高速道路走行時の空気圧は高めが良いって本当?基本的にはメーカー指定の空気圧を
「高速道路を走行するときは、タイヤの空気圧を高めた方が良い。」という話を、聞いたことがある人は一定数いるのではないでしょうか?
確かに昔は、高めが良いという風潮がありました。しかし、今は技術も進歩しており、高速道路を走行する場合も、タイヤの空気圧はメーカー指定で問題ありません。
この記事では、「高速道路を走行するときは、タイヤの空気圧を高めで。」という風潮が何故あったのか、を交えて解説します。
目次
高速道路でもメーカー指定の空気圧で良い
そもそもタイヤの空気圧は、以下のことが考慮されてメーカーが指定しています。
- 車の形状
- 車の重量
- バランス
- 装備
- 最大負荷能力
指定空気圧を決める際に、この中で最も重要なのが『最大負荷能力』です。
『最大負荷能力』とは、その車両で想定される重量に対して、タイヤが適正かつ安全に機能する負荷の上限を示したものです。
後述で解説しますが、高速道路では遠心力がかかって、タイヤが押しつぶされます。
現在では、それらも計算して最大負荷(最大耐荷重)をテストして空気圧を決めるため、メーカー指定の空気圧で問題ありません。
最大負荷能力(ロードインデックス)はタイヤの側面に記載
ちなみに、最大負荷能力は、ロードインデックスという指標で表されています。ロードインデックスの数値は、タイヤの側面に記載されています。
- タイヤの数値:196/60R15 90H
この『90H』が、最大負荷能力の数値です。負荷能力としては、最大600kgの重量に耐えることができます。
(タイヤ1本につき600kgなので、タイヤ4本で2.4tの重量に耐えることが可能)
ロードインデックスは、各タイヤメーカーのホームページなどで調べることが可能なので、参考にしてみてください。
かつては「空気圧は高めが良い」という風潮があった
タイヤは高速で回転をすると遠心力がかかり、押しつぶされていきます。そして熱を持つと、破裂しやすくなります。
昔はタイヤの耐久性が現在よりも弱かったため、空気圧が低いと高速道路では以上のような現象が起きやすかったです。
そのため、「高速道路を走行するときは、タイヤの空気圧を高めた方が良い。」と、言われていました。
しかし、現在では先ほどの最大負荷能力や、タイヤの耐久性自体も上がっており、一般道路でも高速道路でも空気圧を変える必要はありません。
どうしても空気圧を高めに設定したいのなら、1割ほどのアップにとどめておきましょう。
高速道路を走行する前にタイヤの点検を
重要なのは空気圧を高めることではなく、タイヤの状態を確認することです。高速道路を走行する前には、空気圧を含めて以下のことを確認しておきましょう。
【タイヤの点検】
- 空気圧…空気圧が足りていないとタイヤが安定せず、ハンドル操作が難しくなる。
- 亀裂や損傷…タイヤに亀裂や損傷があると、タイヤがパンクしたり破裂したりする恐れがある。
- 溝の深さ…溝がすり減ると、スリップサインが出てくるので交換時期。
高速道路を走行する前はもちろん、日常的にタイヤを含めた車の点検をしておけば問題ありません。
タイヤを含めた車の日常点検については、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてくださいね。
最後に
昔は「高速道路を走行するときは、タイヤの空気圧を高めた方が良い。」と、言われていましたが、それは過去の話です。
現在では、メーカー指定の空気圧で走行すれば、高速道路でも問題はありません。
それよりも重要なのが、空気圧を含めた日常点検です。特にタイヤに亀裂や損傷があると、タイヤがパンクしたり破裂したりする危険性があります。
もしも亀裂や損傷が見つかったり、スリップサインが出たりした場合は、ディーラーや専門店などでタイヤを交換しましょう。
この記事の監修者
DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。