雪道運転のコツ|雪道運転で滑った場合の対処法、走行前の事前準備を解説
雪道運転に慣れていない人が車で降雪地域に行くと、運転に戸惑う人もいるのではないでしょうか。
また、積雪がしにくい都市部でいざ雪が積もると、どうやって雪道を運転して良いのか分からず、混乱してしまいます。
この記事では雪道を運転する際のコツや、雪道運転で滑った場合の対処法、雪道運転をする前の準備について解説していきます。
目次
雪道運転をする際の6つのコツ
雪道を運転する際は、以下の6つを意識してください。
- スピードを抑えて緩やかな走行を心がける
- 車間距離は普段の2倍以上空ける
- エンジンブレーキとフットブレーキを使い分ける
- 国道などの幹線道路を運転するようにする
- 轍の上を走行する
- 車線変更はなるべくしない
スピードを抑えて緩やかな走行を心がける
雪道を運転する際はスピードを抑えて、以下の操作を心掛けてください。
- アクセルはゆっくり踏み徐々に加速する
- ハンドルはゆっくり切る
- 急発進・急加速・急ブレーキは絶対にNG
急発進・急加速・急ブレーキは、スリップやスピン事故、ホイールスピンの原因になります。アクセルを踏む際は6分目くらいを意識して、ゆっくりと加速するようにしましょう。
運転速度については、目安として「制限速度からマイナス10〜 20kmくらい」で走行するのが安全です。
車間距離は普段の2倍以上空ける
雪道はタイヤが滑りやすいため、車間距離を十分に空けることが大切です。特に大雪の中の運転は、ホワイトアウトで視界が真っ白になるので、余裕のある車間距離は重要になります。
車間距離の目安としては、晴天時の3倍くらい空けるのが理想です。最低でも、晴天時の2倍以上は空けるようにしてください。
エンジンブレーキとフットブレーキを使い分ける
雪道では、できるだけエンジンブレーキを多く使うようにしましょう。特に対向車や歩行者と交わることの多い、カーブや交差点での減速は早めに行ってください。
フットブレーキは、ゆっくりとやさしく踏むようにしましょう。ABSが搭載されていない車の場合、フットブレーキを強く踏むと、タイヤがロックしてスリップしやすくなります。
エンジンブレーキで速度を落としてから、フットブレーキをやさしく踏むと、安全に停車することができます。
また、坂道走行では下り坂は特に意識して、シフトダウンしながらエンジンブレーキを効かせてください。フットブレーキを使うと、タイヤがロックされる可能性があります。
上り坂ではエンジンブレーキを使うことで、停止する際のずり落ちも最低限の防止ができます。
国道などの幹線道路を運転するようにする
国道などの幹線道路の場合、除雪や交通量により雪が溶けていて、走りやすいことが多いです。逆に交通量の少ない通りに入ると、想像以上に積雪していて立ち往生する場合があります。
たとえカーナビが裏道を案内していたとしても、雪の日は交通量の多い幹線道路を走行するのがおすすめです。
とはいえ交通量は多いので、スピードを抑え緩やかな走行を心がけて、車間距離を十分に空けるようにしてください。
轍の上を走行する
積雪した道路では、ちょっとした障害物が雪によって隠れていることがあります。そのため、積雪時は轍の上を走行することで、目に見えない凸凹の障害物との衝突を避けることができます。
注意点としては、轍の上は凍結してアイスバーンになっている可能性が高いです。雪が少ないからといって、気を緩めないでください。
そして、右左折時に轍から脱出する際はハンドルをとられやすいので、慎重に運転しましょう。
車線変更はなるべくしない
積雪で凍結した道路では、なるべく車線変更をしないように心掛けてください。無理に車線変更をしようとすると、ハンドルを取られてスリップ事故を起こす危険性があります。
右左折などで車線変更をしなければいけないときは、カーナビを上手に使いながら、余裕を持って車線変更の準備をしておきましょう。
そして、後続車に気を遣いながら、ゆっくりと車線変更をしてください。
雪道運転で滑ったら、急な操作をせずに待つことが大切
どんなに気を付けて雪道を運転していても、ふとした瞬間に車が滑る可能性があります。
「ハイドロプレーニング現象」と言う、タイヤと路面の間に水が入り込んでハンドルやブレーキ操作が効かずに、制御困難になるケースは常にあります。
もし、雪道を運転している際にスリップしても、急ブレーキ・急ハンドルはNGです。タイヤの摩擦力が戻るまでは、急な操作をせずに待ちましょう。
スリップして車が制御不能な状態になったら、自分で何とかしようとせず、JAFや保険会社のロードサービスを呼んでください。
雪道運転する前の準備について
雪道を運転する前に、以下の点に不備がないか必ず確認してください。
- スタッドレスタイヤに履き替える
- タイヤチェーンを装着する
- 靴に付いた雪をしっかりと落としてから運転をする
- アクセルやブレーキの具合をチェックする
スタッドレスタイヤに履き替える
雪道を運転する際は、スタッドレスタイヤに履き替えるのは必須です。
JAFが行った「圧雪路・時速40km/hでの制動距離テスト」では、スタッドレスタイヤとオールシーズンタイヤでは、ブレーキが効き始めてから車が停止するまでの距離に、5m以上の差があることが分かっています。
出典:JAF|走れても止まれない、雪道のノーマルタイヤ(JAFユーザーテスト)
スタッドレスタイヤの選び方については、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
タイヤチェーンを装着する
スタッドレスタイヤに履き替える以外にも、雪道ではチェーンを装着した方が安全に運転できます。
2020年末の関越道では、新潟豪雪の影響で2,100台以上の車が立ち往生しました。国土交通省の調べによると「冬用タイヤやチェーン未装着車両が走行していたこと」が、原因のひとつとして挙げられています。
JAFが氷盤路で行った実証実験によると、チェーンを装備したノーマルタイヤと装備していないノーマルタイヤとでは、制動距離に46m以上の差が出ています。
出典:JAF|走れても止まれない、雪道のノーマルタイヤ(JAFユーザーテスト)
ゴム、ウレタン等の非金属チェーンであれば、金属チェーンよりも簡単に装着ができます。
タイヤのチェーンについては、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
靴に付いた雪をしっかりと落としてから運転をする
靴底に雪が付いたまま運転をすると、溶けた雪水でアクセル等のペダルを踏み外す危険性があります。
そのため運転する前は、靴に付いた雪をしっかり落とすようにしてください。
アクセルやブレーキの具合をチェックする
普段の道路と、雪道の道路では運転時の感覚が変わってきます。
そのため周囲に車や歩行者、障害物がない状況であれば、停止時からアクセルを踏んでみて、どれくらいの強さでスリップするのかを確認するのがおすすめです。
同時に、低速時から少し強めにブレーキを踏んでみましょう。これにより、ABSの作動状況や制動距離が分かるため、車間距離等の目安になります。
雪道運転のコツについてのまとめ
- 雪道運転ではスピードやハンドル操作をゆっくりと行い、車間距離は十分に空ける
- 雪道運転で滑ったら、急な操作をせずに待つ
- 雪道を運転する際は、スタッドレスタイヤに履き替えたり、タイヤチェーンを装着したりする
雪道運転では、スピードやハンドル操作をゆっくり行うことを心掛けてください。また冬の長距離ドライブでは、スタッドレスタイヤとタイヤチェーンの装備が必須です。
この記事の監修者
DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。