アクセルを踏んでも加速しない、スピードが上がらない!原因と修理費用を解説

「いざ車を運転しようと思ったら、何となくアクセルが重くて加速しづらい。」ということを経験したことはないでしょうか?
日常生活で欠かせない車の運転ですが、アクセルを踏んでも加速しないときは、思わず焦りや不安が押し寄せます。
このような状況は、機械的なトラブルや運転方法の見直しが必要な場合など、さまざまな原因が考えられます。
今回の記事では、アクセルを踏んでも加速しない、スピードが上がらない場面の原因や対処法を解説します。
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目次
アクセルを踏んでも加速しない、スピードが上がらないのは何故?
車のアクセルを踏んでも加速しない、回転数は上がるがスピードが出ない、原因は様々あります。具体的な原因としては、次の7つです。
- エンジン内の汚れ(エンジンオイルの劣化)
- 燃料系統のトラブル
- 点火系統のトラブル
- エアフィルターの詰まり、汚れ
- ATFの不具合
- 電子基板やセンサーの異常
- タービンフロー(ターボチャージャーの不具合)
【原因①】エンジン内の汚れ(エンジンオイルの劣化)
エンジン内が汚れてしまうと、車の加速がうまくいきません。エンジン内が汚れる主な原因は、エンジンオイルの劣化です。
エンジンオイルは、ギアを滑らかに動かすのが本来の働きですが、交換を怠ると劣化してエンジン内部に汚れが溜まっていきます。
そのためエンジンオイルが劣化すると、エンジンの性能を低下させて、アクセルを踏んでも加速しない恐れがあります。
対策としては、エンジンオイルを交換して、エンジン内部を綺麗に掃除してください。エンジンオイルは15,000km、もしくは1年に1回交換するのが一般的です。車の加速が鈍る前に、早めに交換しましょう。
エンジンオイルの交換については、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
【原因②】燃料系統のトラブル

燃料系統にトラブルが起きると、アクセルを踏んでも加速しない、回転数が上がらなかったりします。具体的には、次のようなトラブルです。
- 燃料ポンプの故障
- 燃料フィルターの詰まり
- ガソリンに不純物が混じっている(運転を長期間していない)
燃料ポンプの故障
燃料ポンプは、燃料タンクからエンジンへガソリンを送るための重要なパーツです。燃料ポンプが故障すると、燃料圧力が低くなり、エンジンパフォーマンスも低下します。
燃料ポンプは、走行距離10万kmで寿命を迎えると言われているため、定期的にメンテナンスを行うのが最善の対策です。
燃料フィルターの詰まり
燃料やタンクの汚れを除去するためのパーツが、燃料フィルターです。燃料フィルターの目が詰まってしまうと、燃料の供給が上手にできず、加速がスムーズにできません。
わずかに燃料が流れている状態のため、始動はできても加速しない現象が起こります。こうなると、燃料フィルターを交換するしかありません。
ガソリンに不純物が混じっている(運転を長期間していない)
車の運転を長期間していないと、ガソリンに不純物が混じることがあります。その状態で久しぶりに車を動かしても、エンジンがうまく燃焼できず、加速が弱く感じるかもしれません。
対策としては、給油したり燃料添加剤を投下したりすることです。
【原因③】点火系統のトラブル
車の点火系統については次の物があり、ここに影響が出るとアクセル踏んでも加速しなかったり、回転数が上がらなかったりします。
具体的にはスパークプラグやプラグコード、イグニッションコイルやイグナイターなどです。
たとえばスパークプラグは、車のエンジンが動くために必要な点火系統です。ここに異常が発生している場合、加速不足を引き起こすほか、エンジンが動かなくなる可能性があります。
写真のように消耗が著しい場合は、スパークプラグの交換をおすすめします。
左:新しいスパークプラグ/右:古いスパークプラグ
ただし、個人でやるにはかなりリスクが高いので、無理に自力で対処するのは避けてください。
【原因④】エアフィルターの詰まり、汚れ

エアフィルターとは、エンジンへの空気の流れを清浄にするための、吸排気系のパーツです。エンジン内部に外部からの空気を取り込むときに、ホコリやゴミが入らないようにします。
エンジンが着火したり、爆発したりするためには、エアフィルターでろ過された空気が重要です。エアフィルターが詰まっていたり汚れていたりすると、空気の流入量が制限されるため、燃焼効率が低下します。
燃焼効率が低下すると、車を加速させる際にパワーロスが起きるため、アクセルを踏んでも車が加速しません。
エアフィルターが詰まっていたり汚れていたりする際は、パーツごと交換しなければいけません。車種にもよりますが、エアフィルターは走行距離20,000〜50,000kmで交換するのが目安です。
【原因⑤】ATFの不具合
ATFとは「オートマチック・トランスミッション・フルード」の略称で、ギアを自動でチェンジするための、AT車専用のミッションオイルです。
このATFが劣化していたり、漏れが起こっていたり、不足していたりすると、加速しようとしても振動が起こって、アクセルをいくら踏んでも車は加速しません。
この状況では、ATFを交換する必要があります。車種にもよりますが、ATFは走行距離20,000〜50,000kmで交換するのが目安です。
ATFの交換については、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
【原因⑥】電子基板やセンサーの異常
電子基板やセンサーの異常で、アクセルを踏んでも車が加速しない場合があります。
たとえば、車全体に指示を送るセンサーに異常が起きて、想定外の数値が車載ECUに送られると、それをエラーと判断して燃料の供給を止めることがあります。
また、障害物の見落としやブレーキが遅れたときに衝突を軽減するための「AEB(自動ブレーキシステム)」にトラブルが発生すると、特に異常がなくても危険と判断され、車が動かなくなってしまうことがあります。
【原因⑦】タービンフロー(ターボチャージャーの不具合)
タービンブローとは、ターボチャージャーに異常が発生している状態です。タービンホイールやベアリングが損傷することで、ターボチャージャーの機能が正常に果たせなくなります。
タービンフローが起きる原因は、エンジンオイルの焼き付きや異物混入、ターボチャージャー自体の故障が挙げられます。
タービンフローが起こると、ターボチャージャーを修理したり交換したりすることでしか対策できません。
【対策】アクセルを踏んでも加速しないときの対処法
アクセルを踏んでも加速しない、スピードが上がらないときの対処法としては、ディーラーや整備工場などにすぐ相談することです。
トラブルが起きたらプロに相談する
アクセルを踏んでも加速しないときは、自力で何とかしようとせず、ディーラーや整備工場などに相談してください。
原因は燃料系統や点火系統、ATFの不具合など様々です。その原因を、素人が探し出してパーツを修理したり交換したりするのは、至難の業と言えます。
また「アクセル踏んでも回転数が上がらない。」「回転数は上がるがスピードが出ない。」など、加速しないにしても症状も色々あります。
車に精通したプロにしっかりと原因を追究してもらい、改善をお任せするのがおすすめです。
パーツの交換費用
アクセルを踏んでも加速しないときの原因について解説しましたが、解決するにはパーツを交換することです。
パーツの交換費用については、次の表にまとめたので参考にしてください。
パーツ | 交換費用 |
エンジンオイル | 3,000円~8,000円 |
燃料ポンプ | 10,000円~30,000円 |
燃料フィルター | 8,000円~15,000円 |
スパークプラグ | 500円~2,000円※プラグ1本あたり |
イグニッションコイル | 3,000円~10,000円※1つ当たり |
エアフィルター | 1,000円~3,000円 |
ATF | 5,000円~15,000円 |
※燃料はあくまで目安です。車種や業者、車の状態によって金額は変動します。
業者に見てもらう際は、複数の店舗から無料見積を貰って、サービス内容や料金を比較してください。
アクセルを踏んでも加速しないときのまとめ
- アクセルを踏んでも加速しない原因は、燃料系統や点火系統、ATFの不具合など様々ある
- アクセルを踏んでも加速しないときは、自力で解決しようとせず必ずプロに相談する
- 対策としては、パーツ交換になるケースが多い
アクセルを踏んでも加速しない、スピードが上がらないのは、車のどこかに異常があります。自力で何とか解決しようとせず、必ずディーラーや整備工場などのプロに相談してください。
この記事の監修者
DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。