タービンブローとは?原因・前兆・修理費用・予防策を解説

トラブル

タービンブローというのは、ターボチャージャーに過剰な負荷がかかることで発生する故障の一種です。

原因としてはオイル不足や異物混入、過回転などが挙げられ、これらが重なるとタービンブローに至る可能性があります。

タービンブローの前兆としては、マフラーから白煙が出たり、エンジンから異音がするなどの症状が現れます。

こうした異常を放置すると修理費用が高額になることもあり、場合によってはエンジン本体の交換が必要です。

タービンブローとは?

タービンブローとは、ターボチャージャー内部で空気の流れが乱れたり、圧力が異常に高まることで、過剰な負荷がかかり故障につながる現象です。

急にアクセルを戻した際などに、エンジンからの排気が急減し、タービンが空回りすることで圧力が逃げ場を失い、ブローオフバルブが作動しない場合に発生しやすくなります。

この状態が続くと、タービンの軸や羽根にダメージが蓄積され、最悪の場合はターボ自体が破損する恐れがあります。

タービンブローの原因

タービンブローの主な原因は、ターボチャージャーに過剰な負荷がかかることによって起こる故障です。原因の詳細は、次の3つが挙げられます。

  • オイル不足
  • 異物混入
  • 過回転

「オイル不足」は潤滑不良を招き、タービン軸の摩耗や焼き付きにつながりやすいです。

次に「異物混入」は吸気経路から小石や金属片が入り込み、羽根を破損させることがあります。

そして「過回転」は、エンジンの急加速やブローオフバルブの不調などでタービンが想定以上の速度で回転し、軸やベアリングに過剰な負荷がかかることで破損を引き起こします。

これらの要因が重なることで、タービンブローが発生します。

タービンブローの前兆

タービンブローの前兆、マフラーから白煙が出る

タービンブローの前兆として、マフラーから白煙が出たり、エンジンから異音が聞こえたりします。

  • マフラーから白煙が出る
  • エンジンから異音がする
  • エンジンオイルの消費量が急増する

マフラーから白煙が出る

マフラーから白煙が出る現象は、タービンブローの見逃せないサインです。

これはターボチャージャー内部のオイルシールが劣化し、潤滑用のエンジンオイルが排気系に漏れ込むことで発生します。

通常の水蒸気とは異なり、白煙が長時間続いたり、焦げたような臭いを伴ったりする場合は注意が必要です。

放置するとオイル消費が増え、タービンの焼き付きやブローにつながる恐れがあります。

エンジンから異音がする

タービンブローの前兆として、エンジンから異音がする場合があります。

特に「キーン」「ガラガラ」といった金属音や、回転数に連動して変化する不自然な音が聞こえる場合は注意が必要です。

ターボチャージャー内部の軸受けや、羽根に異常が起きている恐れがあります。これは、潤滑不足や過回転によって部品が摩耗し、振動や接触音が発生することが原因です。

エンジンの異音については、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。

エンジンオイルの消費量が急増する

タービンブローの前兆として、エンジンオイルの消費量が急激に増えることがあります。

これはターボチャージャー内部のオイルシールが劣化し、潤滑用のオイルが排気側に漏れ出すことで起こります。

漏れたオイルは燃焼されずに、排気とともに排出されます。そのためオイル量が減少し続け、最終的には潤滑不足によってタービン軸やベアリングが損傷するのです。

タービンブローが起きたらすぐに専門業者に相談する

タービンブローが発生した場合、放置するとエンジン本体にも深刻なダメージが及ぶリスクがあります。

そのため、タービンブローの前兆を感じたら、すぐに専門業者へ相談してください。ターボチャージャーの修理や交換には高度な技術が必要で、素人が対応するのは極めて難しいです。

ターボチャージャーの修理費用は、目安として8万円〜12万円が相場です。ただし、タービンブローによってエンジンの内部まで損傷している場合、料金は高額になります。

エンジン本体の修理や交換が必要となるため、費用は数十万円になる可能性が高いです。

車種や故障の程度によって金額は変動するため、早期診断と見積もりの確認が安心につながります。

予防|タービンブローが起こらないためにはどうすれば良い?

タービンブローが起こらないためには、適切な運転を心掛けたり、日常点検を行ったりすることが大切です。

適切な運転を心掛ける

タービンブローを防ぐには、日常の運転でターボに過度な負荷をかけないことが大切です。

急なアクセル操作や高回転域での長時間走行は、タービンの過回転やオイルの消費を招き、故障の原因になります。

エンジン始動直後や停止直前は、オイルが十分に循環していないため、急加速や急停止を避けるよう心掛けましょう。

穏やかなアクセル操作と、適度なアイドリング時間がターボの寿命を延ばすポイントです。

日常点検を行う

タービンブローを防ぐには、日常点検を欠かさず行うことが重要です。

特にエンジンオイルの量と汚れ具合を定期的に確認することで、潤滑不足による軸受けの摩耗を防げます。

また、エアフィルターの汚れや破損があると異物が吸気系に入り込み、タービンの羽根を傷つける原因になります。

さらに、排気音や白煙などの異常がないかもチェックすることで、早期に不具合を察知できます。こうした小さな点検が、大きな故障を未然に防ぐ鍵となります。

車の日常点検については、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。

タービンブローについてのまとめ

  • タービンブローというのは、ターボチャージャーに過剰な負荷がかかることで起こる深刻な故障
  • タービンブローの原因は、オイル不足・異物混入・過回転
  • マフラーから白煙が出たり、エンジンから異音が聞こえたりしたら専門業者に相談する

タービンブローの原因や前兆を見逃すと、白煙や異音などの異常が現れ、修理費用が高額になる可能性もあります。

こうしたトラブルを防ぐには、日常点検と適切な運転を心掛けることが何より大切です。

この記事の監修者

GlassD吹浦先生

DUKS  府中店 営業事務

吹浦 翔太

業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。

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