布製タイヤチェーンの耐久性や寿命、何回使えるかを解説

雑学

持ち運びしやすいことから、オートソックなどの布製タイヤチェーンを、車に積んでいる人は多いと思います。

布製タイヤチェーンは、高速道路のチェーン規制にも対応しており、着脱が簡単なのがメリットです。

ただし、金属チェーンやウレタン製のチェーンと比べると、耐久性の面で心配なところはあります。

そこで今回の記事では、布製タイヤチェーンを始めとしたタイヤチェーンの耐久性、布製タイヤチェーンの寿命を伸ばすための使用方法について解説していきます。

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布製タイヤチェーンの耐久性

「布製のタイヤチェーンは、何回くらい使えるのか?」
「布製タイヤチェーンで、何キロくらい走れるのか?」

漠然と疑問に思う人は、多いと思います。こちらでは、布製タイヤチェーンの寿命や何回使えるかについて解説していきます。

布製タイヤチェーンの寿命

布製タイヤチェーンは乾いた路面で使用すると、走行距離が約100kmが寿命と言われています。一方で、雪道やアイスバーンのみに使用すると、数100kmの走行にも耐え得られます。

一見すると、布製タイヤチェーンの寿命は長いようにも感じますが、耐久性は低いです。推奨運転速度は時速40kmのため、運転の仕方によっては寿命が短くなります。

乾いた路面でスピードを出して運転したり、急発進や急加速をしたりすると、寿命が短くなります。また、石のような硬いものやガラスのような鋭利なものがタイヤにぶつかると、すぐに破損するリスクもあります。

布製タイヤチェーンは何回使える?

布製タイヤチェーンは、具体的に何回使えるかというものはありませんが、寿命を迎えるまで複数回使用できます。

布製タイヤチェーンを買い替える時期は、製品の消耗具合や取扱説明書で確認してください。

おすすめはスタッドレスタイヤと布製タイヤチェーンを併用する

冬場は、スタッドレスタイヤと布製タイヤチェーンを併用するのがおすすめです。

スタッドレスタイヤは、雪道や凍結路で高い性能を発揮します。しかし、異常気象時などに高速道路等で発令される「チェーン規制」では、スタッドレスタイヤのみでは通行できません。

この規制は、特定区間でタイヤチェーンの装着を義務づけるもので、スタッドレスのみでは不十分とされることもあります。

布製チェーンは軽量で装着が簡単なため、緊急時にも素早く対応できるのがメリットです。

布製タイヤチェーンを車に積んでおいて、チェーン規制の区間ではスタッドレスタイヤにすれば、問題なく走行することができます。

布製タイヤチェーンを長く使用するためのポイント5つ

布製タイヤチェーンの寿命を保つためには、雪道や凍結した路面のみで使用すること、推奨速度を守るなど、正しい使用方法を心掛けてください。

布製タイヤチェーンの正しい使い方とは、次の5つです。

  • タイヤのサイズに合ったものを使用する
  • 雪道や凍結した路面のみで使用する
  • 駐車時など使わないときは取り外す
  • 推奨速度を守る
  • 使用後は洗濯・乾燥をする

タイヤのサイズに合ったものを使用する

布製タイヤチェーンの耐久性を保つには、タイヤサイズに合った製品を使用してください。

サイズが合っていないと、走行中にズレや偏摩耗が生じやすく、布地の破損やグリップ力の低下につながります。

また、適合サイズであればタイヤ全体に均等に密着し、摩擦や荷重が分散されるため、チェーンの寿命が延びます。

購入時は車種やタイヤサイズを正確に確認し、メーカーが提供する適合表を参考に選定することが大切です。

雪道や凍結した路面のみで使用する

布製タイヤチェーンを長く使用するためには、雪道や凍結した路面のみで使用する

布製タイヤチェーンは乾いた路面でも走行できますが、基本的には雪道や凍結した路面のみで使用するようにしてください。

雪道だと数100kmの走行にも耐え得られますが、乾燥した路面では100kmほどと寿命が大幅に短くなります。

チェーン規制には対応しているので、スタッドレスタイヤの場合は、高速道路のチェーン規制時に使うのがおすすめです。

駐車時など使わないときは取り外す

布製タイヤチェーンは、必要な場面だけで使用し、不要なときは速やかに取り外すことが長持ちの秘訣です。

駐車時に装着したまま放置すると、路面との接地部分に負荷がかかり続け、布地が擦れて劣化しやすくなります。

特に乾いたアスファルト上では摩耗が進みやすく、繊維の破損や性能が低下する原因です。

また、凍結や雪解けによる水分が布に染み込み、凍結・腐食のリスクも高まります。

走行後は速やかに取り外し、乾燥させて保管することで、耐久性を大きく向上させることができます。

推奨速度を守る

布製タイヤチェーンの推奨運転速度は、時速50kmです。それ以上のスピードで運転すると、寿命が短くなります。

布製タイヤチェーンは雪道や凍結した路面のみで使用するのがベターです。雪道や凍結した路面では、スピードを出して運転するのは危険な行為です。

そのため、雪道や凍結した路面を走る際に布製タイヤチェーンを装着して、スピードを落として丁寧な運転を心掛ければ、タイヤチェーンの寿命を長くすることができます。

使用後は洗濯、乾燥をする

布製タイヤチェーンを使用した後は、汚れを落としてから乾燥させてください。

布製タイヤチェーンのメーカーであるオートソックは、使用後に40℃のお湯で洗濯機洗浄して、乾燥させることをおすすめしています。

出典:布製タイヤチェーンの正しい管理方法とは?メンテナンスの仕方を解説|AutoSock

ちなみに、濡れたままの状態で布製タイヤチェーンを放置すると、凍って使えなくなるリスクがあります。

他のタイヤチェーンの耐久性や寿命は?

こちらでは、布製タイヤチェーン以外の金属チェーン、非金属チェーンの寿命について解説していきます。

金属チェーンや非金属チェーンの特徴や効果については、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。

金属チェーン

金属チェーンの耐久性や寿命

金属製のタイヤチェーンの寿命は、一般的に5年〜10年ほどと言われています。使用方法によっては寿命が早まるケースもあり、金属であるため保管方法を間違えると、いつの間にか錆びてしまいます。

金属チェーンの場合は、摩耗状態を目視で確認できるのが特徴です。使用頻度が多いと金属が徐々にすり減っていくため、購入時から金属の太さが半分以下になったときは買い替える時期です。

また、布製タイヤチェーンと同様に乾いた路面で走行すると、寿命を大幅に縮めてしまいます。

非金属チェーン(ゴム・ウレタン製)

非金属チェーン(ゴム・ウレタン製)の耐久性や寿命

ゴム・ウレタン製の非金属タイヤチェーンの寿命は、5年ほどと言われています。

「実車走行試験で走行距離が600km以上の耐久性がある」と、認められた非金属製タイヤチェーンには、日本自動車交通安全用品協会の認定マーク(JASA432またはJASA433)が付いています。

日本自動車交通安全用品協会の認定マークがあれば、「600kmは耐えられる」と思って大丈夫でしょう。

もちろん、使用方法や環境によっては、寿命が短くなる危険性があります。布製タイヤチェーンや金属チェーンと同様に、乾いた路面での走行はおすすめできません。

布製のチェーンの耐久性や寿命についてのまとめ

  • 布製タイヤチェーンの寿命は、乾いた路面で走行距離が約100kmほど、雪道で数100kmほど
  • 布製タイヤチェーンの推奨速度は時速50kmのため、推奨速度を守れば寿命を保てる
  • 布製に限らず、タイヤチェーンの使用は雪道、凍結した路面だけの使用に限る

布製タイヤチェーンは持ち運びに便利なので、いざというときのために車に積んでおくと便利です。正しい使用方法を守れば、布製タイヤチェーンの寿命を最後まで全うすることができます。

この記事の監修者

GlassD吹浦先生

DUKS  府中店 営業事務

吹浦 翔太

業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。

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