車の契約に実印はなぜ必要か?そもそも実印って何?

近年はデジタル化が進み、印鑑を使う機会が減少していると言っても良いでしょう。若年層の人にとって印鑑は馴染みが薄く、実印を所持していない人もいるかもしれません。
しかし、車を購入する際は『印鑑証明』が必要で、実印を使う場面があります。
印鑑に馴染みがない人にとっては、「そもそも実印とは何なのか?」と、上手に説明できない人も多いことでしょう。
この記事では、車の購入に実印が必要な理由から、そもそも実印とは何なのか?について解説します。
目次
車の購入には実印が必要なことが多い
車の購入時はもちろん、住宅の購入など高価な買い物をする際は『印鑑証明』が必要です。
印鑑証明をとる際に必要なのが『実印』で、本人のものであることの証しになります。
購入契約書に実印を押すことで「購入に関して本人が同意した。」という証明になり、遺産相続など重要な場面でも必要になってきます。
なぜ車の購入に実印が必要なのか?
自動車…普通自動車に関しては国交省への登録が必要です。この際に、実印がないと登録をすることができません。
というのも、車の新規登録など重要な資産の場合、所有権が関わるものは厳格な本人確認が必要です。
そのため印鑑証明書の提出と、実印による押印が求められます。
また、車を購入する場合は、ローンを組むケースの人が多いでしょう。ローンを組む場合は、ローン会社から印鑑証明を求められる場合があります。
印鑑証明をとる際は実印が必要なので、車を購入する際は実印がいるパターンが多いです。
実印とは
実印とそれ以外の印鑑はどう違うのか?ここでは、実印の意味から解説して、普通の印鑑との違いについて解説します。
実印の意味
実印とは、市区町村の役所に登録した、公的に認められた印鑑のことです。印鑑を役所へ登録することで、実印として認められます。
登録する際は、印鑑のほかに運転免許証などの、顔写真付きの本人確認書類が必要です。印鑑登録が完了して実印と認められれば、印鑑証明をとることができます。
そして、印鑑証明があることで「本人が実印を使って押した書類」と、公的に認められます。
『実印=公的に認められた本人のサイン』と、思っていただければ良いでしょう。
※ちなみに、シャチハタは実印として登録することはできません。
実印と普通の印鑑(認印)の違い
実印は、役所に届け出て登録するため、『法的な効力を持った印鑑』になります。
『認印(みとめいん)』という言葉を聞いたことがある人もいるかもしれませんが、こちらと実印では意味合いが異なります。
認印は印鑑登録をする必要がなく、自分の名前ではあるものの、法的効力のない印鑑です。
実印が必要なケースと、認印で良いケースは、以下の通りになります。
実印が必要なケース | 認印で良いケース |
車の購入・売却・譲渡マンションや一軒家、土地などの不動産の購入・売却ローンの申請遺産相続生命保険や自動車保険などの加入保険金を受け取る場合 | 宅配便の受け取り銀行口座の開設雇用契約書の同意 |
上記の通り実印のケースは、重要な資産に関係することなので『法的な効力を持った印鑑』が必要です。
認印に関しては、そこまで重要なケースではありません。
また、宅配便の受け取り、銀行口座の開設、雇用契約書の同意などに関しては、現在だと印鑑が必要ない場合がほとんどです。そのため、印鑑を所持していない人も多いでしょう。
しかし、高価な買い物や生命保険の加入、遺産相続など重要な資産に関しては、まだまだ実印が必要になることを覚えておいてください。
車の購入で実印がいらないケース
車を購入する場合に、実印がいらないケースは以下の2つが存在します。
- 軽自動車を購入する場合
- 登録時の所有者が自分でない場合
軽自動車を購入する場合
軽自動車の場合は、国交省への登録は必要ありません。軽自動車を購入する際は、国交省ではなく『軽自動車審査会』に、必要書類を提出します。
軽自動車審査会への書類の提出には、実印を求められることはなく、認印もしくはサインのみで済みます。
ただし、ローンで軽自動車購入する場合は、ローン会社から実印を求められることがあるので注意してください。
登録時の所有者が自分でない場合
普通自動車を購入する際に、所有者が購入者本人でなければ、実印は必要ありません。
例えば「子供のために、親がお金を出して車を買ってあげた。」
このケースでは、所有者は親ではなく子供です。そのため、国交省への自動車登録をする際に、実印が必要になるのは所有者である子供の方になります。
しかし、こちらもローンを組む場合だと話は別です。
というのも、国交省で車を登録する際に、登録用紙に車の所有者と使用者を記入する欄があります。
ローンを組んで車を購入すると、車の所有者がローンを返済しなければいけません。
そのため、ローン返済を終えるまでは、お金を支払う親が車の所有者ということになります(その間、子供は所有者ではなく使用者になる)。
そして、ローンの支払いを終えて、車の所有者を子供に変更する場合は、実印が必要です。
最後に
現在では、印鑑自体の必要性が薄まっているため、印鑑に馴染みがない人も多いと思います。
しかし、車や住宅、遺産相続など高価な資産に関しては、まだまだ実印が必要であると思ってください。
実印は、自分の名前のある印鑑と、運転免許証を持って役所に届け出れば、公的なものとして認められます。 これから車や住宅の購入、生命保険への加入を検討している人は、今のうちに実印を作っておくと、スムーズに印鑑証明をとることができるでしょう。
この記事の監修者
DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。