OBD車検に使う法定スキャンツールとは？スキャンツールの具体的なデバイスも紹介

2024年10月から、OBD車検がスタートします。これは、安全装置や自動運転技術が搭載されている一部の車両に、異常がないかどうかを診断する検査です。

OBD車検や検査内容に関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。

この記事では、OBD検査に使用する「法定スキャンツール」について、具体的に解説していきます。

OBD車検（検査）とは

画像引用元：車載式故障診断装置に関する制度と運用の現状

OBDとは、「On Board Diagnostics（車載式故障診断装置）」の略です。

車載式故障診断装置（OBD）を具体的に言うと、エンジンやトランスミッションなどの電子制御装置（ECU）内部に搭載された故障を診断する機能のことです。

現在では多くの車両で、衝突被害軽減ブレーキ等の安全装置や自動運転技術が搭載されています。

OBD検査では、この車載式故障診断装置（OBD）を使って、安全装置や自動運転技術に異常がないかどうかを診断していきます。

OBD車検は2024年の10月からスタートし、自動運転技術を搭載した一部の車両を対象に検査します。

法定スキャンツールとは「特定DTC照会アプリ」をインストールした「外部故障診断機」のこと

OBD検査の際に、安全装置や自動運転技術に異常がないかどうかを、確認するのに重要なのが「法定スキャンツール」です。

こちらではスキャンツールから、特定DTCや特定DTC照会アプリについて解説していきます。

画像出典元：自動車：車載式故障診断装置を活用した自動車検査手法のあり方検討会 – 国土交通省 (mlit.go.jp)

スキャンツールとは

スキャンツールとは車載式故障診断装置に接続して、安全装置や自動運転技術に異常がないかをチェックする、外部故障診断機のことです。

「特定DTC照会アプリ」をインストールした外部故障診断機のことを、「法定スキャンツール」と言います。

車載式故障診断装置から取得した情報を、スキャンツールを通して自動車技術総合機構の運営サーバーへ送ります。

送った情報をもとに「特定DTC」の有無を確認し、車検の合否結果を端末となるスキャンツールへ返していきます。

特定DTCとは

特定DTCとは、故障コードのひとつで車検の合否に繋がるものです。

自動車の装置に不具合が見つかると、DTC（デジタル・トラブル・コード）という故障コードが記録されます。

DTCのなかには「特定DTC」というのがあり、これは車検が通るか通らないかを判断する、重大な記録です。

自動車メーカーが定める基準により判断され、検査中に特定DTCが出ると、車検においては不合格になります。

安全装置や自動運転技術を整備してから、再度車検に臨まなければいけません。

特定DTC照会アプリとは

法定スキャンツールを使うには、デバイスに「特定DTC照会アプリ」をインストールしなければいけません。

特定DTC照会アプリとは、車両がOBD検査の対象の確認を行い、車両や自動車技術総合機構の運営サーバーと通信して、OBD検査の合否を判定するためのアプリケーションです。

特定DTC照会アプリは、システムのメンテナンス時間を除き、24時間365日利用できます。

スキャンツールのデバイスについて

画像引用元：車載式故障診断装置に関する制度と運用の現状

スキャンツールは一般販売されており、ネット通販やカー用品店で購入することができます。

スキャンツールのタイプ

一般販売されているスキャンツールの、認定機器一覧は一般社団法人「日本自動車機械工具協会」のホームページに掲載されております。

情報引用元：一般社団法人日本自動車機械工具協会 (jasea.org)

2023年7月現在では、株式会社バンザイと株式会社インターサポートから販売されているスキャンツールがあり、これはAmazonや楽天、メーカーの公式サイトで購入することが可能ですが、個人での使用は思わぬ不具合が出る可能性があるので、専門店に依頼した方がよいでしょう。

スキャンツールには、タブレットタイプとハンドヘルドタイプの2つが存在します。

パソコンやタブレットでもＯＫ

認定機器でなくても、特定DTC照会アプリをインストールしたパソコンやタブレットであれば、法定スキャンツールとして活用できます。

ただし、パソコンやタブレットの場合は「VCI」を間に挟まないと、機構サーバーと通信することができません。

VCIとは「Vehicle Communication Interface（ヴィークル・コミュニケーション・インターフェース）」の略です。

車載式故障診断装置（OBD）と、パソコンやタブレットを繋ぐ専用の機器で、USBやBluetooth通信などを通して接続します。

法定スキャンツールやOBD車検に関する、その他の質問

法定スキャンツールについてのまとめ

自分の車がOBD車検の対象であれば、2024年10月からは検査を受けなればいけません。

検査内容はもちろん、スキャンツールについても把握しておきましょう。