車のエンストが起きたときの対処法と原因

車のトラブルでよく耳にする「エンスト」とは、「エンジンストール」の略称で、車のエンジンが意図せず停止状態になってしまう現象のことです。
エンストは、よくMT(マニュアル)車に起こる現象だと思われがちですが、実はMT車だけではなくAT車にも起こりうることはご存知でしたか?
走行中や信号待ちなどの停車中に突然エンストが起きたらと思うと、とても怖いですよね。安全なドライブを続けていくためにも、エンストの原因と対処法をよく理解しておきましょう!
今回の記事では、車のエンストについて対処法と原因を解説していきます。
目次
車がエンストしてしまったときの対処法

運転中にエンストを起こしたら、まずは安全な場所に停車する事を最優先に、以下の手順で行動してください。
- 停車する際は、ギアをN(ニュートラル)に入れる。
- 周囲の車に異常事態を知らせるハザードランプを点灯させる。
- 急ブレーキにならないよう、ゆっくりと力強くブレーキを踏む。
- ギアをN(ニュートラル)からP(パーキング)に変える。
- サイドブレーキをかけて、エンジンを切る。
高速道路などで停止する場合や、すぐにエンジンをかけられない場合には、三角停止板や発煙筒を使って後続車に知らせ、JAFに連絡して車移動の手配を行ってください。
安全が確認できたのちに再度車を発車させる際は、ギアがP(パーキング)に入っている事を必ず確認するようにしてましょう。
エンストが起きてしまう原因
MT(マニュアル)車のエンスト
マニュアル車に起こるエンストの原因の多くは、「操作ミス」です。
特にクラッチ操作のミスによるエンストが多く、クラッチのタイミングがよくなかった影響でエンジンの回転数が不足し、エンストを起こしてしまう事があります。
また、いきなり2速で発進するなど、クラッチを急に繋いでもトルクが足りずにエンストを起こしてしまうので注意してください。
AT(オートマ)車のエンスト
エンストはMT車に限ったことではなく、AT車でも十分に起こりえることです。
アイドリングの回転数が低い
発進時、シフトレバーをP(パーキング)もしくはN(ニュートラル)の状態からD(ドライブ)にチェンジすると、エンジンに負荷がかかります。その際、アイドリングの回転数が低すぎてしまうと、エンジンの回転が負荷に耐えきれずエンストを起こしてしまうのです。
急な登り坂でトルクが足りない
急激な登り坂でギアをドライブ(Dレンジ)に入れた場合、MT車と同様にクラッチを急に繋いだような感じで、トルクが足りずにエンストを起こしてしまいます。
MT車・AT車 共通でエンストする原因
MT車・AT車に共通して、燃料系や点火系にトラブルが生じると、エンストが起こります。
燃料系にトラブルが生じている
燃料噴射プログラムにトラブルが起きていると、最適な量の燃料を噴射できず、パワー不足でエンストが起こります。原因としては、燃料ポンプやキャブレターが詰まっていたり、アクセル開度に比例して開いていなかったりするケースです。
また、ガソリン車に軽油を給油したり、ディーゼル車にガソリンを給油したりすると、燃料が適切に燃焼せずエンストを起こしてしまいます。最悪の場合はエンジンが壊れてしまうので、適切な燃料補給をするようにしてください。
- エンジンがガクガクして数秒後にエンストする
- カーブや急な坂の頂上にさしかかるとエンストする
- アクセルを踏み込むとエンストする
などの現象が起きた場合は、燃料ポンプや燃料センサーなど燃料系のトラブルの可能性が高いです。
点火系にトラブルが生じている
点火装置や点火プラグなどは、エンジンを動かすための心臓部分です。ここにトラブルが生じると、燃料に着火できずエンジンは動かなくなりエンストします。
また、エンジンはクランクシャフトの回転にシンクロして、点火プラグに火花を起こします。このタイミングがズレると、エンジンの回転にばらつきが起きたり、回転が上昇せずエンストに繋がるのです。
車がスーッと後ろにひかれるようにエンストした場合は、点火系のトラブルを疑ってください。
その他エンストが起こるケース
車が動かない原因は、以下のケースも考えられます。
- 急ブレーキを踏んでタイヤがロックされてしまった
- ハンドルロックが掛かっている
- バッテリーが上がっている
- 単純なガソリン切れ
車が動かなくなる原因については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
最後に
MT車だけではなく、AT車でもエンストは起きてしまいます。また、燃料系や点火系のパーツにトラブルがあると、エンストの危険性があるので気を付けてください。
エンストが起きてしまった場合は、落ち着いて適切な対応ができるようにしておきましょう。巻き込み事故を起こさないように、まずは安全な場所に車を停めることを優先してください。
エンストの原因によっては車の買い替えが必要になってくる場合も出てくるため、日頃から車の状態をチェックするようにしてくださいね。