を施す際に、ゴミや汚れを付着させたままにしてしまうと十分に傷口を塞げなくなってしまいます。小さなヒビから大きな傷へ被害が拡大してしまう危険性が大きくなるため、応急処置をする際にゴミや汚れはきちんと取り除いておきましょう。

小さな傷だからといって「放置」する

リペアキットが手元になかったり、テープを貼る必要もなさそうに思える小さな傷は「放置しても大丈夫」と思ってしまいがちです。

小さな傷だから大丈夫だということはありません。走行中の振動がヒビを拡大させてしまうので、どんなに小さな傷でもしっかり応急処置をしておいてください。

応急処置後は修理へ

ここまで紹介してきた方法は、あくまで「応急処置」です。一時的な補修は可能ですが、完璧に傷を塞げるわけではありません。

走行時の振動などでヒビは伸び、傷も大きくなっていってしまいます。フロントガラスの応急処置が終わったらできるだけ速やかに修理へ持っていくようにしてください。

また、修理に持っていくまでの間は、傷部分にストレスのかかるような走りは控え、同時にエアコンの風が直接ウインドウに当たらないようにしましょう。内外の温度差で傷が拡大しやすくなってしまいます。

修理費用の相場

フロントガラスの交換費用

フロントガラスを交換するのにかかる費用は車種によって異なりますが、8万円~11万円と10万円前後になっています。

フロントガラス交換にかかる費用については、以下の記事で詳しく解説しています。

フロントガラス交換の費用って?軽自動車・普通車のガラス交換はどこですべきか、車両保険の活用とあわせて解説

フロントガラスリペア(補修)の相場

フロントガラスの傷をリペア(補修)する場合、1万5千円~2万円5千円ほどが相場ですが、ガラス修理業者、ディーラー、車種、破損状況によって価格は異なります。

10円玉以下の傷の場合の目安として、以下の表を参考にしてください。

種類費用
普通自動車10,000~15,000円
軽自動車8,000~13,000円

フロントガラスにつく傷の種類

ガラスにできてしまう傷の種類は、大きく分けて6つあります。

修理(補修)で済むケース

A:ブルアイ(牛の目)
B:ハーフムーン(半月)
C:スターブレイク(星型)

交換が必要なケース

D:クローバーリーフ(クローバーの葉)
E:ビーウィング(蜜蜂の羽)
F:コンビネーション(複合型)

A-Bの傷を補修する場合は、比較的修理痕が残らずに済みますが、C以上の線ヒビが多い物となると、修理痕が残りやすいです。

また、D~Fの傷は箇所によって施工中にヒビが伸びる可能性が非常に高く、比較的修理痕も残りやすいため、ガラス交換をお勧めします。

小さな傷をほったらかしにすると?

フロントガラスにできてしまった傷は、たとえ小さなものでも、走行中の風圧やドアの開閉などによる車体への衝撃で徐々に広がって大きくなってしまいます。

小さな傷でも放置しつづけてしまうと、運転中の視界を遮ってしまうような大きな傷に発展してしまうことがあるため、フロントガラスの表面に傷を見つけたらなるべく早めに対処してください。

また、どんなに小さな傷でも放置したままにしてしまうと、車検を受けた際に「視界を遮る可能性がある」と判断されてしまい、車検に通らなくなってしまうことがあるので、傷ができてしまったら必ずプロに相談しましょう。

最後に

フロントガラスは、簡単に割れてしまわないよう三重構造(ガラス・プラスチック・ガラス)になっています。第一層と第三層のガラスの間に「可塑化ポリビーニールブラチール」というプラスチックを挟んでいるため、衝撃が吸収され、ガラスが飛散するということはありません。

しかし、たとえ小さな傷でも放置してしまうとどんどん大きくなり、取り返しのつかない状態になるほか、車検を受けることもできなくなってしまいます。

そうならないためにも、応急処置用のリペアキットやテープなどをできるだけ車内に備えておくようにしてください。

この記事の監修者

GlassD吹浦先生

DUKS  府中店 営業事務

吹浦 翔太

業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。

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