横断歩道での一時停止｜明らかに人がいないときも一時停止しないといけない？

横断歩道では歩行者優先のため、ドライバーは一時停止するのが基本的です。歩道を横断しようとする歩行者の安全を守ることは、交通社会における重要なルールの1つです。

信号の有無にかかわらず、横断歩道に近づいたら停止できる速度で進行し、歩行者の動きに注意を払う必要があります。

特に一時停止のタイミングや判断は、道路交通法に基づいた運転マナーとして求められます。

今回の記事では、歩行者の歩行を妨げないための具体的なルールや、違反時の罰則、減速の目安となるダイヤマークの活用法などを丁寧に解説します。

横断歩道での一時停止のルールとは？

横断歩道では歩行者の横断が優先されるため、ドライバーは一時停止をしないといけません。

道路交通法第三十八条では、歩行者が横断しようとしている場合や横断している場合、車両はその歩行者を妨げないように速度を落とし、必要に応じて停止をする必要があります。

道路交通法・第三十八条（一部抜粋）

車両等は、横断歩道又は横断歩道等に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする、歩行者等がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前で停止することができるような速度で進行しなければならない。

引用：道路交通法 | e-Gov 法令検索

一時停止する時間は？

一時停止する時間について、道路交通法では特に記載はありません。一時停止違反になるかどうかは警察の判断によるところが大きいです。

時間を気にするのではなく、以上のことをしっかりと確認できたら発進するようにしましょう。あくまで「一時停止とは安全な交通社会を維持するためのルール」と、心掛けて下さい。

横断歩道に歩行者がいない場合、一時停止や徐行をしないといけない？

横断歩道に歩行者がいない場合、一時停止や徐行の必要はありません。ただし、横断歩道の手前では減速した方が安全運転に繋がります。

明らかに人がいない場合は一時停止や徐行の必要はない

横断歩道に明らかに歩行者がいない場合は、一時停止したり徐行したりする必要はありません。

法律上、横断歩道での一時停止が義務付けられているのは「歩行者が横断中の場合」「歩行者が横断しようとしている場合」です。

しかし、雨や雪などの天候不良、夜間などで視界が見えづらい場合は、歩行者や自転車の有無が確認しづらくなります。

車には交通弱者を守る義務があります。たとえ歩行者がいないように見えたり、自転車横断帯の標識がなかったりする場所でも、スピードを出して運転すれば事故に繋がるかもしれないです。

横断歩道や自転車横断帯などの一時停止が要求される可能性のある場所に近づく際には、特に注意深く観察し、必要であれば一時停止をする習慣を身に付けておくようにしましょう。

横断歩道の手前では必ず減速する

警察庁の公式サイトでは、横断歩道手前での車両の運転について、速度を落とすように注意を呼びかけています。

【警察庁｜横断歩道は歩行者優先です】

横断歩道や自転車横断帯に近づいたときは、横断する人や自転車がいないことが明らかな場合のほかは、その手前で停止できるように速度を落として進まなければなりません。

また、歩行者や自転車が横断しているときや横断しようとしているときは、横断歩道や自転車横断帯の手前（停止線があるときは、その手前）で一時停止をして歩行者や自転車に道を譲らなければなりません。

横断歩道や自転車横断帯やその手前で止まっている車があるときは、そのそばを通って前方に出る前に一時停止をしなければなりません。

横断歩道や自転車横断帯とその手前から30メートル以内の場所では、ほかの車を追い越したり、追い抜いたりしてはいけません。

横断歩道のない交差点やその近くを歩行者が横断しているときは、横断歩道標識

その通行を妨げてはいけません。

横断歩道、自転車横断帯とその端から前後に５メートル以内の場所では、駐車も停車もしてはいけません。ただし、赤信号や危険防止のために一時停止する場合などは別です。

引用：横断歩道は歩行者優先です｜警察庁Webサイト (npa.go.jp)

横断歩道の何メートル手前で減速しないといけない？

現在、多くの横断歩道の手前には「ダイヤマーク」というのが存在します。そのため、ダイヤマークが見えたら、車を減速するようにしてください。

ダイヤマークは、横断歩道の手前に2ヵ所に表示されています。

最初のダイヤマークが見えたら、アクセルから足を離して、徐々に速度を落としましょう。この操作をすると、横断歩道の歩行者を察知した瞬間、次の動作に移行しやすくなります。

そして、2つ目のダイヤマークに進んだら、ブレーキを踏んで減速してください。歩行者が見えたら止まれる速度で進行して、歩行者の横断に備えましょう。

横断歩道で一時停止しないと取り締まりの対象になる？

歩行者が横断歩道を横断中、または横断しようとする歩行者がいるとき、ドライバーは一時停止をしないといけません。

もしも一時停止を怠ると、「横断歩行者等妨害等違反」になり、罰則や違反点数の対象です。

出典：横断歩道は歩行者優先！ ｜ 佐賀県警察本部

「横断歩行者等妨害等違反」の取り締まり件数は？

警察庁が公表している「横断歩行者等妨害等違反の取締り件数」によると、令和6年は約32万件で、毎年30万件前後の取り締まりが発生しています。

【横断歩行者等妨害等違反の取締り件数】

情報引用元：横断歩道は歩行者優先です｜警察庁Webサイト (npa.go.jp)

横断歩道の一時停止についてのまとめ

横断歩道では歩行者優先のため、ドライバーは一時停止するのが基本です。歩道を横断する歩行者の安全を守ることは、交通社会全体の安心につながります。

信号の有無にかかわらず、横断歩道に近づいたら停止できる速度で進行し、歩行者の動きに注意を払いましょう。

日頃から正しいルールを意識し、安全な運転を心がけることが、事故を防ぐ第一歩です。