車のエアコンが効かない!ぬるい風が出る原因や応急処置、修理代について解説
ドライブをするとき、無くてはならないのが「エアコン」です。
特に夏や冬に大活躍してくれるカーエアコンですが、なかなか暖まらなかったり、逆に冷えなかったりすることが起きてしまうこともあります。
長時間にわたるドライブになる場合、エアコンの効きがドライブの快適さに繋がると言っても過言ではありません。
エアコンがうまく効かなくなってしまうと、夏場は熱中症、冬は体温低下など体調に影響することも多くあります。
この記事では、車のエアコンが効かない原因や、対処法についてご解説していきます。
目次
車のエアコンが効かない原因は?
車のエアコンが効かない原因ですが、実は冷房と暖房で動く仕組みが違います。
- 冷房:コンプレッサーで圧縮したエアコンガス(冷媒)によって温度が調整されている
- 暖房:車の熱を利用して温風を車内に送り込んでいる
仕組みが違うと原因も異なります。こちらでは、それぞれのエアコンが効かない原因や、冷房・暖房ともに効かない共通の原因について解説していくので参考にしてください。
エアコンの仕組みについては、こちらの記事でも解説しています!
冷房が効かない原因
冷房が効かずに、ぬるい風が出る原因として考えられるのが以下の3つです。
- エアコンガスの不足、漏れ
- コンプレッサーの不具合
- エバポレーターの不具合
エアコンガスの不足、漏れ
エアコンが冷えるために欠かせないエアコンガスが不足していたり、漏れていたりすると、冷房が効かなくなってしまう原因になります。
ボンネットを開け、エアコンのコンプレッサーが作動している状態で液体の流れや気泡の状態などをチェックしてください。
泡が白く濁っているならガス不足、透明の大きな泡が浮いてきているならガスが詰まっている可能性があります。
コンプレッサーの不具合
コンプレッサーの不具合はガス不足によって起こります。
エンジンに取り付けられている機械で、直径20cmほどの筒状のものがファンベルトで駆動するのですが、この機械に不具合が生じると冷房が効かなくなってしまうのです。
エバポレーターの不具合
エバポレーターはコンプレッサーと同様に、空気を冷やすために欠かせない部品です。コンプレッサーで液化したガスは、エバポレーターで噴霧して気化します。
そのため、ガス系のトラブルやコンプレッサーの不具合がない場合は、エバポレーターの故障が考えられます。
また、エアコンフィルターと同じように詰まることもあるため、エバポレーターが汚れて目詰まりしているのかもしれません。
エアコンから「ブーン」や「ガラガラ」といった異音が聞こえる、もしくは異臭を感じる場合は、エバポレーターの故障や目詰まりの可能性があります。
暖房が効かない原因
暖房が効かない原因として考えられるのが、以下の2つです。
- 冷却水の減少
- サーモスタットの故障
冷却水の減少
車の暖房は、エンジンを冷やしてくれる冷却水の熱を利用しています。
なんらかの原因で冷却水にトラブルが生じた場合、暖房の効きが悪くなってしまったり、オーバーヒートなどのトラブルにも繋がってしまう事があるので注意してください。
サーモスタットの故障
サーモスタットは車の冷暖房に重要な部分です。
このサーモスタットが故障してしまうと、冷却水に影響が出てしまいます。暖房をつけたはずが冷風が出てきてしまったり、設定温度よりも熱い風が出てきてしまったりします。
暖房が効かない原因は、主にサーモスタットと呼ばれる装置の故障が多いです。
その他の不具合について
暖房と冷房、それぞれ効かない場合は、内部のパーツ以外に原因があるかもしれません。それが、以下の3つです。
- エアコンフィルターが汚れている
- 操作パネルの故障
- ブロアファンモーターやレジスターの不良
エアコンフィルターが汚れている
エアコンを掃除せず放置したままにすると、効きめが悪くなります。
カーエアコンのフィルターは、外からの空気を取り込む際に、ホコリや花粉などを除去してくれます。
フィルターにホコリなどの汚れが溜まると、詰まりを起こしてエアコンの効きめが悪くなるのです。
エアコンは定期的にクリーニングを行いましょう。掃除方法などについては、以下の記事を参考にしてください。
操作パネルの故障
エアコンのスイッチが故障しているといった、操作パネルの不良も考えられます。
たとえばエアコンの吹き出し口に、ドリンクホルダーを装着する人は多いです。そこでドリンクがこぼれると、駆動部が固まり動かなくなることもあります。
ブロアファンモーターやレジスターの不良
エアコンの風を出すブロアファンモーターが劣化すると、エアコンの吹き出し口から風が出てこないです。
また、ファンをコントロールするレジスターの不良が起こると、エアコンの風量の調節ができません。
ブロアファンモーターやレジスターに異常が出た場合は、修理や交換になるケースが多いです。
エアコンが効かなくなったときの応急処置
今から運転するとき、もしくはドライブの最中など、急にエアコンが効かなくなったときは、以下の応急処置を試してください。
冷房が効かないときの応急処置
冷房が効かなくなると、車内の温度は急激に上昇します。たとえば夏場に30分以上駐車をすると、車内温度は50℃に達することもあり危険です。
急激な気温上昇に対応するため、運転中に冷房が効かなくなったら、以下の方法で対応してください。
●窓を開けて風を取り入れる
●出来るだけ日陰の道を走行する
●保冷剤や氷を購入して、首のまわりを冷やす
●氷や経口補水液を購入する
●後部座席のサイドガラスにはサンシェードを取り付ける
夏場は氷を購入してタオルに包み、首に巻いて血管を冷やしましょう。熱中症のことも考えて、経口補水液も購入すると良いです。
サンシェードについては、フロントガラスやリアガラス、前方のサイドガラスへの取り付けができないので注意してください。
暖房が効かないときの応急処置
冬場に暖房が効かないと、凍えてきて運転に支障が出ます。暖房が効かない際は、以下の方法で応急処置をしてください。
●ホッカイロを購入する
●手袋や厚手の上着などを着込む
●毛布で体を温める
ホッカイロや手袋などは、コンビニや100円ショップでも購入できるので、運転中にエアコンが効かなくなった場合は購入しましょう。
車のエアコンが故障しているかどうかを確認する方法
エアコンフィルターの目詰まりや、冷却水の補充でしたらエアコンの故障ではありません。
フィルターを掃除したり、冷却水を補充したりすることで回復します。
しかし、故障しているかどうかは、どうやって確認すれば良いのでしょうか?それは、以下の2つの方法を試してください。
- 内気循環にする
- エアコンの温度を下げる
内気循環にする
エアコンを内気循環に設定し、風量を一番強くしてみてください。10分〜15分ほど経過しても、エアコンの風がぬるいままだと故障の可能性が高いです。
内気循環とは、車内の空気を循環させる機能になります。
エアコンが効きやすくなるため、内気循環で変化がなければ、どこかのパーツが故障しているかもしれません。
エアコンの温度を下げる
冷房が効かない際は、エアコンの温度を一番低くしてみてください。外の気温が暑い場合、外気循環は車内が涼しくなりにくいです。
そのため最低温度に設定して、エアコンが効いてくるかどうかを確認してみましょう。
10分〜15分ほど経過しても、車内が涼しくならない場合には、故障している可能性が高いです。
車のエアコンが故障したら、ディーラーや専門店へ相談を
車のエアコンが効かなくなった際は、早めにプロへ相談するのがベストです。ディーラーや整備工場に相談してください。
冷却水やエアコンガスの補充など、簡単な作業であればカー用品店やガソリンスタンドでも対応できます。
パーツの交換や補充にかかる費用は、以下を参考にしてください。
パーツ | 費用相場 |
エアコンガス | 補充:2,000〜6,000円 修理・交換:10,000円〜70,000円 |
コンプレッサー | 交換:50,000円~100,000円 |
ファンモーター | 交換:20,000円~50,000円 |
エバポレーター | 洗浄:5,000円〜25,000円 交換:50,000円~100,000円 |
サーモスタット | 交換:10,000円~15,000円 |
エアコンフィルター | 交換:1,000円~5,000円 |
冷却水 | 補充:2,000円〜5,000円 交換:5,000円〜10,000円 |
費用は、あくまで参考価格です。詳しくは、ディーラーや専門店で確認をしてください。
車のエアコンが効かない原因や応急処置についてのまとめ
- 冷房が効かないときは、エアコンガスやコンプレッサー、エバポレーターの不具合が考えられる
- 暖房が効かないときは、冷却水の減少やサーモスタットの故障が考えられる
- フィルターの目詰まりや操作パネル、ブロアファンモーターやレジスターの不良も確認を
全てのドライバー・同乗者にとって、カーエアコンの存在はとても大きいです。
エアコンが効かないときは、内気循環にしたりエアコンの温度を下げたりして、故障かどうか確認しましょう。
もしも故障であれば、ディーラーや専門店などのプロに相談してください。
この記事の監修者
DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。