ASV(先進安全自動車)とは?なぜ必要なのか、安全装置一覧を解説

雑学

ASV(先進安全自動車)は、交通事故の未然防止や被害軽減を目的に、先進技術を活用して安全性を高めた自動車のことです。

近年では、衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報、駐車支援システムなど多彩な安全装置が搭載され、ドライバーの認知・判断・操作を総合的に支援する仕組みが整っています。

今回の記事では、ASV(先進安全自動車)とは何か?なぜ必要なのか?安全装置の一覧について解説していきます。

ASV(先進安全自動車)とは?

ASVは「Advanced Safety Vehicle」の略で、先進技術を活用して安全性を高めた自動車のことを指し、日本語では「先進安全自動車」と言います。

具体的には、衝突被害軽減ブレーキや車線維持支援、ふらつき警報、駐車支援などの機能を搭載した自動車のことです。

これらの安全装置は、ドライバーの認知や判断、操作を総合的にサポートすることで、事故の未然防止や被害軽減を図ります。

国土交通省が推進するASV事業は、1991年度から始まり、現在では多くの車両への普及が進んでいます。

ASVはあくまでドライバー補助の技術であり、運転の主体は人間であるという前提のもと、安全運転を支える重要な存在となっています。

車の安全装置はなぜ必要なのか?効果を解説

自動車の安全装置は、ドライバーの判断ミスや不注意による事故を未然に防ぐために欠かせない存在です。

人間の運転には限界があり、一瞬の油断が重大な事故につながることもあります。こうしたリスクを軽減するため、ASVでは衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報など、先進技術を活用した装置が搭載されています。

政府広報オンラインによれば、衝突被害軽減ブレーキが搭載された自動車が普及したことにより、2014年から2022年にかけて、追突事故件数が約55%減少したというデータが出ています。

車の安全装置はなぜ必要なのか?効果を解説

画像引用元:交通事故ゼロを目指して。ドライバーの安全運転を支援する先進安全自動車 | 政府広報オンライン

ASVの安全装置は、ドライバーの安全運転を支援する補助的な役割を果たし、交通事故ゼロを目指す社会づくりに貢献しています。

ASV(先進安全自動車)の安全装置一覧

ASV(先進安全自動車)の安全装置一覧

ASVの安全装置には、衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い時加速抑制装置などがあります。

ASV(先進安全自動車)の安全装置一覧は、主に次の通りです。

  • AEB(衝突被害軽減ブレーキ)
  • ペダル踏み間違い時加速抑制装置(誤発進抑制制御機能)
  • レーンキープアシスト(車線逸脱抑制機能)
  • ACC(車間距離制御装置)
  • リアビークルモニタリングシステム(後側方接近車両注意喚起装置)
  • オートハイビーム(自動切替型前照灯)
  • ふらつき警報
  • 駐車支援システム(バックカメラなど)

AEB(衝突被害軽減ブレーキ)

AEB(衝突被害軽減ブレーキ)とは、前方の車両や歩行者との衝突リスクを検知し、事故の回避や被害の軽減を図る技術です。

車両に搭載されたレーダーやカメラが周囲の状況を常時監視し、危険が迫ると警告を発し、必要に応じて自動でブレーキを作動させます。

ペダル踏み間違い時加速抑制装置(誤発進抑制制御機能)

ペダル踏み間違い時加速抑制装置(誤発進抑制制御機能)は、アクセルとブレーキの踏み間違いによる急発進や衝突を防ぐためのシステムです。

車両前方に障害物がある状態でアクセルを強く踏み込んだ場合、センサーが状況を検知し、加速を抑制することで誤発進を防ぎます。

特に駐車場や狭い道路での事故リスクを軽減する効果があり、高齢者や運転初心者の安全運転を支援する装置として注目されています。

レーンキープアシスト(車線逸脱抑制機能)

レーンキープアシスト(車線逸脱抑制機能)は、車両が車線から逸脱しそうになった際に警告を発し、必要に応じてステアリング操作を支援する機能です。

車載カメラが道路の白線やオレンジ線を認識し、ドライバーの意図しない車線逸脱を検知します。

検知したら音や表示で注意を促し、車線内に戻すよう自動でハンドル操作を補助するシステムです。

ACC(車間距離制御装置)

ACC(車間距離制御装置)は、高速道路や渋滞時などでの安全運転を支援する機能です。

前方車両との距離をセンサーで検知し、設定した車間距離を保ちながら自動で加減速を行います。

ドライバーがアクセルやブレーキ操作を頻繁に行う必要がなくなり、疲労軽減にもつながります。

リアビークルモニタリングシステム(後側方接近車両注意喚起装置)

リアビークルモニタリングシステム(後側方接近車両注意喚起装置)は、車線変更時の死角に潜む危険を軽減するシステムです。

車両の後方左右に設置されたセンサーが、隣接車線を走行する接近車両を検知し、ドライバーに警告を発することで、接触事故の防止に寄与します。

特に高速道路や交通量の多い都市部での安全性向上に効果的です。

オートハイビーム(自動切替型前照灯)

オートハイビーム(自動切替型前照灯)は、夜間走行時の視認性と安全性を高める装備のひとつです。

車載カメラが前方の車両や街灯の明るさを検知し、ハイビームとロービームを自動で切り替えることで、対向車や先行車への眩惑を防ぎながら、常に最適な照射状態を保ちます。

ドライバーの操作負担を軽減し、暗い道でも安心して運転できる環境を提供します。

オートハイビームについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。

ふらつき警報

ふらつき警報とは、ドライバーの注意力低下による車両の不安定な走行を検知し、警告を発する機能です。

車載カメラやセンサーが車線内の走行状況を監視し、蛇行や急なふらつきが見られた場合に、音や表示でドライバーに注意を促します。

長時間運転や疲労による集中力の低下が原因となる事故を未然に防ぐことができ、特に高速道路や夜間走行時に有効です。

駐車支援システム(バックカメラなど)

駐車支援システムは、駐車時の視認性を高め、接触事故のリスクを軽減する機能です。

車両後方に設置されたカメラやセンサーが、周囲の障害物や白線を検知します。そして、モニター画面に映像やガイドラインを表示することで、ドライバーの操作をサポートしてくれます。

最近ではAIによるルート解析や自動制御によって、ハンドル・ペダル・シフト操作まで支援する高度なシステムも登場しています。

バックカメラについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。

ASV(先進安全自動車)についてのまとめ

  • ASV(先進安全自動車)とは、先進技術を活用して安全性を高めた自動車のこと
  • 衝突被害軽減ブレーキが搭載された自動車が普及したことにより、衝突事故の件数が減少している
  • ASVの安全装置は、衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い時加速抑制装置、レーンキープアシストなど

国土交通省が推進するASV事業は1991年から始まり、現在では多くの車両に普及しています。

そして、人間の運転を補助する技術として、交通事故ゼロを目指す社会づくりに貢献しています。

この記事の監修者

GlassD吹浦先生

DUKS  府中店 営業事務

吹浦 翔太

業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。

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