フロントガラスにある黒い枠とドットの正体は「黒セラ」

フロントガラスに黒い斑点のようなドット柄がついているのを見ては、なんのためのものなのだろう?と不思議に思ったことがある人は多いのではないでしょうか。
フロントガラスに施されている黒い部分は、「黒セラミック(通称:黒セラ)」と呼ばれる物です。
これはガラスに貼り付けられている訳ではなく、ガラスの製造工程の中で焼き付けるようにプリントされているため、剥がすことはできません。
今回の記事は黒セラの正体や、剥がれたり傷が付いたりしたときの対策などについて解説していきます。
目次
「黒セラ」の役割は?
「黒セラ」の役割は、接着剤の保護や日差し対策が挙げられます。また、接着剤の保護を目的としているため、車のデザイン性を良くしている役割もあります。
接着剤の保護
車のボディにフロントガラスを組み付けるとき、フロントガラスの内側を専用の接着剤を使って接着します。
黒セラは、この接着剤を紫外線などから保護する役割を果たしています。実はこの黒セラがプリントされていないと、接着剤の劣化が進みやすくなります。
日差し対策
黒セラは「 センターバイザー」 と呼ばれることもあります。車の黒いドットになっている部分を見てみると、ルームミラーのついているあたりに黒いドットがついています。
黒セラはルームミラーの隙間から、太陽光が射さないようにサンバイザーのように守ってくれています。日差しの対策を目的とした部分は、ドットになっていることが多いです。
デザイン性
接着剤の保護を目的とした黒セラの見栄えを良くするため、ドットの大きさを徐々に変えていくなどの工夫が施されていることがあります。
「黒セラ」が剥がれたり、傷が入ったらどうなる?
黒セラが剥がれていた場合、視界に影響がなければ特に問題ありません。ただし、広範囲で剥がれが起きていると、目立ってしまい、見た目としてカッコ悪いかもしれません。
黒セラの剥がれは直すことができないため、見た目が気になる場合はフロントガラスごと交換する必要があります。
しかし、フロントガラスの交換は、車種にもよりますが10万円ほど費用がかかり高額です。見た目が気になるだけでしたら、カーボンシートを貼って、目立たなくする方法があります。
パーツクリーナーとウエスでフロントガラスを脱脂して、黒セラが剥がれたところを隠すようにカーボンシートを貼り付けてください。
※ただし、視界に影響が出そうな場合は直ちにやめましょう。
黒セラに傷がある場合は、フロントガラス全体に傷が広がるリスクがあるため、ディーラーやガラス専門店ですぐに修理しましょう。
「黒セラ」にドライブレコーダーを装着することはできる?
ドライブレコーダーを装着する際、黒セラの部分に取り付けようとする人がいると思います。
基本的に、黒セラにドライブレコーダーを装着しても問題ありません。ただし、車種によっては黒セラに両面テープを貼ると、粘着力が低下する場合があります。
そのため、黒セラにドライブレコーダーを取り付けて、運転中にレコーダーが落ちてくる場合は、違う場所に装着するようにしてください。
フロントガラスの黒い部分「黒セラ」についてのまとめ
- 黒セラの役割は、接着剤の保護や日差し対策が挙げられる
- 黒セラが剥がれた場合、見た目が気になるならカーボンシートを貼って応急処置をしてみる
- 黒セラにドライブレコーダーを装着して、粘着力が弱い場合は、他の部分に取り付けをし直す
黒セラはセラミックプリントですが、全ての車にプリントが施されている訳ではありません。
よくよく見てみると、ドライバーのことを考えて施されているものがたくさんあります。車を購入するとき、黒セラがあるかどうかも一緒に確認しておくと良いかもしれません。
この記事の監修者
DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。