自動車税はいつまで滞納できる?滞納した場合、差し押さえまでの期間を解説

自動車税の支払いをうっかり忘れてしまった、または支払いを先延ばしにしたいと考えている方もいるかもしれません。
しかし、滞納を続けると延滞金の発生や車検の更新不可、最悪の場合は財産の差し押さえといったリスクがあります。
では、実際にどのくらいの期間まで滞納が許されるのでしょうか?今回の記事では、自動車税の支払い期限や滞納による影響、延滞を避けるための対策について詳しく解説します。
目次
自動車税の支払い期限
自動車税とは、毎年4月1日時点で自動車を所有している人に課せられる税金です。自動車税の納税通知書は毎年5月上旬頃に発送され、その月の末までに支払わなければいけません。
※月末が土曜日・日曜日の場合は、翌月曜日が支払い期限です。
※地域によっては、6月上旬に納税通知書が発送されます。
支払い期限を1日でも過ぎると、「滞納」という扱いになります。もちろん、納付期限を2〜3日ほど過ぎても延滞金は発生しませんが、期限までに必ず支払いましょう。
自動車税はいつまで滞納できる?
自動車税の滞納について、具体的に〝いつまで〟という期限はありません。ただし、自動車税を納期限までに支払わなかった場合、延滞金が発生します。延滞金は日割りで計算され、1,000円を超えると支払い義務が発生します。
また、自動車税の滞納を続けると、1ヶ月後には「督促状」が届いて、最悪の場合は財産を差し押さえられます。
こちらでは、延滞金発生の目安と計算方法、差し押さえが行われる目安について詳しく解説します。
【早見表】自動車税・延滞金の目安
自動車税の延滞金は、日割りで計算されます。延滞金の利率は、次の早見表を参考にしてください。
「延滞金特例基準割合」とは、銀行の新規の短期貸出約定平均金利を基準に、各年の前年の11月30日までに財務大臣が告示する割合に、年1%の割合を加えた割合をいいます。
※1「延滞金特例基準割合+ 1%」が7.3%を超える場合は、7.3%になります。
※2「延滞金特例基準割合+ 7.3%」が14.6%を超える場合は、14.6%になります。
延滞金の計算方法
納付期限が1ヶ月未満の場合、年率2.4%(2024年時点)の加算率で計算されます。延滞期間が1ヶ月を過ぎると、延滞金は年率8.7%(2024年時点)が適用されます。
延滞金の計算方法は、次の通りです。
- 延滞期間が1ヶ月未満
延滞金 = 税額×延滞日数×2.4%(0.024)÷ 365日 - 延滞期間が1ヶ月経過
延滞金 = 税額×延滞日数×8.7%(0.087)÷365日
【参考】自動車税が45,000円の場合
例として「自動車税:45,000円」で、60日滞納した場合の延滞金は次のように計算されます。
- 延滞後1ヶ月以内の延滞金(30日分)
45,000円×2.4%(0.024)÷365日×30日=88円
- 延滞後1ヶ月超えた分の延滞金(60-30=30日分)
45,000円×8.7%(0.087)÷365日×30日=321円
60日滞納した場合の自動車税の延滞金は、88円と321円の合計である「409円」となります。ただし、この場合は1,000円未満の額になるため、延滞金の支払い義務は発生しません。
そのため「自動車税:45,000円」の場合は、延滞金が発生するのは納付期限から116日後になります。
- 延滞後1ヶ月以内の延滞金(30日分)
45,000円×2.4%(0.024)÷365日×30日=88円
- 延滞後1ヶ月超えた分の延滞金(60-30=30日分)
45,000円×8.7%(0.087)÷365日×86日=922円
116日滞納した場合の自動車税の延滞金は、88円と922円の合計である「1010円」となりますが、延滞金は100円以下の端数が切り捨てられます。
そのため、この場合の延滞金は「1,000円」です。
延滞金の支払い義務が発生しなければ滞納して良いのか?
納付期限を過ぎると、1日ごとに自動車税の延滞金が発生します。そして、支払い義務が発生するのは、延滞金が1,000円を超えてからです。
「自動車税は、いつまで滞納できる?」という観点で考えた場合、延滞金が1,000円未満の間は大丈夫かもしれません。
参考:振替納付日について/期限内に納付できなかった場合は|国税庁
参考:地方税法 第20条の4の2 課税標準額、税額等の端数計算 | 法令集
ただし、自動車税を滞納して1ヶ月を過ぎると、督促状が届きます。そして、法律上では督促状が届いてから、10日以内に財産差し押さえの勧告が行われます。
つまり、延滞金の支払い義務が発生しなければ、いつまでも滞納しても良いというわけではありません。
督促状から財産の差し押さえまで
自動車税の納付を無視し続けると、最悪の場合は差し押さえになります。自動車税の支払い期限を過ぎてから、差し押さえまでの流れは以下の通りです。
自動車税が未納だと、納付期限から20日〜1ヶ月を経過した頃に督促状が届き、それも無視すると9月頃に2回目の督促状が届きます。
督促状を無視し続けると、今度は延滞金が記載された催告書が送られてきます。
催告書とは、「〇月〇日までに納めなければ財産を差し押さえることになる」という、督促状よりも強い意味を込めた警告です。
それでも未納の状態が続くと、「期限までに支払いが確認できなければ差し押さえを実行する」という差押予告通知書が届きます。
それも無視すると差し押さえの実行となり、給与や銀行口座、自動車などが差し押さえられてしまいます。
【結論】自動車税の滞納は督促状が届くまでに済ませる
自動車税の延滞金の支払い義務が生じるのは、1,000円を超えてからです。そのため、支払い期限を30日過ぎた程度では、延滞金が1,000円を超えないこともあり、大丈夫のように思います。
ただし、納付期限から20日〜1ヶ月を経過した頃に督促状が届きます。それも無視すると差押予告通知書が届き、最悪の場合は財産の差し押さえとなります。
そのため、自動車税の納付期限を過ぎた場合は、督促状が届く20日〜1ヶ月までの間に支払いを済ませましょう。
督促状が届くまでの期間であれば、延滞金の支払い義務が生じることもありません。
【注意】自動車税が未納だと車検や廃車の手続きを行えない
延滞金や差し押さえ以外にも、自動車税が未納のままだと、車検の更新と廃車手続きを行うことができません。
廃車手続きには、車検証とナンバープレートが必要です。しかし、自動車税を滞納していると車検の更新ができなくなります。
そのため、車検を更新せずに廃車する場合は、車を解体してから運輸支局で抹消登録手続きを行う流れになり、とても面倒です。
そもそも車検切れの車は公道を走行できないので、業者に引き取りにきてもらうか、仮ナンバーを取得して整備工場まで持ち込むといった手間がかかります。
【支払方法】自動車税、滞納したらどこで払う?
自動車税を滞納してしまった場合は、銀行や郵便局、コンビニエンスストアで支払いを済ませてください。
クレジットカードやスマホ決済アプリでは納付ができなくなるため、現金払いのみでの対応になります。
銀行やコンビニでの現払い
納付期限を過ぎた場合でも、銀行や郵便局、コンビニエンスストアで受け付けてもらうことができます。詳しくは各金融機関の窓口に行き、手続きを依頼してください。
または各自治体の担当課で、支払いを受け付けてくれます。支払い期限が過ぎた場合の納付については、お住いの自治体に問い合わせてみるのがおすすめです。
コンビニでの支払いは「コンビニ取扱期限」に注目
銀行や郵便局よりも、住んでいる場所によってはコンビニの方が気軽に納付できる人もいるでしょう。
支払い期限を過ぎてコンビニで納付をしたい人は、納付書に記載されている「コンビニ取扱期限」を確認してください。
最初の納付期限を過ぎても、この期限内であればコンビニで支払えば大丈夫です。
クレジットカードやスマホ決済アプリは対応不可
現在では、クレジットカードやスマホ決済アプリから、自宅で自動車税を支払うことができます。
ただし、支払い期限を過ぎた場合は現金での対応となるため、クレジットカードやスマホ決済アプリで、自動車税を納付することはできません。
クレジットカードやスマホ決済アプリで自動車税を支払いたい人は、納税通知書が届いたらすぐに支払いを済ませましょう。
困った場合は税事務所に相談
次のような場合は、住んでいる自治体の都県税事務所に相談して下さい。
- 納税通知書を紛失してしまった
- 納付期限を大幅に過ぎている
東京都にお住まいなら「東京都 税事務所」で、大阪府にお住まいなら「大阪府 税事務所」で、インターネット検索してみましょう。
ちなみに納税通知書を紛失した場合は、東京都なら「東京都自動車税コールセンター」に相談すると再発行の手続きができます。
参考:都税総合事務センター | 東京都主税局 (tokyo.lg.jp)
自動車税の滞納についてのまとめ
- 自動車税の納付期限は基本的には5月31日(5月上旬に納税通知書が届いた場合)
- 自動車税の滞納は、督促状が届くまでに済ませる
- 自動車税の支払い期限が切れた場合は、銀行や郵便局ですぐに支払う
「自動車税の支払いをついうっかり忘れていた」というのは、誰にでも起こる可能性があります。
自動車税を滞納して20日〜1ヶ月を過ぎると、督促状が届いて最悪の場合は差し押さえまで行きます。そのため自動車税の滞納は、督促状が届くまでに済ませるようにしてください。
この記事の監修者
DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。