オービスとは?オービスが光る条件、通知後の対応や光らない対策を解説
免許証を取得したばかりで高速道路を運転すると、ついついスピードを出し過ぎる場合があります。
また、用事があり急いでいる場合は、制限速度を破るケースも珍しくありません。
必要以上にスピードを出し過ぎると、速度超過でオービスに引っ掛かる可能性が高いです。
自分では意識がなくとも、知らぬ間にオービスに引っ掛かると、後日「出頭通知書」が送られてきます。
もしも、オービスの通知が来てしまったらどうすれば良いのか?今回は、オービスの種類と合わせて解説します。
目次
オービスとは
オービスの正式名称は「自動速度違反取締装置」で、悪質なスピード違反を取り締まるための装置です。
ここでは、オービスの光り方やライトが光る瞬間の速度超過、オービスが把握する情報について解説していきます。
オービスの光り方
オービスは、赤く光るタイプのもの、白色の光を放つタイプがあります。
とても眩しい光で、目の前が真っ赤になるほどの強い光を放ちます。
オービスが光る瞬間の速度超過について
オービスは、一定の速度を超えると光ります。公道には「法定速度」が存在しています(一般道路は時速60km/高速道路は時速100lm)。
オービスが光る瞬間の、速度超過は以下の通りです。
・一般道路:時速30km以上
・高速道路:時速40km以上
道路標識によって速度制限が設けられている場合もありますが、基本的にドライバーは法定速度を守る義務があります。
オービスが光った場合の罰金・罰則
オービスが光ると免停の対象になり、6ヶ月以下の懲役、または10万円以下の罰金が科せられます。
そのためオービスが光ると通知書(赤切符)が届き、警察署に出頭しなければいけません。
スピード違反の反則金と罰金に関しては、以下の表を参考にしてください。
【スピード違反の反則金と罰金】
超過速度 | 一般道路 | 高速道路 |
時速15km未満 | 9,000円 | 9,000円 |
時速15~20km未満 | 12,000円 | 12,000円 |
時速20~25km未満 | 15,000円 | 15,000円 |
時速25~30km未満 | 18,000円 | 18,000円 |
時速30~35km未満 | 6ヶ月以下の懲役、または10万円以下の罰金 | 25,000円 |
時速35~40km未満 | 6ヶ月以下の懲役、または10万円以下の罰金 | 35,000円 |
時速40~45km未満 | 6ヶ月以下の懲役、または10万円以下の罰金 | 6ヶ月以下の懲役、または10万円以下の罰金 |
時速50km以上 | 6ヶ月以下の懲役、または10万円以下の罰金 | 6ヶ月以下の懲役、または10万円以下の罰金 |
※赤文字がオービスの罰金・罰則の対象
スピード違反に関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
オービスが把握する情報
オービスでスピード違反を検知されると、以下の情報が把握されます。
・車種
・ナンバープレート
・ドライバーの顔写真
・いつどこで何kmの超過速度を起こしたのか
これらの情報を基に、後日 通知書が自宅に届いて警察署への出頭が求められます。
オービスの種類について
オービスには「固定式」と「移動式」が存在します。固定式はその名の通り、道路上部や路肩、道路内に設置されています。
一方、移動式は車内にオービスを搭載・携帯して、速度測定を行うシステムです。それぞれ色んな種類のオービスが存在するので、ここで詳しく解説します。
固定式オービス
固定式のオービスには、主に以下の4つが存在します。
・レーダー式
・ループコイル式
・Hシステム
・LHシステム
レーダー式
最も古いオービスで、 レーダーを発射して車の速度測定をする仕組みです。写真撮影はフィルム式で行われています。
主に道路上部にセンサーが設置されているため、遠くからでもオービスの存在を確認することが可能です。
Hシステム
レーザー式に代わり、現在多く設置されているオービスです。測定方法はレーダー式のものと同様ですが、警察署と通信回線により常に接続されています。
レーダー式と同様に、道路上部にセンサーが設置されているため、遠くからでもオービスの存在を確認することが可能です。
ループコイル(磁気センサー)式
主に道路内部に埋め込まれており、ループコイルと呼ばれる磁気センサーで速度測定をします。
車線中央に横の白線が引かれている場合は、ここにループコイル式が埋まっており、遠くからでは存在が確認しづらいです。
LHシステム
LHシステムオービスは、Hシステムとループコイル式を組み合わせたオービスです。実はレーダー波は、環境や気象条件に影響を受けやすくなっています。
そこでLHシステム式は、地面に埋め込まれたループコイルによって速度測定を、道路上部にあるカメラで写真撮影をして、警察担当部署へのデータ通信が行われています。
ただし、設置するためのコストが高額なため、一部の主要箇所にしか設置されていません。
移動式オービス
移動式のオービスには、主に以下の2つが存在します。
・移動式車両
・iMオービス(新型移動式小型オービス)
移動式車両
車にオービスを搭載していて、速度を検知するタイプです。基本的にワンボックスカーや警察車両に装備していて、いわゆる「ネズミ捕り」と呼ばれるものになります。
およそ10〜15m手前から検知を行っており、見た目ではオービスが搭載されている車両の判断は困難です。
iMオービス(新型移動式小型オービス)
人の手でも持ち運び可能なタイプのオービスで、レーダーで速度を検知します。
そして「高さ:約1.3m/幅:約1m」とコンパクトなため、狭い場所でも三脚を立てての撮影が可能です。
2017年7月から、岐阜県警が本格的に運用をスタートしました。
道幅が狭くて取締まりが困難だった「生活道路」でも利用できるため、今後多くの住宅地で使用される可能性があります。
オービスを光らせたら通知書(赤切符)が届く
オービスを光らせた場合は、刑事罰の対象です。赤切符と呼ばれる通知書が届くので、警察署に出頭しなければいけません。
オービスを光らせてしまった後の流れは、大まかに以下の通りです。
- 自宅に出頭通知書が届く
- 警察署に出頭する
- 裁判所から出廷要請の通知が届く
- 裁判所に出廷する
- 停止処分者講習を受ける
ここでは、流れの詳しい内容について解説します。
自宅に出頭通知書が届く
オービスを光らせると、車のナンバープレートを元に情報を割り出し、車の所有者の自宅に「出頭通知書」が、数日〜1ヶ月以内に郵送されます。
出頭通知書は、あくまで車の所有者に送られてきます。そのため、違反したドライバー=車の所有者とは限りません。
もしも、家族や友人などの知り合いに車を貸し出し、スピード違反された場合は自分の元に通知書が届きます。その場合は、警察に事情を説明しましょう。
警察署に出頭する
通知書が届いたら、事情聴取で事実確認が行われるため警察署へと出頭します。
ちなみに、通知書を無視して警察署への出頭を怠ると、警察官が自宅まで来て逮捕されるので注意してください。
通知書は無視せずに、必ず警察署に出頭しましょう。警察署へ出頭したときの流れは、以下の通りです。
- 受付にて出頭通知書を提出して事情を話す
- 担当警察官が現れて取調室へと連れて行かれる
- オービスの撮影データを見せられて事実確認をされる
撮影データには、車両やナンバープレート、ドライバーの顔がしっかりと写っているため、事実を否定するのは難しいです。
事実と異なる発言をした場合は、偽証罪に問われることもあるので、質疑には正直に答えましょう。
裁判所から出廷要請の通知が届く
警察署での事情説明が終わると、今度は裁判所から「出廷通知書」が数日〜1ヶ月以内に郵送されます。
通知書には日時や場所の指定、略式裁判によって罰金を決める旨が記載されています。
指定された日時が不都合な場合は、記載されている連絡先に電話して、日時変更を行ってください。
そして、その場で罰金を支払う場合があるので、用意できるならば現金10万円を持参しましょう。すぐに用意できない場合は、後日納付することも可能です。
裁判所に出廷する
裁判所に出廷した後の流れは、以下の通りです。
- 裁判所の中に警察の受付があるので、通知書を提出して事情を話す
- 警察署での調書を基に、再び事実確認が行われる
- 内容に問題がなければ、略式裁判に同意する書類に署名・捺印をする
- 検察の受付に向かい、事実確認が行われる(警察の聴取に不備がないかどうかの確認)
- 罰金の額が決定する
- 略式裁判が行われるので、10分〜1時間ほど待合室で待機する
- 名前を呼ばれたら受付に出向き、名前と生年月日を答える
- 判決結果が記載された用紙、罰金額が記載された赤切符が渡される
- 罰金のための現金を持ってきた場合は、支払いを済ませて終了
ちなみに、裁判所への出廷はできるだけ公共交通機関を使いましょう。免停の行政処分は人によって違いますが、出廷より前に処分が行われる場合があります。
そのため、裁判所の出廷は公共交通機関を極力利用するようにしてください。
停止処分者講習を受ける
オービスを光らせた場合、免停はほぼ確実です。超過速度により30日〜90日と免停の期間が異なります。
ただし「停止処分者講習」を受けると免停の期間を短縮することができます。
停止処分者講習は、公安委員会から講習の通知書が郵送されてくるので、特に生活に車が必要な場合は必ず受講するようにしましょう。
免停期間により『短期講習』『中期講習』『長期講習』の3つの講習に分かれており、それぞれに講習費用が必要です。
停止処分者講習に関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
オービスが光らないようにするには?
オービスを光らせないためにできることは、以下の3つです。
- 法定速度(制限速度)を守る
- 予告看板で確認する
- 設置場所をインターネットで把握する
法定速度(制限速度)を守る
一番は法定速度(制限速度)を守ることです。
特に高速道路や自動車専用道路では、道幅も広く交差点や信号機も少ないため、ついついスピードを出してしまう場合があります。
スピードの出し過ぎはオービスが光らなくとも、大きな事故に繋がる確率が高まります。
そもそもオービスは事故を防ぐために設置されているので、基本的には制限速度を守る意識を心掛けてください。
予告看板で確認する
オービスがある場所には通常、設置場所より前に予告看板があります。
予告看板は、オービスの手前1km〜3km程度のところに複数設置されているパターンが多いです。
看板には「自動速度取締機設置区間」などと明記されており、看板の大きさや色は設置してある地域や道路で異なります。
設置場所をインターネットで把握する
実は設置場所はインターネットでも、事前に把握することが可能です。インターネットでオービスを事前に把握する場合は、以下の2つの方法があります。
- WEBサイトから調べる
- オービス検知アプリをスマホにインストールする
WEBサイトからオービスの設置場所を調べる場合、以下の「オービスガイド」で把握できます。
参考:オービスガイド – 全国オービスマップ&情報サイト (orbis-guide.com)
ただし、検索できるのは固定式のみで、移動式は検索できません。ちなみに、オービスガイドのアプリ版では、移動式のアプリを検知することが可能です。
リアルタイムのオービス情報をプッシュ通知で報せてくれたり、大きく超過速度をしている場合は音声で報せてくれたりします。
とはいえ、これは「うっかりスピードを出し過ぎたときに気付くためのサポート」と捉えてください。基本的には制限速度を守り、安全運転を心掛けましょう。
オービスが光らないケースもあるって本当?
実は「オービスの前でスピード違反をしたと思ったけど、光らなかった。」というケースもあります。
カメラが光らないケースとして考えられるのが、以下の2つです。
- ダミー(旧式)のオービスだった
- 他のシステムだった
ダミー(旧式)のオービスだった
実はオービスの中には、旧式ですでに速度判定できないものがあります。
旧式が置かれているのは、ドライバーに注意を向けさせる目的で、ダミーとして設置されているパターンです。
ダミーの場合は速度超過をしても、当然オービスは光りませんし撮影も行っていません。
他のシステムだった
道路には「Nシステム」や「Tシステム」という、オービスによく似たカメラが設置されています。
- Nシステム:自動車のナンバーの読み取りを目的としたカメラ
- Tシステム:渋滞状況の把握を目的としたカメラ
これらのカメラは速度超過の把握が目的でないため、オービスのように光が出ることはありません。
オービスが光ったか不安でも確認の仕様はない
運転中にオービスが光った気がして、不安になる場合があると思います。しかし、オービスで撮影されたかどうかは、確認の仕様はありません。
仮に警察に問い合わせても、状況を確認することは不可能です。
オービスから送信されたデータを解析して、対象の自動車を特定するまでの間は警察にも状況は分かりません。
オービスが光ったかどうか不安を感じても、通知を待つしかないです。
解析するまでの時間には差があるので、通知書が届くには数日〜1ヶ月程度かかると思ってください。
オービスについてのまとめ
- オービスとは、悪質なスピード違反を取り締まるための装置
- オービスが光った場合、刑事罰の対象になる
- オービスは予告看板やインターネットで事前に設置場所を確認できる
時速10km以上の速度超過は、うっかり出し過ぎることもあります。しかし、オービスが光る速度超過は、刑罰の対象になる可能性が高いので気を付けましょう。
近年では高速道路や自動車専用道路に加えて、住宅地などの生活道路にも移動式のオービスが設置されています。
オービスのアプリを事前にインストールするのはもちろんですが、基本的には制限速度を守るように安全運転を意識してください。
この記事の監修者
DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
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