ATF/CVTFとは?交換の必要性と放置した際のリスクについて

雑学

ATFやCVTFは、あまり耳馴染みがない言葉かもしれません。しかし、車を安定して動かすためには、なくてはならないものです。

ATF/CVTFの交換を怠ると、旅行や帰省の途中で急に車の動きが悪くなるなどのトラブルが起こる可能性があります。

今回は、ATF/CVTFについての詳細と、定期的な交換の必要性について解説していきます。

ATF/CVTFとは

ATFはAT車、CVTFはCVT車に使われている油のことです。

ATF/CVTFの“F”は『フルード(Fluid)』の“F”を意味します。主成分はオイルですが、使用目的によって名称が変わります。

  • オイル…金属摩擦を軽減する潤滑油。
  • フルード…潤滑油の役割を持ちながら、油圧を発生して大きな力を発生させる。

とはいえ、フルードの主成分はオイルなので、ATFは『オートマオイル』と呼ばれることもあります。

AT車に使われるATF(オートマオイル)

ATFとは、『オートマチック・トランスミッション・フルード』の略称です。ギアを自動でチェンジしてくれる、AT(オートマ)車専用のミッションオイルになります。

  • シフトの制御
  • エンジンのパワーをタイヤに伝達する
  • パーツの潤滑
  • トランスミッションの冷却や洗浄

以上のような役割があり、車を運転するための重要な油です。

CVT車に使われるCVTF

CVTFとはCVT車専用の油のことを指し、『コンティニュアスリー・バリアブル・トランスミッション・フルード』の略称です。

CVT車は、AT車と同様に自動でギアチェンジをしてくれますが、エンジンを効率良く使える車として、一般車両を中心に近年 普及しています。

CVT車は、MT車やAT車と違って歯車がありません。自動変速機の構造は、2種類の滑車とベルトを利用した構造になっています。

CVTFは滑車とベルトの潤滑や、滑車の溝幅を油圧動作で調整しており、スムーズに加速するための重要な油です。

AT車とCVT車では構造や性能が違うため、共通のフルードは使うことができません。

ご自身が乗っている車がAT車かCVT車か確認して、間違いがないように交換してください。

ATF(オートマオイル)/CVTFは定期的に交換を

ATF/CVTFは消耗品なので、定期的な交換が必要です。

一般的にATFは20,000~30,000km、CVTFは40,000km走行したら交換しましょう。

ATF(オートマオイル)/CVTFが劣化する原因

ATF/CVTFが劣化する原因は、消耗による経年劣化です。長いこと同じ油を使用すると、

  • 走行時の発熱による酸化
  • フルードの添加剤の消耗や劣化
  • 金属摩耗が原因で粉末や沈殿物(スラッジ)が発生する

といった劣化が起こります。普段からあまり車に乗らない人も、車検の時期にはATF/CVTFを交換した方が良いでしょう。

ATF(オートマオイル)/CVTFの点検・交換方法

ATF/CVTFの点検や交換は素人では難しいので、ディーラーや専門店などのプロにお願いしてください。

交換費用は5,000円~15,000円程度です。少しでも安く費用を抑えたいなら、何件か見積もりをとって、値段を比較してみましょう。

「加速が悪くなってきた。」「ギアチェンジしたときの衝撃が大きくなってきた。」「燃費が悪くなってきた」というようなことを感じたら、ATF/CTVFが劣化している可能性があります。

点検してもらってATF/CTVFが劣化していたら、そのまま交換してもらいましょう。

ATF(オートマオイル)/CVTFの交換を怠った場合のリスク

ATF/CTVFが劣化しても、放置したまま交換を怠ると以下の症状やリスクがあります。

  • エンジン出力のロスが多くなる
  • 加速が悪くなる
  • ギアチェンジしたときの衝撃が大きくなる
  • ギアチェンジのタイミングが遅くなる
  • 燃費が悪くなる
  • 最悪の場合はトランスミッションが故障する

トランスミッションが故障した場合の修理費は150,000円以上と高額になります。また、お店によっては劣化が進み切ったあとに交換をお願いしても、断られる場合があります。

走行距離や車検時期を目安に、ATF/CTVFは定期的に交換してください。

最後に

今回は、ATF/CVTFについて解説しました。あまり耳馴染みのない言葉だったと思いますが、少しは理解していただけたかと思います。

  • ATFはAT車、CVTFはCVT車を動かすための重要な油。
  • 交換の目安はATFが30,000km、CVTFが40,000kmに一度。
  • 交換を怠ると様々なリスクがあり最悪の場合はトランスミッションが故障する。

あまり車を乗り回さないのであれば、車検の時期に交換するだけで大丈夫です。頻繁に長距離ドライブをする人は、走行距離に気を付けてATF/CVTFを交換してくださいね。

この記事の監修者

GlassD吹浦先生

DUKS  府中店 営業事務

吹浦 翔太

業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。

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