「路上駐車」とはどんな状態?路上駐車違反の場所・罰則とは

なんとなく、路上駐車をしてしまった経験のある人は多いと思います。ただし、公道では駐車禁止・駐停車禁止の場所に路上駐車をすると、罰則の対象になり反則金を支払わなければいけません。
また、令和2年における110番通報の内容で、駐車問題に関するトラブルは全体の約10%ほどです。違反の場所で路上駐車をすると、誰かに通報される可能性があります。
今回は、路上駐車の状態とは具体的に何か?違反した場合の罰則と合わせて解説するので、ぜひ参考にしてください。
目次
路上駐車とは
一般的に路上駐車と言えば「放置駐車」を指します。これは、ドライバーが車から離れていて、車をすぐに移動できないケースです。
道路交通法第2条18号によると、駐車の定義は以下のように記されています。
【道路交通法第2条18号】
【道路交通法第2条18号】
(貨物の積卸しのための停止で5分を超えない時間内のもの及び人の乗降のための停止を除く)車両等が「客待ち」「荷待ち」「貨物の積卸し」「故障」「その他」の理由により、継続的に停止すること。車両等を停止し、運転者がその車両から離れて、すぐに運転することができない状態にあること。
道路交通法第2条18号
路上駐車が違反になるのは「放置駐車」の場合
例えば、5分ほど車から離れるだけでも「放置駐車」とみなされます。放置駐車をしてしまう例としては、以下のケースが当てはまるでしょう。
- お店で買い物をするために、数分間路上駐車をした。
- 荷物を運ぶために、数分間車から離れた。
- 知り合いの家に立ち寄り、家の前で路上駐車をした。
「駐車禁止」や「駐停車禁止」の場所で、以上の行為をすると罰則の対象です。警察官・民間の駐車監視員に発見されると、駐車違反のステッカー(確認標章)が車に貼り付けられます。
路上駐車が違反になる場所
路上駐車違反になるのは、“ここで駐車をしたら事故に繋がる危険性が高い”と、判断される場所です。
違反になる場所は「駐停車禁止」「駐車禁止」と法律で定められています。
以下の場所は、道路交通法で駐車禁止とされているので、参考にしてください。
【道路交通法・第44条/駐停車禁止】
- 交差点、横断歩道、自転車横断帯、踏切、軌道敷内(線路)、坂の頂上付近、勾配が急な坂、トンネル内。
- 交差点やその端、道路のカーブから前後5メートル以内の場所。
- 横断歩道、自転車横断帯、またはその端から前後5メートル以内の場所。
- 安全地帯の左端とその前後10メートル以内の場所。
- バスや路面電車の停留場の標示板(表示柱)から10メートル以内の場所。
- 踏切とその端から前後10メートル以内の場所。
【道路交通法・第45条/駐車禁止】
- 駐車場、車庫などの自動車用の出入口から3メートル以内の場所。
- 道路工事の区域の端から5メートル以内の場所。
- 消防用機械器具の置場、消防用防火水そう、これらの道路に接する出入口から5メートル以内の場所。
- 消火栓、指定消防水利の標識が設けられている位置や消防用防火水そうの取り入れ口から5メートル以内の場所。
- 火災報知機から1メートル以内の場所。
以上の場所に加えて、以下の道路標識がある場所も、路上駐車をすると違反になるので気を付けましょう。
【駐車禁止・駐停車禁止の標識】

「駐車禁止」「駐停車禁止」については、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
路上駐車が違反にならない場所やケース
「駐車禁止」や「駐停車禁止」の道路標識があっても、指定の時間外でしたら違反の対象にならないケースがあります。

上の標識がある場所では、8〜20時の間は駐車禁止ですが、それ以外の時間帯でしたら路上駐車をすることが可能です。
また、「時間制限駐車区間」の標識が存在する場所でも、路上駐車することができます。設定時間内であれば、パーキング・メーター、パーキング・チケットの指定どおりに作動し、路上駐車することが可能です。
【時間制限駐車区間の標識】

上の標識を例にすると、8時〜20時まではパーキング・メーターが作動する時間帯になります。この時間帯でしたら、60分間(制限時間)は駐車することが可能です。
「長時間駐車」の場合は違反の対象になる
ただし、時間指定のある標識でも、指定以外の時間帯に長時間駐車をした場合は、違反の対象となるので気を付けてください。
「自動車の保管場所の確保等に関する法律」の第11条では“何人も、道路上の場所を自動車の保管場所として使用してはならない”という記載があります。
【自動車の保管場所の確保等に関する法律・第11条】
何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。
一 自動車が道路上の同一の場所に引き続き十二時間以上駐車することとなるような行為。
二 自動車が夜間(日没時から日出時までの時間をいう。)に道路上の同一の場所に引き続き八時間以上駐車することとなるような行為。
自動車の保管場所の確保等に関する法律・第11条
前述の「時間指定がある場合の標識」を例に挙げると、20時〜翌日8時までは路上駐車できますが、8時間以上 駐車した場合は違反の対象です。
路上駐車で「放置駐車違反」になった場合の罰則
路上駐車で「放置駐車違反」扱いになった場合は、以下の違反点数と反則金が科されます。
「駐停車禁止」と「駐車禁止」の場所では、点数と金額に多少の違いがあります。
【放置駐車違反】
駐停車禁止場所等 | 駐車禁止場所等 |
【交通違反点数】 3点 【反則金】 大型車等:25,000円 普通車:18,000円 バイク・原付:10,000円 | 【交通違反点数】 2点 【反則金】 大型車等:21,000円 普通車:15,000円 バイク・原付:9,000円 |
2つとも軽微な点数ですが、3年間で累積点数が6点以上になると「免停」の対象です。「駐停車禁止」なら3年間に2回、「駐車禁止」なら3年間で3回 違反すると免停になるので気を付けましょう。
交通違反の点数等については、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
家の前で路上駐車されていたらどうすれば良いのか?
違反だと分かっていても、路上駐車の件数は後を絶たちません。警察庁が、令和2年に実施した調査によると、東京都特別区における瞬間路上駐車台数は約4万5900台になります。
また、同年の110番通報のうち、駐車問題に関する要望・苦情・相談の件数は約7 万3600件(全体の通報内容の10%弱の割合)と、ご自身がいつ路上駐車のトラブルに遭うか分かりません。
参照: 警察庁交通局・駐車対策の現状
通報する際に伝える内容
例えば、家の前で見知らぬ車が路上駐車をしているのを見つけた場合は、110番通報しましょう。
通報した際は、以下の内容を伝えるようにしてください。
- 駐車している場所・・・例えば、駐車禁止の標識がない道路でも、車庫の前などに路上駐車をしている場合は違反の対象になります。
- 車の情報・・・車種やナンバーを伝えます。
- 車の状況・・・駐車禁止の標識がない道路でも、長時間駐車の場合は違反の対象です。事故が起こりそうなど、緊急性が高い場合はその状況を伝えましょう。
もしも近くに交番がある場合は、お巡りさんに来てもらって違反にあたるかどうか検証してもらいましょう。
違反にあたらなくとも、家の前にしつこく路上駐車をされる場合は、どう対処すれば良いのか相談してみてください。
最後に
都内の場合は駐車場の料金が高く、短い時間でしたらついつい路上駐車をしてしまう場合があります。
ただし、路上駐車は車の進行を妨げて、交通事故を引き起こす原因となるので、絶対にやめてください。
また、自宅の前で頻繁に路上駐車をされて迷惑だと感じる場合は、警察に相談しましょう。違反であれば取り締まってくれますし、しつこく路上駐車される場合は、どのように対処すれば良いのか相談してみてくださいね。
この記事の監修者
DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。