バイパスとは?国道や高速道路との違いや事故が起きやすい原因を解説

雑学

何となく知っているけど「バイパスとは何か?」と聞かれて、しっかりと説明できない人もいるでしょう。

バイパスの目的は、ズバリ「混雑緩和」や「事故の回避」です。

ドライバーが渋滞や事故に巻き込まれないために存在しますが、走行する際には注意点があります。

バイパスは高速道路と違い、基本的に無料で走行できますが、有料の区間も一部存在します。

今回は、走行する際の注意点も踏まえて、バイパスについて解説します。

バイパスとは

バイパスについてですが、道路以外にも「バイパス手術」といった医療用語として使われることがあります。

こちらではバイパスの語源から、交通社会におけるバイパスの目的について解説します。

バイパスの語源

英単語の「bypass(バイパス)」は「迂回する」という意味です。

医療においては、血管に閉塞部が生じたとき、手術によって人工血管や本人の静脈を用いて側副血行路を作ることを「バイパス手術」と言います。

また、ガスや水道の側管や補助管、電気回路の分路や側路に問題が発生したときに回避する意味で、「バイパス」と用いることもあるのです。

現在では「バイパス」と辞書で引くと、「交通中心地の混雑緩和のために、迂回(うかい)して周辺地などを通らせる道路」という意味が出てきます。

交通社会におけるバイパスは、特定の道路での混雑緩和の「抜け道的な存在」です。

バイパスの目的

交通社会においてバイパスの目的は、「抜け道的な存在」です。混雑した道路や複雑な道を避けて、ドライバーが快適に運転するためにあります。

バイパスに関する定義は、国土交通省のホームページにて以下のように記載されています。

バイパスとは、ある地域を迂回させて通過交通がその地域を通らないようにするための道路のことで、多くの場合、その地域に出発地または目的地をもつ地域間交通を円滑に分散し、または導入する役割も果たすものです。

〔出典:第3版 道路用語辞典 (社)日本道路協会)〕

交通量の多い市街地にバイパスを設置することで、道路の混雑を緩和するのが狙いです。

また、山間部の場合は複雑な道が多いため、ドライバーが複雑な道を回避して、事故を防ぐ目的があります。

バイパスの特徴

バイパスは道路の混雑を避ける目的があるので、旧来の道と比較した場合の特徴は以下の通りです。

【バイパスの特徴】

・道幅が広い

・車線が多い

・信号が少ない

ちなみにバイパスは「自動車専用道路」となっている場合が多く、この道路では自動車以外の車両は走行できません。

バイパスがある場所

バイパスは、特定の場所での交通量の増加を避けるため、以下のような場所に設けられています。

  • 都市部:市街地などで交通量の増加を避けるために作られたバイパス
  • 山間部:峠道など複雑な道を避けるために作られたバイパス

都市部

市街地は、どうしても交通量が増加して渋滞が起きやすいので、混雑を緩和するためにバイパスが設けられています。

渋滞すると、事故の増加やアイドリングによる騒音、大量の排気ガスによる大気汚染に繋がるので、それらを避けるためのバイパスです。

山間部

山間部のバイパスは、長いトンネルを掘削することにより、複雑なルートを回避できます。

峠道などは道幅が狭かったり、急カーブがあったりと事故が起きやすいため、それを避ける目的で作られています。

バイパスと国道の違い

バイパスと国道の違いですが、明確に分けられていることありません。迂回路の役割を果たしていれば、一般国道でもバイパスと呼ぶことがあります。

たとえば横浜市戸塚区影取町〜藤沢市羽鳥を結ぶ、国道1号線の名称は「藤沢バイパス」です。

ただし、バイパスとして機能する道路を、全て「バイパス」とい呼ぶわけではありません。

たとえば、横浜市戸塚区上矢部町〜神奈川区立町を結ぶバイパス(国道1号線)は、「横浜新道」と呼ばれています。

国道とバイパスの意味合いは、具体的には以下の通りです。

国道国が建設し、管理している道路のことです。
国道には「高速道路」と「一般国道」があり、通称で「国道」と言われるのは「一般国道」を指します。
正式名称は「国道〇〇号」ですが、一般的に「国道〇〇号線」と呼ばれています。
バイパスバイパスは「迂回路」のことです。
道幅が広く車線が多いなどの特徴があり、一般国道がバイパスの役割を兼ねていることがあります。

バイパスと高速道路の違い

バイパスと高速道路では、主に以下の違いがあります。

【バイパスと高速道路の違い】

・最高速度(法定速度)

・信号機や交差点の有無

・休憩施設の有無

バイパスと高速道路では、最高速度(法定速度)が異なります。また、バイパスには少ないながらも信号機・交差点がありますが、高速道路には一切存在しません。

そして、高速道路にはパーキングエリアが15kmごとに、サービスエリアが50kmごとの距離で設けられていますが、バイパスにはそのような休憩施設は存在しないです。

高速道路の定義については、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。

バイパスを原付で走行できるのか?

バイパスは「自動車専用道路」となっているところが多いため、基本的に車以外は走行することができないと思ってください。

【自動車専用道路で走行禁止な車両】

・ミニカー(総排気量50ccで三輪以上の自動車)

・小型二輪車

・総排気量125cc以下の普通自動二輪車

・原動機付自転車

【自動車専用道路の標識】

出典:こんな道路標識知っていますか? (mlit.go.jp)

ただし、自動車専用道路でない場合は走行できるため、原付で走行する場合はそのバイパスが自動車専用道路ではないかを、あらかじめ確認する必要があります。

バイパスの最高速度(法定速度)

バイパスの最高速度(法定速度)は、一般道路と同じ扱いになります。道路標識がない場合は時速60kmです(高速道路は時速100km)。

ただし、以下の区間は最高速度が時速80kmになります。

【最高時速80kmの区間】

・国道119号「宇都宮北道路」の一部区間(宇都宮環状道路と宇都宮IC(東北道/日光宇都宮道路を結ぶ区間)

・国道408号バイパス「鬼怒テクノ通り」の一部区間(真岡市と宇都宮市を南北に結ぶ区間)

・横浜市の国道16号「保土ヶ谷バイパス」

また、この他にも全国には最高速度が時速70kmの区間がいくつか存在します。

高速道路は、一部区間において最高速度の引き上げが行われており、バイパスでも最高速度が引き上げられる区間が、今後増える可能性は充分あるでしょう。

「バイパスは事故が起きやすい」って本当?

バイパスで事故が起きやすい、と考えられる原因は主に以下の2つです。

【2つの原因】

・道路が広くて信号が少ないためスピードを出し過ぎてしまう

・広いバイパスを優先道路と勘違いして無謀な運転をする

次項でも解説しますが、バイパスではスピードを出し過ぎる傾向にあります。中には、法定速度を無視した速度で走行する車もいるでしょう。

速度超過は事故のリスクを上げますし、広いバイパスを優先道路と勘違いして無謀な運転をするドライバーもいます。

事故が起きやすい原因になるので、注意して走行してください。

バイパスを走行する際の注意点

バイパスを走行する際は、以下のことに注意してください。

  • スピードの出し過ぎ
  • 渋滞に巻き込まれる場合がある
  • 一般道路と見分けにくい
  • 一部のバイパスは有料

スピードの出し過ぎ

バイパスは信号機や交差点が少なく、道幅も広いためについついスピードを出してしまいます。

気が付いたら超過速度になっており、スピードの出し過ぎで事故に繋がるケースがあるので注意が必要です。

必ず最高速度(法定速度)を守って、運転をするようにしてください。

渋滞に巻き込まれる場合がある

バイパスができると、飲食店・自動車ディーラーなどの商業施設が、バイパス沿いにオープンします。

活気のある道路になる一方で、時間帯によっては交通量が増えて、道路が混雑する場合があります。

市街地の渋滞を避けるための道路なのに、却って渋滞に巻き込まれることも珍しくありません。

混雑しそうな時間帯は、むしろ別の道を利用した方が渋滞を避けられます。

一般道路と見分けにくい

バイパスを走っているつもりが、知らない間に一般道路を走っているケースは珍しくありません。

バイパスの最高速度で走行していたら、一般道路に入っていてスピード違反になってしまうケースがあります。

バイパスの入り口や出口近辺には「ここから一般道です」のような標識が立っている場合が多いです。

制限速度の標識と合わせて、見落とさないように注意してください。

また、インターチェンジ式になっている場合は、車の合流が難しい場合があるので、落ち着いて運転しましょう。

一部のバイパスは有料

基本的にバイパスは無料ですが、一部区間では有料の場合があります。

「無料だと思って利用しようとしたけど、直前で有料だと気付いて引き返せなくなった。」というケースもあります。

長時間のドライブの場合、有料のバイパスがどこにあるかなど、事前に確認しておきましょう。

また、道路によってはETCの利用ができず、現金でしか対応していない場合もあるので、注意してください。

バイパスよりも旧道の方が早いケースもある

前述でも解説しましたが、バイパスで渋滞に巻き込まれる可能性はあります。

これは、バイパスに新しいお店ができるほか、走りやすい道路のため、ついつい多くのドライバーがバイパスを利用するためです。

市街地の場合ですと、時間帯によっては旧道を使った方が、早く目的地に到着するケースがあるでしょう。

また、山間部の長いトンネルの近くには、あまり使用されていない道も存在します。

錆びれて危険な道もあるので一概には言えませんが、迂回路として使えるならそちらの道を走行してみるのも良いでしょう。

バイパスについてのまとめ

  • 交通社会におけるバイパスは、特定の道路での混雑緩和の「抜け道的な存在」
  • 一般国道のなかには、バイパスとしての役割を果たしている道路もある
  • 道路が広く信号のないバイパスではスピードを出しやすいため、事故に気を付ける

基本的にバイパスは一般道路と同じ扱いです。

ただし、ほとんどのバイパスは、歩行者や原付などは通れず道幅も広いため、スピードの出し過ぎには注意してください。


この記事の監修者

GlassD吹浦先生

DUKS  府中店 営業事務

吹浦 翔太

業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。

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