融雪剤で車や人体に影響がでる?錆びない融雪剤の選び方、融雪剤の使い方を解説

トラブル

冬が明け、雪が溶けてきたころ、「なんとなく車の錆びが目立つような?」と感じたことはないでしょうか。雪が原因なのかな?と思うかもしれませんが、意外にも、冬明けに目立つ車の錆びの原因は雪だけではないのです。

降雪期における車の走行には、路面凍結によって引き起こされる危険性がたくさん潜んでいます。路面凍結の対策として、特に降雪地帯などでは、11月の下旬頃を目安に融雪剤の路面散布がなされます。実はこの融雪剤が、車の錆びに大きく影響しています。

この記事では融雪剤の効果や成分、車や人体に及ぼす影響と対策について解説していきます。

融雪剤とは、雪を溶かしたり凍結防止効果があったりする塩分

融雪剤を一言で表すなら、「凍結防止効果のある塩分」です。こちらでは融雪剤の効果と成分、融雪剤はなぜ溶けるのかについて解説していきます。

融雪剤の効果と成分

融雪剤とは雪の降りやすい寒冷地域で使用されており、車を凍結から守ります。たとえば、冬の高速道路の路面を覆っている白い粒が融雪剤です。また積雪する地域では車を出すために、自分で駐車場に融雪剤を使用することがあります。

融雪剤の効果や成分は、以下の表にまとめたので参考にしてください。

融雪剤の効果融雪剤の主な成分
・雪を溶かす
・凍結防止
・塩化ナトリウム
・塩化カルシウム
・塩化マグネシウム

融雪剤はなぜ雪が溶けるのか?

融雪剤を撒くと、なぜ雪が溶けるのか?それは成分である、塩化カルシウムが関係してきます。塩化カルシウムが水に混ざると、0度では凍らなくなるため、今まで0度で凍っていた氷が溶けてしまうのです。

さらに塩化カルシウムは、水に溶ける際に発熱します。塩化カルシウムが水に溶けると、「塩素イオン」と「カルシウムイオン」に分かれて、水の中を動き回ります。この動きが熱になり、温度が上がって雪を溶かしてくれるのです。

融雪剤のデメリットは、車や人体に影響をもたらす可能性があるところ

こちらでは、融雪剤が車や人体に及ぼす影響について解説していきます。

車体が錆びる

融雪剤に含まれる塩化ナトリウムや塩化カルシウム、塩化マグネシウムには、金属の腐食を促進させる塩分が含まれています。

しかし、これらの成分のみでは車体が錆びることはありません。雨や雪、氷など空気中の水分と化合して金属に付着し、酸化することによって錆びてしまうのです。

融雪剤の塩分を含んだ水分は蒸発しにくい性質をもち、金属をより酸化させやすくなります。

融雪剤に含まれている「塩」と「不純物を含んだ水分」が車の「鉄」に付着し、錆びてしまう仕組みです。特に、車の足回り(シャシ)などは融雪剤の影響を受けやすい部分です。

冬季期間は常に新しい融雪剤が散布されているルートも少なくないので、影響を受け続ける期間が長くなり、錆のリスクも高まってしまいます。冬の期間は、車の足回りをこまめにチェックし、きれいな状態を保つようにしてください。

最悪の場合は車が故障することも

路面に散布された融雪剤をタイヤが巻き上げ、エンジンルーム内に融雪剤が入り込んでしまうことがあります。

そうなると、エンジンの周辺装置(サスペンション、ブレーキ配管、ブレーキ周り、タイヤ、ホイールなど)に融雪剤が堆積してしまい、錆びが進行して故障に繋がってしまうのです。

融雪剤による錆びを放置した結果、車が廃車になってしまったケースも多くあるので、車体に付着した融雪剤の処理には気を配るようにしましょう。

融雪剤は人体への影響もある

融雪剤に多く含まれる「塩化カルシウム」は、水に溶けると発熱します。濡れた手や足につくと、皮膚炎などが起きる場合があります。融雪剤を家庭で使用する際は、マスク、メガネ、手袋、服装に気をつけて作業してください。

自分で融雪剤を使う際のポイント

積雪する地域では車を出すために、自分で駐車場に融雪剤を使用することがあります。融雪剤は撒くことで車や人体、そしてコンクリート等にも少なからず影響が出ます。

こちらでは、できるだけ車や人体に影響が出ないように、自分で融雪剤を使う際のポイントについて解説していきます。

錆びない融雪剤(無塩タイプ)を選ぶ

現在では車が錆びないよう、無塩タイプの融雪剤が販売されています。無塩タイプの融雪剤の主成分は、カルボン酸、尿素などです。

塩分が入ったタイプとは違い、環境に優しく車が錆びりことがありません。駐車場のほか、庭や金属製の物がある付近にも撒くことができます。人体への影響が少なく、子供やペットがいたり、花壇があったりするご家庭には特におすすめです。

融雪剤の使い方

融雪剤は無塩タイプがおすすめですが、凍結・融雪効果の高い塩タイプを使いたい人もいるでしょう。その際は以下の点に注意して、融雪剤を散布してください。

  • 一握りで約1平方メートル散布する
  • 自分の庭や駐車場の広さに合わせて、適量の融雪剤を撒く

融雪剤はペットボトル1本(2リットル)で約30平方メートル、幅3メートルの道路なら10メートルの範囲に散布できます。

むやみやたらに撒くと、コンクリートや通行人に影響が出るリスクがあります。必要最低限の量だけ、融雪剤を散布するようにしてください。

融雪剤で車が錆びないための洗車方法

融雪剤は自分で使用する以外にも、冬の高速道路を走行することで車に付着します。冬の高速道路や降雪地帯の道路を走行したあとは、こまめに洗車をすることが大切です。

こちらでは、融雪剤で車が錆びないための洗車方法について解説していきます。

こまめに洗車をする

融雪剤が散布された路面を走行したあとに洗車を行う場合は、シャシまで入念に洗ってください。高速道路など、融雪剤の影響を受けやすい道を走行した場合は、走行から2〜3日以内には1度洗車をしておきましょう。

また、一般道でも融雪剤が多く散布されている道路を走行する場合は、少なくても月に1回程度の洗車を行って下さい。自分で洗車をする場合も、洗車機を使う場合も、車体下部を重点的に洗車することが必須です。

洗車方法①自分で手洗いする場合

高圧洗浄機などを用いて、車全体に水をかけながら洗い流します。タイヤのホイールなどにも融雪剤が残りやすいので、入念に洗い流してください。

仕上げに、普段よりも多めのシャンプーを使って、融雪剤を完全に洗い落としてください。

洗車方法②洗車機を使う場合

洗車機の設定をする際に「下部洗浄」をオプション設定し、洗車を行ってください。

有料オプションであるため、通常の洗車オプションよりも若干費用はかかってしまいますが、融雪剤を確実に落とすためにはこの方法がとてもおすすめです。

全て自動で行ってくれるので、下部に付着した融雪剤を楽に落とすことができます。

融雪剤を拭き取る際は、必ず軍手や手袋を使用する

融雪剤を拭き取るときは、必ず軍手や手袋を使用して作業を行うようにしてください。融雪剤に含まれている塩分が皮膚に付着してしまうと、炎症を起こしたり、肌トラブルにつながったりして大変危険です。

誤って皮膚に付着してしまった場合は、すぐに水で洗い流してください。

融雪剤について、その他の疑問・質問

こちらでは融雪剤について、その他の疑問・質問について解説していきます。

Q
融雪剤と凍結防止剤との違いは何ですか?
A

融雪剤の成分は塩化カルシウム、凍結防止剤の成分は塩化ナトリウムです。

融雪剤(塩化カルシウム)は、水と反応して熱を作り出すため、雪を溶かすのに効果的です。凍結防止剤(塩化ナトリウム)は、-20度まで凝固点を下げるため、凍結防止が期待できます。

Q
融雪剤はコンクリートに影響が出るって本当ですか?
A

コンクリートにヒビが発生したり、剥がれたりする可能性はあります。

融雪剤の影響で、コンクリート表面の温度が低下して体積変化が起こり、ヒビが発生します。そこに水分が浸透、凍結してクラックを拡大させ、最終的にはその部分が剥がれてくる可能性があります。

融雪剤についてのまとめ

  • 融雪剤とは、雪を溶かしたり凍結防止効果があったりする塩分
  • 車や人体の影響を考えるなら、無塩タイプの融雪剤がおすすめ
  • 冬の高速道路を走行したあとは、できるだけ早めに洗車をする

融雪剤は、雪を融かしたり凍結防止をしたりすることで冬の道路が走りやすくなる一方、車や人体への影響が懸念されます。自宅の道路や庭に散布する際は、無塩タイプを選ぶか、塩分タイプなら必要最低限の量だけ撒いてください。

この記事の監修者

GlassD吹浦先生

DUKS  府中店 営業事務

吹浦 翔太

業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。

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