車のオイル漏れとは?原因・応急処置・対処法を解説

オイル漏れを起こしている可能性があると感じても「どうやって確認すれば良いのか分からない」という人がほとんどだと思います。
また、仮に確認できたとしても、どう対処して良いのかパニックになってしまいますよね。実は、オイル漏れにはしっかりとした確認方法と応急処置があります。
今回はオイル漏れの原因など、それぞれ項目を分けて詳しく解説していきます。
オイル漏れとは
車の「オイル漏れ」とは、主にエンジンオイルが漏れている状態のことを指します。エンジンオイルは特に漏れを起こしやすいオイルとも言われています。
エンジンオイルは、エンジンを動かす上で重要な潤滑油です。
オイル漏れを起こしてエンジン内部の潤滑油が不足すると、エンジンがオーバーヒートを起こして、車が動かなくなるリスクがあります。
最悪の場合、引火して火災の原因にもなるので、オイル漏れを起こした場合は早急に対処しなければなりません。
オイル漏れで起こる症状と原因
オイル漏れには「内部漏れ」と「外部漏れ」の2種類の症状があり、原因としては主にパーツの劣化や損傷が挙げられます。
内部漏れ(オイル上がり)
内部漏れとは「オイル上がり」とも言い、燃焼室へオイルが入り込んでしまう現象です。
内部漏れの主な原因としては、以下の2点が挙げられます。
- ピストンリングの劣化
- シリンダーの摩耗や損傷
放置すれば、マフラーから白く濁った煙が上がったり、エンジンがかかりづらくなったりする可能性があります。
外部漏れ(オイル下がり)
外部漏れとは「オイル下がり」とも言います。駐車している際、車の下にオイルが漏れ出し、水たまりのような状態になっていたら外部漏れです。
外部漏れの主な原因としては、以下の3点が挙げられます。
- バルブガイドの摩耗
- バルブステムシールの劣化
この状態を放置するとエンジンが焼き付いてしまい、最悪の場合はエンジン全体を取り換えなければいけません。
また、漏れたオイルが高温のマフラーに付着すると、引火する危険性があります。
エンジンオイルやゴムパーツの劣化
前述で内部漏れ・外部漏れの症状や原因について紹介しましたが、エンジンオイルの劣化もオイル漏れに繋がります。
エンジンオイルの新しい状態は透明度が高いですが、経年劣化で黒くなり漏れやすくなるのです。
また「エンジンオイルキャップ」や「ヘッドカバーパッキン」といった、ゴムパーツが劣化するとオイル漏れが起こりやすくなります。
これらは、オイル漏れを起こさないための重要なパーツなので、車検の時期などに定期的な交換が必要です。
事故などによる損傷
過去に車両事故を起こした場合は、オイル漏れの原因になることがあります。特にエンジンを循環させるために重要なオイルパンが損傷すると、オイル漏れが起こりやすくなるのです。
オイルパンは車の低い位置にあるので、走行中など車の下回りに障害物をぶつけてしまうと、オイルパンが損傷する可能性があります。
オイル漏れの確認方法
前述で触れましたが、マフラーが白い煙が上がったり、車の下から「ピチャピチャ」という音が聞こえたりしたら、オイル漏れを疑いましょう。
確認方法は以下の通りです。
車体下を確認する
外部漏れは、車の下にオイルが漏れ出す場合がほとんどです。まずは車体下を確認しましょう。
駐車した場所から少し車を移動させて、地面にシミがあるか確認してください。
シミがあればオイル漏れです。そして広範囲に広がっていた場合は、かなりの量が漏れているのですぐに対処する必要があります。
オイルランプを確認する
内部漏れも含めたオイル漏れの疑いがある場合は、オイルランプ(油圧警告灯)を確認してみましょう。

このランプが点灯していると、エンジンオイルにトラブルが発生していることを指し、オイル漏れの可能性が高いです。
オイルゲージを確認する
オイルゲージとは、オイルタンク内のオイルの量を確認する目盛りです。以下の方法でオイルゲージを確認してください。
- ボンネットを開けて、エンジンルーム内のオイルレベルゲージを見つける。
- オイルレベルゲージを引き抜いて、付着しているオイルを雑巾等で拭き取る。
- キレイに拭き取ったら、元の位置に差し込んでもう一度引き抜く。
- オイルの量をチェックする。
オイルレベルゲージの目盛りの上限と下限の間に、オイルが付いているラインがあれば問題ありません。
オイルゲージを確認する際は、必ずエンジンが冷えている状態で作業してください。エンジンを動かした後は、エンジンルームが熱くなっているので火傷の危険性があります。
オイル漏れの対処法と応急処置
オイル漏れは最悪の場合、車が動かなくなったり火災の原因になったりします。もしもオイル漏れを確認した場合は、以下の方法で対処してください。
ディーラーや整備工場へ持ち込む
近くにディーラーや整備工場がある場合は、すぐに修理を依頼してください。持ち込みが早ければ早いほど、修理費用を安く抑えられる場合があります。
持ち込みが遅くなると数十万円の修理費用になることもあります。オイル漏れを発見したら、すぐに専門店に相談しましょう。
ロードサービスに連絡する
もしも出先や高速道路でオイル漏れを発見した場合は、ロードサービスに連絡するのが適切です。
まずは、加入している保険会社に連絡しましょう。会社にもよりますが、ロードサービスがオイル漏れのトラブルに対応している場合があります。その場合はロードサービスを使い安全に車をディーラーや整備工場へ運びましょう。
保険会社がオイル漏れに対処していない場合は、JAFに連絡してください。
漏れ止め剤を使う
ここからは、あくまで応急処置になります。
漏れ止め剤とは、エンジンオイルと混ぜて使うアイテムです。オイル漏れの原因となるゴムパーツの劣化を回復することができるので、一時的にオイル漏れを止めることができます。
オイルを継ぎ足す
ディーラーや整備工場に持ち込むまでのわずかな時間であれば、エンジンオイルを継ぎ足すことで、安定して車を走行させることができます。
ただし修理ではなく、あくまで一時的に車を走行させるための場当たり的な手段です。オイルを継ぎ足ししたら、すぐに修理先に向かいましょう。
オイル漏れの修理費用
オイル漏れの修理費用は、パーツの劣化具合によって変化します。
ボルトの締め直しは数千円
ボルトの緩みが原因で、オイル漏れが起こっている場合は数千円程度の費用で済みます。ボルトを締め直すだけの工賃なので、費用が高くなることはありません。
また、ワッシャーの交換などが加わっても2千円程度で済みます。
簡単なパーツ交換は1万〜3万円前後
簡単なパーツの交換であれば、高くても3万円以内で費用を抑えることができます。
- オイルシールの交換…1万~2万円
- オイルパンの交換…2万~3万円
具体例を挙げると、以上の費用が相場になります。その他、オイル関連のパーツ交換であれば1万~2万円程度で済むでしょう。
エンジンの組み直しは20万〜100万円
シリンダーやピストンリングが劣化・破損・摩耗して内部漏れを起こしている場合、エンジンの組み直しをしなければいけません。
これは、エンジン全体の修理となるので、20万~100万円の費用がかかります。
車検切れや走行距離が長い場合は、思い切って買い替えができます。しかし、気に入っている愛車であれば、高価な修理費用が必要になるのです。
放置のリスク
オイル漏れを放置すると、様々なリスクがあります。
- エンジンが焼き付く
- 車検に通らない
- 修理費用が高くなる
ここでは、放置した場合のリスクについて、詳しく解説していきます。
エンジンが焼き付く
エンジンオイルが漏れると、エンジンが焼き付きを起こしてしまいます。エンジンの性能を発揮するためには、一定量のエンジンオイルが不可欠です。
エンジン内の環境が悪化すると、燃焼室も機能しなくなります。その状態で走行すると、漏れたオイルがマフラーに付いて火災になる危険性もあります。
最終的にはエンジンの焼き付きが原因で、車の走行ができなくなってしまうので注意してください。
車検に通らない
車検時にオイル漏れが確認された場合、車検に通すことはできません。これはオイル漏れで走行することが道路交通法違反にあたるためです。
軽度であっても重度であっても変わりません。車検前にオイル漏れを確認した場合は、一度 修理に出してから車検を通すようにしましょう。
修理費用が高額になる
オイル漏れを放置すると、ピストンリングやシリンダーの劣化や損傷に繋がります。
費用に関しては前述で紹介した通り、軽度であれば数千円や数万円の費用で済むでしょう。
しかし、放置した挙句 エンジンの組み直しが必要となれば、20万~100万円の費用がかかります。
オイル漏れを発見した場合は、すぐに専門店へ修理を依頼してください。
最後に
車のオイル漏れには「内部漏れ」「外部漏れ」の症状があります。定期的にメンテナンスすれば、オイル漏れを防ぐことはできるので、車検の時期など徹底的に確認しましょう。
もしもオイル漏れを見つけた場合は、すぐに修理に出してください。
放置すると修理費用が高くなったり、エンジンが焼き付いて車が動かなくなったりするので、迅速な対応が肝心です。
この記事の監修者
DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。