電気自動車(EV)とは?電気自動車(EV)の種類や価格相場、補助金について解説
地球温暖化などの環境問題により、CO2(二酸化炭素)を排出しない電気自動車の普及が急速に求められています。ヨーロッパでは2035年以降、ガソリン車の販売が禁止になり、日本でもトヨタが2035年までの脱炭素化を目指しています。
2035年はまだ先のように思えるかもしれませんが、将来に向けて今から電気自動車の知識を身に付けておきましょう。
目次
電気自動車(EV)とは?
電気自動車とは、電気をエネルギー源として走行する車のことです。車に搭載されている電池に電気を充電して、その電気を使ってモーターを回すことで運転することができます。
電気自動車には様々な種類があり、総称として「EV(Electric Vehicle=エレクトリック・ビークル)」と略されています。
電気自動車には「BEV」「HEV」「PHV(PHEV)」「FCV」の4種類が存在する
電気自動車(EV)には、主に以下の4つのタイプが存在します。
- BEV(バッテリー式の電気自動車)
- HV(ハイブリッド車)
- PHV・PHEV(プラグインハイブリッド車)
- FCV(燃料電池自動車)
こちらでは、各電気自動車のメリット・デメリットについて簡潔に解説していきます。
BEV(バッテリー式の電気自動車)
BEVとは「Battery Electric Vehicle(エレクトリック・ビークル)」の略で、バッテリー式の電気自動車です。日本ではBEVのことを「EV」と呼ぶ場合があります。公共用の充電スタンド、または家庭用コンセントを利用して充電します。
BEVのメリット・デメリットについては、以下の通りです。
・電気をエネルギーにして、モーターを駆動させることで走行する
・100%電気で走行するため、ガソリンは給油しない
・ガソリンで走行しないので、CO2の排出はゼロ
・充電に時間がかかり、急速であっても充電完了には最速で30分ほどかかる
・バッテリー交換になると、多額の費用がかかる
HV(ハイブリッド車)
HVとは「Hybrid Vehicle(ハイブリッド・ビークル)」の略で、日本では「ハイブリッド車」と呼ばれています。HVの特徴は、2つの動力(エンジンと電気モーター)を搭載しているところです。
HVのメリット・デメリットについては、以下の通りです。
・エンジンと電気モーターを効率的に使い分けて、低燃費を実現している
・走行中の動力や、制動時のブレーキを使い上手に発電する
・EVのように充電を行わず、給油が必要になり燃料費が高い
PHV・PHEV(プラグインハイブリッド車)
PHVとは「Plug-in Hybrid Vehicle(プラグイン・ハイブリッド・ビークル)」の略です。PHVは、EVとHVの特長を兼ね備えた良いとこ取りの車になります。日本では「プラグインハイブリッド車」と呼ばれており、PHEVと略す場合もあります。
PHVのメリット・デメリットについては、以下の通りです。
・EVの弱点だった長距離運転も、エンジンが搭載されているので問題ない
・バッテリーに電力がある場合はモーターが駆動して、電力が少ないとエンジン併用のHVとして走行する
・ガソリンで動かすエンジンは走行用ではなく、基本的には発電用になる
・ガソリンでの走行は可能だが、基本的には充電した電気で走行するため、充電に時間がかかる場合がある
FCV(燃料電池自動車)
FCVは「Fuel Cell Vehicle(フューエル・セル・ビークル)」の略で、日本では「燃料電池自動車」と呼ばれています。上記の3種類の自動車と比べると構造が特殊です。専用の水素ステーションから補充した水素を使って、自家発電した電気をエネルギー源として走行します。
FCVのメリット・デメリットについては、以下の通りです。
・EVと同じで、CO2の排出はゼロ
・燃料が水素だから、排出されるのは水のみ
・ガソリン車やHVに比べると、価格が2〜3倍程度になる
完全に電動なのは「BEV」のみ
電気自動車の種類はいくつかありますが、その中で完全に電動なのは「BEV」のみです。ヨーロッパでは、BEVのインフラ整備が進んでいます。
例えばイギリスでは2021年に、新築の住宅や商業施設などにBEVの充電スタンドの設置を義務付ける方針を発表しました。
トヨタが力を入れる「FCEV(水素自動車)」
FCVについては、トヨタがさらに進化した「FCEV(Fuel Cell Electric Vehicle)」に力を入れています。
いわゆる「水素自動車」と呼ばれるもので、エンジンは搭載せずに充填した水素と酸素の化学反応で発電し、モーターで駆動する自動車です。走行中にはCO₂を排出せず水だけを排出して、車を運転することができます。
参考:xEVその4 FCEVって? | WHAT’S xEV? | トヨタ自動車WEBサイト
トヨタは2021年に「WOVEN CITY(ウーブン・シティ)」を、静岡県の街に作り始めました。そして、FCEVの燃料となる水素ステーションを、ウーブン・シティをはじめ全国に設置する計画が進んでいます。
まだまだ不透明な部分が多く断言はできませんが、日本ではEVかFCEVが将来的に普及する可能性はあるでしょう。
電気自動車を購入すると国から補助金が出る
政府は令和5年度の補正予算として、1,291億円規模の「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」の概要を発表しました。令和5年3月28日から、申請受付が開始されています。
参考:令和5年度補正予算「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」|経済産業省
各電気自動車の補助金については、以下が上限額です。
車種 | 上限額 |
---|---|
EV | 85万円 |
軽EV | 55万円 |
PHEV | 55万円 |
FCV | 255万円 |
出典:クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)の概要
詳しい補助額については「一般社団法人次世代自動車振興センター」のホームページにおいて、車種別の金額が公表されています。
参考:令和5年度補正予算「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」|経済産業省
参考:令和5年12月1日~令和6年3月31日|一般社団法人次世代自動車振興センター
参考:令和6年4月1日以降~(終了日未定)|一般社団法人次世代自動車振興センター
電気自動車(EV)について、その他の疑問・質問
こちらでは電気自動車(EV)について、その他の疑問・質問を解説していきます。
軽EVや超小型EVだと300万円前後、大衆車となると400万〜600万円が価格の相場です。
高級車になると、800万円や1,000万円を超えるEVも珍しくありません。
「BEV=バッテリー式の電気自動車」で、EVは「BEV」「HV」「PHV(PHEV)」「FCV」の総称です。
ただし日本では、BEVのことを「EV」と呼ぶ場合があります。
電気自動車(EV)についてのまとめ
- 電気自動車(EV)とは「BEV」「HEV」「PHV(PHEV)」「FCV」の総称
- 電気自動車を購入すると国から補助金が出る
- 電気自動車の価格は、300万~600万円が相場
近年では「SDGs(持続可能な開発目標)」も叫ばれているので、CO2を排出しないEVは普及する可能性があります。
また、「ASV(先進安全自動車)」の開発も進んでおり、2030年にも完全自動運転の車が誕生する、とも言われています。
電気自動車やASVを含めて、車の未来について考えてみるのも良いのではないでしょうか。
この記事の監修者
DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。