車のウォッシャー液が出ない!原因や対処法、修理費用について解説

トラブル

車のウォッシャー液が出ない場合、単なる液切れと思って放置すると、思わぬトラブルにつながることがあります。

視界確保に関わる装置として、ウォッシャーは車検のチェック項目にも含まれており、正常に作動しないと不合格になるかもしれません。

ウォッシャー液が出ない原因は、液の残量不足やノズルの詰まり、凍結、ホースの損傷、モーターや配線系統の不具合など多岐に渡ります。

今回の記事では、ウォッシャーが作動しないときの原因や対処方法、修理費用の目安、ガソリンスタンドでできる簡単な対応などについて解説していきます。

ウォッシャー液が出ない原因

ウォッシャー液が出ない原因

ウォッシャー液が出ない場合の原因は、次の6つが考えられます。

  • ウォッシャー液の残量が少ない
  • ウォッシャーノズルの詰まり
  • ウォッシャー液の凍結
  • ホースが外れている、または損傷している
  • モーターやポンプの不具合
  • ヒューズが切れているなど配線系統の不具合

これらの対処法について解説するので、ぜひ参考にしてください。

ウォッシャー液の残量が少ない

ウォッシャー液が出ない原因として、まず確認すべきなのが液の残量です。

ウォッシャータンクはエンジンルーム内にあり、透明な容器になっていることが多いため、外からでも液面を目視できます。

液が少なくなるとポンプが空回りし、ノズルから噴射されなくなります。特に長距離運転や雨天時に頻繁に使用すると、知らないうちに使い切ってしまうこともあります。

ウォッシャーノズルの詰まり

ウォッシャー液が出ない原因のひとつに、ノズルの詰まりがあります。

ノズルはフロントガラスに向けて液を噴射する小さな穴ですが、そこに汚れや水垢、虫の死骸などが入り込むと、液がうまく出なくなります。

特に洗車時のワックスやコーティング剤が付着すると、乾いて固まり、穴を塞いでしまうことがあります。

噴射の勢いが弱い、あるいは片側だけ出ないといった症状がある場合は、ノズルの詰まりを疑ってみましょう。

ウォッシャー液の凍結

寒い季節にウォッシャー液が出なくなる原因として、液の凍結が挙げられます。

ウォッシャー液には水が含まれているため、気温が氷点下になるとタンク内やホース、ノズル部分で凍ってしまい、ポンプが作動しても液が流れなくなります。

特に水道水をそのまま補充している場合や、濃度の薄いウォッシャー液を使っていると凍結しやすいです。

ウォッシャー液が凍った状態では、無理に噴射しようとしても部品を傷める恐れがあります。

ホースが外れているか損傷している

ウォッシャー液が出ないとき、ホースの外れや損傷が原因になっているケースがあります。

ウォッシャー液は、タンクからポンプを通じてホースでノズルへと送られます。

しかし、ホースが何らかの拍子に抜けていたり、経年劣化や熱によってひび割れていたりすると、液が途中で漏れてしまいノズルまで届きません。

特にエンジンルーム内は高温になるため、樹脂製のホースが柔らかくなって抜けやすくなることもあります。

液が出ないのにタンク内の液が減っている場合は、ホースの接続部や途中の配管を目視で確認してください。

ウォッシャー液が漏れている痕跡や、液だまりが見つかる可能性があります。

モーターやポンプの不具合

ウォッシャー液が出ない原因として、モーターやポンプの不具合が考えられます。

ウォッシャー液は電動ポンプによってノズルへ送られますが、このポンプを駆動するモーターが故障していると、液がまったく噴射されません。

スイッチを押しても「ウィーン」という作動音がしない場合は、モーターに電気が届いていない恐れがあります。

一方で、作動音がしていても液が出ない場合は、ポンプ内部の摩耗や劣化によって圧力が不足しているケースもあります。

これらの不具合は外見から判断しにくく、電気系統の診断が必要になるため、専門の整備工場で点検してもらうのが確実です。

ヒューズが切れているなど配線系統の不具合

ヒューズが切れているなど配線系統に不具合が起きると、ポンプに電気が供給されないためウォッシャー液は出ません。

ヒューズは過電流から部品を守るための安全装置で、経年劣化や一時的な電気トラブルで切れることがあります。

また、配線が断線していたり、接続部が緩んでいたりすると、スイッチを押してもポンプが反応しなくなります。

こうした配線トラブルは外から見えにくく、見た目に異常がなくても内部で電気が流れていない場合があります。

ガソリンスタンドや自分でできるウォッシャー液がでないときの対処法

ガソリンスタンドや自分でできるウォッシャー液がでないときの対処法

ウォッシャー液の残量が少なかったり、ウォッシャーノズルが詰まっていたりする場合、ガソリンスタンドや自分でできます。

こちらでは次の3つのケースの対処法について、解説していきます。

  • ウォッシャー液の残量が少ない
  • ウォッシャーノズルの詰まり
  • ウォッシャー液の凍結

ウォッシャー液の残量が少ない

ウォッシャー液の残量が少ない場合は、ガソリンスタンドで補充するか、ウォッシャー液を購入してご自身で補充してください。

ガソリンスタンドなら200〜500円ほどで補充できます(お店によっては無料の場合もある)。

また、安いものなら2リットル500円〜600円ほどで購入でき、自分で補充することが可能です。

ウォッシャー液は、長期間の放置でも劣化することはありません。購入してあらかじめストックしておくと、いざというときに安心です。

自分でウォッシャー液を補充する際の注意点としては、油膜除去タイプと撥水タイプなど、性質の異なる物同士は混ぜないようにしてください。成分が変化する恐れがあります。

ウォッシャーノズルの詰まり

ウォッシャーノズルが詰まっている場合は、ノズル専用のクリーナーで詰まりを綺麗にしてください。クリーナーは、1,000円前後で購入することができます。

ちなみに安全ピンや歯ブラシなどを使って、ノズルに詰まった汚れなどを取り除くこともできますが、現状を悪化させてしまうリスクがあります。

ウォッシャー液の凍結

ウォッシャー液が凍結したら、気温が上がるまで待つか、凍結防止成分を含んだ専用のウォッシャー液を使用してください。

特に冬場は、寒冷地対応のウォッシャー液を使って、凍結を予防するのがおすすめです。

専門店やネット通販で500円〜1,000円で購入できるほか、ガソリンスタンドで寒冷地対応のウォッシャー液を補充できます。

ウォッシャー液が出ないときの修理費用

ウォッシャー液が出ないときの修理費用

ホースの交換が必要だったり、モーターやポンプ、ヒューズの修理が必要な場合は、ディーラーや整備工場に相談しましょう。

修理費用やホースの交換費用は、次の表を参考にしてください。

トラブル・故障の箇所修理・交換費用
ホース12,000円~15,000円
モーター5,000円〜10,000円
ポンプ15,000円前後
ヒューズ1,000円〜3,000円
チェックバルブ1,000円~2,000円

※修理費用はあくまで目安の金額です。ディーラーや整備工場など、お店によって異なります

これらのトラブルや故障は、一般のドライバーが対処するのは難しいです。ディーラーや整備工場に相談して、点検してもらってください。

ウォッシャー液が出ないと車検に通らない可能性がある

ウォッシャー液が出ない状態のままでは、車検に通らない可能性があります。

車検では、フロントガラスの視界確保が重要なチェック項目のひとつとされています。そのため、ウォッシャー機能が正常に作動するかどうかも確認するのが一般的です。

たとえワイパーが正常に動いていても、ウォッシャー液が噴射されないと「視界確保装置の不備」と判断され、不合格となることがあります。

特に冬場や長期間使用していない車両では、液の凍結やポンプの不具合、ノズルの詰まりなどで噴射できないケースがあるため、危険だと判断されるかもしれません。

車検前には必ず作動確認を行い、必要に応じて補充や点検をしておくことが大切です。

ウォッシャー液の代わりに水道水や食器用洗剤は使える?

ウォッシャー液の代わりに水道水や食器用洗剤は使える?

応急処置として、ウォッシャー液の代用アイテムで、水道水や食器用洗剤は使えるのか疑問を持っている人もいると思います。

結論から言えば、水道水で代用できますがおすすめできませんし、食器用洗剤の使用はNGです。こちらでは、それぞれの理由について詳しく解説していきます。

水道水で代用できるがおすすめしない

車のウォッシャー液に水道水を使うことは可能ですが、基本的にはおすすめできません。

水道水は凍結防止成分や洗浄成分が含まれていないため、冬場には凍ってしまい、ホースやノズルを破損させる恐れがあります。

また、水垢やカルキが付着しやすく、ノズルの詰まりや視界不良の原因にもなります。応急処置程度であれば許容範囲ですが、できるだけ使用しないのが賢明です。

食器用洗剤の使用はNG

車のウォッシャー液に、食器用洗剤を代用するのは避けるべきです。

食器用洗剤は泡立ちが強く、フロントガラスに残った泡が視界を妨げるだけでなく、ワイパーの動作にも悪影響を及ぼす可能性があります。

また、洗剤に含まれる成分が車の塗装やゴム部品にダメージを与えることもあり、長期的には劣化や故障の原因になります。

車のウォッシャー液が出ない原因と対処法についてのまとめ

  • ウォッシャー液が出ないときは、残量やノズルの詰まり、ウォッシャー液の凍結を確認する
  • モーターやヒューズなど電気系統に異常がある際は、ディーラーや整備工場に相談する
  • ウォッシャー液に不備があると、車検に通らない可能性がある

車のウォッシャーは、フロントガラスの視界を確保するための重要な装置であり、車検でもチェックされる項目です。

正常に噴射されないと「視界不良」と判断され、車検に通らない可能性があります。

今回紹介した原因や対処法を参考に、ウォッシャー液が出ない際は迅速に対処するようにしましょう。

この記事の監修者

GlassD吹浦先生

DUKS  府中店 営業事務

吹浦 翔太

業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。

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