大切な車を盗難から守る!識別番号をガラスに刻む「エッチング」とは?
施錠や防犯ブザーなどで盗難自体を予防していても、万が一盗難にあってしまったときのことを考えると、もしかしたらそれだけでは十分とは言えないかもしれません。(事実、盗難に遭う車のうち4台に3台は施錠したまま被害にあっています)
今回は、盗難自体を予防するだけでなく、万が一被害にあってしまったときに追跡できる可能性も高める「ガラスエッチング」による盗難対策を紹介します。
目次
「エッチング」とは
エッチングとは、塩酸などの化学薬品を用いてガラスの表面を腐食させて、文字や模様を描く加工技術のことです。
グラスなどの表面にザラザラとした半透明の透かしの模様が刻まれているのを思い浮かべてもらえればイメージしやすいかと思います。
インクなどを塗布するのではなく表面に傷をつけて描画するので、基本的には永久的に消えることがありません。
刻印した認識番号を保険会社に登録(オートガード)
エッチングで刻印した識別番号を保険会社に登録して盗難に備えるシステムを『オートガード』と呼びます。
万が一盗難に遭ってしまった際には、刻印された識別番号(車の車台番号)を照会することで、盗難車の発見と盗難被害の証明が容易になります。
ガラスエッチングをするメリット
追跡できる
施錠や防犯ブザーにももちろん盗難対策の効果はありますが、ピッキングで鍵を破ったりブザーを取り外されてしまったあとの追跡が難しいという弱点があります。
また、追跡や盗難車の発見に役立ちそうなナンバープレートや車体番号、車検証についてですが、プロの窃盗団であれば、それらを偽造して追跡の目をかわすこともできてしまいます。
一方でガラスに識別番号を刻み込むガラスエッチングの場合、消したり上から書き換えたりといったことができないため、盗んだあとに走行しようとしても売ろうとしても追跡から逃れることはできません。
窃盗のターゲットになりにくくなる
盗難自体を予防する効果もあります。
もし無理やりにでもガラスエッチング加工した車を盗もうとしたら、追跡から逃れ、ガラスを交換し、新しくガラスを付け替えなければなりません。
窃盗技術のあるプロの窃盗団であればあるほど、そのようなリスク、費用、手間をかけてまでその一台を盗みたくはありません。
ガラスエッチングには、窃盗を諦めさせ、盗難のリスク自体を下げてくれる効果もあります。
ガラスエッチングをするデメリット
個人情報を調べられる可能性がある
ガラスに刻印する車台番号から個人情報を知ることができる可能性があります。
運輸支局に行き「車台番号」「車のナンバー」「身分を証明するもの」「情報の利用が認められる正当な請求理由」を提出・提示し、運輸支局から認められた場合には、「登録事項等証明書」という書類の発行を受けることができます。これは、第三者であっても可能です。
登録事項等証明書は、車の新車購入以降の所有者・使用者についての情報が記載されているもので、現オーナーであるあなたの個人情報も記載されています。
運輸支局職員の承認を経て発行されるものですので、通常悪意のある第三者に個人情報を知られるリスクは少ないですが、可能性のあるということはデメリットとして知っておくと良いと思います。
プロに相談し、よく吟味してからエッチングを
メリットとデメリットのどちらもありますが、まずは専門業者に相談してみましょう。見栄えだけで考えればエッチングの技術や加工の方法も大切ですが、なによりも万が一盗難に遭った際の対応が重要です。
ちなみに、エッチングで加工を施したことが車検や買取査定に与える影響はないとされています。
最後に
日本ではまだガラスエッチングによる盗難対策『オートガード』の認知度はあまり高くはありませんが、欧米では10年以上の実績を持っています。現状の対策で盗難に遭わなさそうか、万が一盗難に遭った時にどう車を見つけ出すかなど一度シミュレーションしてみると、必要な対策を考えるのに役立つかもしれません。
この記事の監修者
DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。