タイヤチェーンの効果とは?都心部も冬はチェーンの常備を

雑学

降雪地域に住んでいたり、冬のアウトドアや旅行に出掛けたりする人は、スタッドレスタイヤに加えてチェーンを常備しておきましょう。

スタッドレスタイヤは氷上性能や雪上性能に優れていますが、アイスバーンや雪の山道ではまだまだ安心して走行できません。

スタッドレスタイヤ+チェーン装備=滑りやすい路面では鬼に金棒』で、立ち往生のリスクを軽減することができます。

タイヤにチェーンをつける目的

タイヤにチェーンをつける目的は、大雪のときでも安全運転をするためです。

2018年12月から、大雪の際に安全な通行を確保することを目的としたチェーン規制が施行されました。

急な上り下りがある峠や、過去に雪による立ち往生や通行止めが起こった場所では、チェーンの装備が求められます。

参考:国土交通省(チェーン規制について) 

大雪のなかで立ち往生すると命の危険がある

チェーン規制は、スタッドレスタイヤであっても装備しなければいけません。スタッドレスタイヤでもチェーンをつけていないと、大雪時には立ち往生してしまうことがあり命の危険に関わります。

2020年末の関越道では、新潟豪雪の影響で2,100台以上の車が立ち往生しました。

国土交通省の調べによると、原因のひとつに『冬用タイヤやチェーン未装着車両が走行していた』ことが挙げられます。

参考:https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/toukidourokanri/pdf05/01.pdf

降雪地域や山間部にお住まいの人はもちろん、冬に長距離移動をする人は、スタッドレスタイヤの装備に加えてチェーンを常備しておきましょう。

タイヤにチェーンをつけることで得られる効果

タイヤにチェーンをつけることで得られる効果は、積雪や凍結した路面で安全運転がしやすくなることです。

JAFが氷盤路で行った実証実験によると、チェーンを装備したノーマルタイヤと装備していないノーマルタイヤとでは、制動距離に46m以上の差が出ています。

【氷盤路・時速40km/hでの制動距離テスト】

  • ノーマルタイヤ+チェーン装備の制動距離:59.0m
  • ノーマルタイヤのみの制動距離:105.4m

※チェーンは非金属タイプ

※制動距離とはブレーキが効き始めてから車が停止するまでの距離

参考:https://jaf.or.jp/common/safety-drive/car-learning/user-test/snow/normal

スタッドレスタイヤも氷上性能・雪上性能に優れていますが、積雪した山道ではまだまだ安心できません。

凍結した路面や雪の山道ではスタッドレスタイヤに加えて、万が一のためにチェーンを装備しておくと安心です。

タイヤチェーンのデメリットは『手間』

タイヤチェーンのデメリットは、チェーンの脱着に手間がかかることです。積雪や凍結した路面では、チェーンをつけっぱなしで走行してかまいませんが、雪が溶けたり凍っていない道路ではチェーンを外さなければいけません。

乗り心地が悪かったり騒音が出たり、金属チェーンの場合は振動が大きくなったりします。

そのため長距離移動の場合は、サービスエリアやコンビニの駐車場などで、チェーンの脱着をこまめに行う手間が発生します。

タイヤチェーンの種類と特徴

タイヤチェーンの種類は、『金属チェーン』と『非金属チェーン』の2つに分けられます。さらに金属チェーンには『はしご型』と『亀甲型』の2つの形状が存在します。

金属チェーン

金属チェーンの特徴として、以下のメリット・デメリットが挙げられます。

【メリット】

  • 凍結した道路では非金属チェーンよりも高い性能を誇る
  • 価格が非金属チェーンよりも安い
  • コンパクトに収納できるため車に常備しやすい

【デメリット】

  • 振動や騒音が大きいため走行時の乗り心地が良くない
  • 乾燥した路面で走行するとチェーンが切れるリスクがある
  • 金属なので錆び対策が必要

金属チェーンは非金属チェーンよりも高い氷上性能を誇る反面、乾燥した路面では切れたり振動が大きくなったりします。

そのため毎日のように雪道を走行する人、旅行やアウトドアで雪山に向かう人にはおすすめ

です。

乾燥した路面で走行すると切れるリスクがあるため、重量のある車には不向きになります。

はしご型と亀甲型

金属チェーンには、はしご型と亀甲型といった2種類の形状があります。

【はしご型の特徴】

  • タイヤの駆動力を路面に伝えやすいため坂道の走行に向いている
  • 亀甲型に比べると横滑りしやすい

【亀甲型の特徴】

  • はしご型に比べて横滑りしにくく坂道の走行にも向いている
  • はしご型と比べると乗り心地が良い

亀甲型の方が、はしご型と比べると乗り心地も良く坂道にも強いです。

そのため金属チェーンを装着するなら、亀甲型をおすすめします。

非金属チェーン(ゴム、ウレタン)

金属チェーンの特徴として、以下のメリット・デメリットが挙げられます。

【メリット】

  • 凍結した路面や雪道で安定した性能を誇る
  • 金属チェーンよりも取り付けが簡単にできる
  • 乾燥した路面で走行してもチェーンが切れにくい
  • 振動や騒音が非金属チェーンよりも少ない

【デメリット】

  • 金属チェーンに比べると価格が高い
  • コンパクトに折りたためないため金属チェーンよりも場所をとる

凍結や積雪した路面でもオールマイティに運転できるのが、非金属チェーンの強みです。場所は少々とりますけど取り付けが簡単なので、急な降雪でもすぐに装着できます。

ただし、山の雪道では金属チェーンよりも若干性能に劣ります。そのため非金属チェーンがおすすめなのは、たまに雪が降る地域に住んでいる人や、市街地で車通勤をしている人です。

最後に

車を運転する人は、凍結した路面や雪道をいつ走行するかも分からないので、タイヤチェーンを常備しておくと安心です。

降雪地域に住んでいたり、冬でも旅行やアウトドアに出掛けたりする人は、金属チェーン(亀甲型)をおすすめします。

都心部や市街地での運転が主で、あまり冬の山道を運転しない人は、非金属チェーンを車に常備しておきましょう。

この記事の監修者

GlassD吹浦先生

DUKS  府中店 営業事務

吹浦 翔太

業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。

インタビュー記事

ピックアップ記事

関連記事一覧