ラジエーターの冷却水が漏れたらどうする?応急処置や修理費用を解説
エンジンを安定して動かすためには、ラジエーターと冷却水が欠かせません。
ラジエーターはエンジンから発生した熱を外気に放出し、冷却水はエンジン内部の熱を吸収してラジエーターに運ぶ役割があります。
そのため、冷却水が漏れるとラジエーターも上手く稼働せず、エンジンの温度上昇を抑えることができません。
冷却水が漏れるのを放置すると、車のエンジンがオーバーヒートを起こす可能性があり危険です。
この記事では、ラジエーターから冷却水が漏れる原因をはじめ、応急処置の方法や修理費用について解説していきます。
目次
ラジエーターから冷却水が漏れる原因
ラジエーターから冷却水が漏れる原因は、以下の4つが考えられます。
- ラジエーター本体の破損、故障
- ホース類の劣化、取り付け部分の緩み
- ラジエーターキャップの劣化、緩み
- ウォーターポンプの寿命、故障
ラジエーター本体の破損、故障
ラジエーター本体が破損したり故障したりすると、冷却水漏れが起こります。
ラジエーターは車の下面に付いており、車の運転中に路上の石が跳ね上がって当たったり、障害物を乗り越えようとしてぶつけてしまうと、ラジエーターに穴が空いて冷却水が漏れることがあります。
ラジエーターは、基本的に放熱性に優れたアルミや真鍮で作られており、これらの金属は薄く加工されています。
そのため強度がそれほど高いわけではなく、物が勢いよくラジエーターにぶつかることで穴が空き、冷却水が漏れてしまいます。
ホース類の劣化、取り付け部分の緩み
ラジエーターとエンジンはゴム製のホースで繋がっていて、ホースが劣化してヒビができたり穴が空いたりすると、冷却水が漏れてきます。
また、ラジエーターホースやヒーターホースの取り付け部分は、金属製のバンドで締め付けられています。この取り付け部分が緩むことで、冷却水が漏れてくるのです。
ゴム製のホースは時間が経つと硬化するため、経年劣化でヒビができやすくなって、そこから穴が空くこともあります。
ラジエーターキャップの劣化、緩み
ラジエーターキャップが劣化したり緩んでいたりすると、冷却水が漏れてきます。ラジエーターキャップは、ラジエーター内の圧力を調節する部品です。
冷却水の漏れ、冷却水が沸騰して減少するのを防ぐ役割があります。そのため、ラジエーターキャップが劣化したり、緩んでいたりすると密閉ができないため、冷却水が漏れてきます。
ウォーターポンプの寿命、故障
ウォーターポンプとは、冷却水をエンジン内部に循環させる部品です。
一般的には走行距離10万km、もしくは10年ほどで寿命だと言われています。寿命を迎えたウォーターポンプは、回転部にガタが来て冷却水漏れを起こすことがあります。
また、ウォーターポンプはエンジンに直接取り付けられています。取り付け面にはガスケットというパッキンが使用されており、ここが劣化するとヒビ割れを起こして、冷却水が漏れ出すことがあります。
ラジエーターから冷却水が漏れたまま走行するには危険
ラジエーターから冷却水が漏れると、エンジンを冷やすことができません。そのため、ラジエーターから冷却水が漏れたまま走行すると、エンジンがオーバーヒートを起こす可能性があります。
オーバーヒートを放置して車を運転し続けると、エンジンが焼き付いてしまう危険性が高いです。エンジンを乗せ換えるか、最悪の場合には廃車になることもあります。
冷却水の漏れを確認する方法
ラジエーターから冷却水が漏れているかどうかは、水温計で確認することができます。
「冷却水を補充したばかりなのに、水温計の針がHマーク手前の目盛り付近にある。」
「水温計の針が、急激にHマークに向かっている。」
こういったときは冷却水が漏れているかどうか、確認する必要があります。冷却水が漏れている可能性がある場合は、リザーバータンク内の水量をチェックしてください。水位が「LOW」「 MIN」に近いと、冷却水が漏れているかもしれません。
車の運転中に冷却水の漏れを確認するのであれば、エンジンを停止してからしばらく時間を置いてください。
運転を停止してから冷却水を確認しようとしても、ボンネットの中は熱いです。火傷する危険性があるため、エンジンが冷めてから確認してください。
冷却水が漏れている場合の対処法、応急処置
冷却水が漏れているのであれば、すぐにでもディーラーや整備工場などに修理をお願いしてください。
ただし修理に出すまで、なかなか時間をとれない人もいると思います。その場合は応急処置をしてから、できるだけ早く修理に出すようにしましょう。
冷却水の漏れが少量であれば、市販の水漏れ補修剤や防止剤で応急処置ができます。水漏れ補修剤や防止剤をラジエーターに注入することで、一時的に水漏れを止めることが可能です。
水漏れ補修剤や防止剤応急処置をしても、冷却水の減少が早い場合は、こまめに冷却水を継ぎ足してオーバーヒートを防いでください。
冷却水漏れの修理費用
冷却水を交換費用するだけでしたら、冷却水の購入費用と工賃を合わせて、2,000〜5,000円程度の費用で済みます。
ただしラジエーター本体を修理したり、ホースやウォーターポンプなどの部品交換が必要になったりする場合、料金はもっと高額になります。
故障箇所と、パーツの修理・交換費用は以下が相場です。
故障箇所 | 費用 |
---|---|
ラジエーター本体 | 50,000~100,000円 |
ホース類 | 10,000~30,000円 |
ウォーターポンプ | 10,000~30,000円 |
ガスケット | 40,000~100,000円 |
※料金はあくまで目安です。
※事前に見積もりをとって、必ず料金やサービス内容を比較してください。
冷却水の漏れについてのまとめ
- ラジエーターから冷却水が漏れるのは、ラジエーター本体の故障か、周辺パーツの劣化や寿命
- ラジエーターから冷却水が漏れたまま走行すると、オーバーヒートを起こす危険性がある
- 冷却水が漏れている場合は、早めにディーラーや整備工場などへ修理に出す
冷却水は、エンジンの温度上昇を抑えるための大切なパーツです。冷却水が漏れていたら運転は控えて、できるだけ早く修理に出すようにしてください。
この記事の監修者
DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。