カーエアコンのクリーニングを自分で行う方法|エアコンの仕組みを合わせて解説

普段、ガラスやボディのメンテナンスには手をつけられても、カーエアコンのクリーニングまで手が回らない人も多いのではないでしょうか。
「掃除した方が良いのは分かるけど面倒くさそう…」「素人が下手に掃除したら壊れるのではないか」と、考えてしまう人も多いかもしれません。
しかし、カーエアコンのクリーニングを放置してしまうと様々なデメリットが生まれ続けてしまいます。
今回の記事では、エアコンのクリーニングの仕方から、放置した場合の弊害・掃除をしたことによるメリットなどについて解説していきます。
目次
カーエアコンの仕組み
クリーニングに入る前に、カーエアコンの仕組みについて覚えておきましょう。
カーエアコンの仕組みは、自宅のエアコンとほぼ同じです。カーエアコンは大まかに以下のような仕組みで動いています。
- 車外や車内の空気を「フィルター」に通して「ファン」に送り込む。
- 「ファン」から送られた空気を「エバポレーター」で空気を冷やす。
- 「エバポレーター」の冷気が、エアコンの吹き出し口から車内へ送られ「冷房」となる。
冷房は「エバポレーター」の冷気をそのまま車内に送り込みます。暖房の場合は「エバポレーター」で作られた冷風を、「ヒーター」にあたる装置で温めて温風にして車内に送り込むのです。
この「エバポレーター」にカビが発生することで、エアコンから嫌なニオイが発生します。
カーエアコンのクリーニング方法
車のエアコンは、自分でも簡単にクリーニングすることができます。
【準備するもの】
- 大きめのタオル(汚れても大丈夫なもの)
- カーエアコン用の洗浄剤
洗浄剤は専門店やホームセンター、インターネットで購入することができます。
準備ができたら、以下の手順で掃除しましょう。
【手順】
- エアコンフィルターのカバーを外し、エアコンフィルターを外す。
- エアコンの排気設定を「足元」に切り替え、吹き出し口を全開にする。
- エバポレーターの下にタオルを敷く。
- エアコンフィルターを取り出した口に、洗浄剤を吹きかける。
- フィルターは水洗いして汚れを除去する。
- 洗浄剤や水分を残さないため10分以上エアコンの送風運転をする。
- エアコンフィルターとカバーを元に戻す。
クリーニングする際の注意点
カーエアコンをクリーニングする際は、以下のことに注意してください。
- 洗浄剤を吹きかけるときは、深く差し込んでから噴射する。
- フィルターの水洗い後は、陰干しでしっかりと乾燥させる。
- 洗浄後は必ず送風する。
洗浄剤はエバポレーターに向けて、しっかり奥まで入れ込んでから噴射してください。
差し込みが浅いと、周囲に洗剤が飛び散る可能性があります。エバポレーターの汚れを落すことができなくなってしまうので気をつけてください。
洗浄後のエアコンの送風は、必ず行うようにしましょう。洗浄剤が残ったままフィルターやカバーを戻してしまうと、エアコンの調子が悪くなってしまうのです。
また、水洗いしたフィルターに水分が残っていると、再びカビが発生する原因になります。陰干しでしっかりと乾燥させてから、戻すようにしましょう。
※エアコンフィルターの位置は車により異なります。インターネットや、量販店で調べてから掃除を行うようにしてください。
理想は年4回のクリーニング
エアコンのクリーニングをするタイミングですが、理想は1年に4回です。季節の変わり目に行うのが良いでしょう。
- 3月頃→花粉が飛び交うシーズン
- 6月頃→湿気でカビが繁殖しやすい梅雨前
- 9月頃→秋雨シーズン前の晩夏
- 12月頃→年末の大掃除と同時進行
衣替えの時期と合わせて、以上の周期でクリーニングしてみると良いのではないでしょうか。年末の大掃除シーズンは、車全体の洗車と合わせて専門店やディーラーに依頼するのもおすすめです。
その際は、複数のお店に見積もりを出してもらい、価格とサービス内容を比較してみてください。
定期的なクリーニングで得られる効果
エアコンの汚れやカビを放置すると、アレルギー反応が出やすくなります。定期的にカーエアコンをクリーニングすることで、アレルギー反応を抑えることができます。
喘息や花粉症の人は特に気をつけるようにしてください。小さなお子さんはアレルギーに敏感なので注意してください。
エアポーターをキレイな状態で保つことで、快適な状態でエアコンを効かせることができます。
フィルターは年1で交換を
こまめにクリーニングをしても、エアコンのフィルターは劣化していきます。フィルターは、年1回or走行距離1万kmを突破したときに取り替えるのがベストです。
専門店やインターネット通販などで、フィルターは購入することができます。1,500円くらいから販売されているので、車内の空気を清潔に保てるなら、費用対効果としては期待値が大きいです。
長期間エアコンを掃除しないままにしておくと危険!
カビ・ダニの繁殖によって病気のリスクが高くなる
長期間エアコンを掃除しないままでおくと、エアコン内に発生したカビを放置している状態が続くということでもあります。
カビを放置したままエアコンを使用すると、その中にホコリや花粉がこもってしまいます。
車内にはダニが生息しており、カビ・花粉・ダニの死骸やフンと相まって、ハウスダストと似たような状況で、アレルギー症状が発生する可能性も否定できません。
車に乗るとアレルギー反応が出る場合、エアコンに潜むカビの放置が原因の可能性があります。
ニオイが気になったり、エアコンを使用するとホコリが飛んでくるようになったり、吹き出し口から汚れが見えるようになったりする場合は、すみやかにエアコンのクリーニングを行ってください。
エアコンの効きが悪くなって熱中症のリスクも
エアコンのフィルターに汚れやホコリが詰まってしまうと、エアコンの効きがどんどん悪くなっていきます。
本来フィルターは、外気を取り込む際にチリやホコリ、花粉や黄砂、PM2.5などを防いでくれる役割を果たしているため、定期的に掃除をしないと空気の通りが悪くなってしまいます。
空気の循環が悪くなることにより、熱中症のリスクも高くなってしまうので、エアコンの掃除は定期的に行いましょう。
エアコンのニオイの原因にもなる「カビ」
エアコンのニオイの原因となるのはズバリ「カビ」です。なぜエアコンにはカビが発生しやすいのでしょうか?
カビは結露や湿った環境に発生しやすいことは広く知られています。
カーエアコンは、ファンから送られた風が空気を冷やすエバポレーターという機械によって冷たくなり、その冷気が車内を涼しくします。このとき、エバポレーターには結露が発生しているのです。
例えば消臭剤や芳香剤を使用しても、車内のニオイは消すことはできてもカビを除去することはできません。
エアコンにカビが発生しないようにするための対策方法
結露して水分が付着することで、エバポレーターにカビが生えてしまいます。
つまりエバポレーターをなるべく湿らせず乾燥している状態にしておけば良いのです。
【乾燥の状態にしておく方法】
エアコンを止め、「送風」を最大にして10分ほど運転します。
風を送り続ければ結露は乾いてなくなるので、エバボレーターを乾かした状態で駐車すれば、カビの発生を防げます。特に夏場は湿気が多いので、帰宅する時間を逆算してエアコンを止めて、送風だけにする習慣をつけてみてください。
エアコンのカビを掃除することによって得られる効果
カーエアコンをクリーニングすることで、咳やクシャミなどのアレルギー反応を抑えることができます。逆にエアコンの汚れやカビを放置することで、アレルギーはどんどん酷くなります。喘息や花粉症の人は特に気をつけるようにしてください。また、小さなお子さんはアレルギーに敏感なので、注意してくださいね。
エアポーターをキレイな状態で保つことで、快適な状態でエアコンを効かせることができます。
最後に
今回は、カーエアコンのクリーニングの重要性と掃除方法を中心に解説しました。自分で掃除する時間が取りにくい場合や、自分でするのはちょっと…という場合は、専門店やディーラーに依頼しましょう。
車は移動手段でもあると同時に、プライベート空間でもあります。ご自身はもちろん、車をよく乗せるご家族や友人が花粉症やアレルギー、喘息持ちなどの場合は特にエアコンを定期的に清潔にしてください。
常にキレイな空気を保ち車に乗る人みんなが、快適な空間でドライブができる環境を整えていきましょう。
この記事の監修者
DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。