フロントガラスが凍結した場合の対処法!NGな解凍方法も解説
厳しく冷え込んだ早朝、車で出かけようとしたらフロントガラスが凍結していた、という経験が多くなります。フロントガラスの凍結は氷点下に到達する地域に限らず、全国各地で起こる現象です。
この記事では、フロントガラスが凍ってしまったときの対処法や防止策、フロントガラスが凍結する原因、NGな解凍方法を解説していきます。
目次
フロントガラスが凍結したらデフロスターを使うのがおすすめ
フロントガラスが凍結したら、エンジンを始動させてデフロスター(エアコン)で解凍するのがおすすめです。こちらでは、デフロスターを使ったフロントガラスの凍結を解消する方法について解説していきます。
デフロスターの基本的な解凍方法
デフロスターといえば、除湿する機能と思う人もいると思います。実は外気導入を使うことで、エンジンの熱の暖かい空気が出てフロントガラスの凍結を解消できます。
エアコンをオンにして、デフロスターを送風口から温風を送り、車内の曇りを取り除きます。手順としては以下の通りです。
デフロスターを稼働させると、車内の空気を循環させることができるうえ、フロントガラスの凍結も解決できて車内も温められます。
デフロスターについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
デフロスターを使いながら解凍時間を短縮する方法
デフロスターを使ってフロントガラスの凍結を溶かすには、10分ほど待たなければいけないケースがあります。
出勤などで朝は急いでいる場合が多いので、もう少し時間を短縮したい人もいると思います。
そんなときは、以下の2つの方法で時間を短縮してください。
- エンジンスターターを使う
- ぬるま湯を使用する
エンジンスターターとは、エンジンのON/OFFを遠隔で操作するリモコンスイッチです。車に乗る前に、家にいながらあらかじめ車内に暖房を効かせることができます。
暖房を効かせることでフロントガラスの解凍にもつながり、乗車したときには車内が暖かくなっているので一石二鳥です。
エンジンスターター以外でしたら、デフロスターを稼働させながら、30℃程度のぬるま湯(お風呂の残り湯)を使うと、解凍時間を短縮することができます。
再凍結防止のため、ワイパーを動かしながら行うのがおすすめです。また、熱湯を使うとフロントガラスが割れる危険性があるため、必ずぬるま湯を使用してください。
デフロスター以外でフロントガラスの凍結を解消する方法
デフロスター以外で、フロントガラスの凍結を解消する方法は以下の3つです。
- 解氷スプレーを使用する
- フロントガラスをアルコールで拭く
- アイススクレーパーを使用する
それぞれの対処方法を詳しく見ていきましょう。
解氷スプレーを使う
解氷スプレーは、ホームセンターやカーショップ、オンラインショップなどで購入できるガラス凍結対処用スプレーです。
値段も1,000円前後と比較的手に入れやすい価格帯です。銘柄によって噴射力・解氷力・香りなどに違いがあるので、実際に確かめて購入することをおすすめします。
ガラスに撥水加工、またはコーティング加工を施していると、スプレー(解氷のための薬品)の成分によって撥水力が損なわれる可能性があります。
不安であれば、ホームセンターもしくはカーショップの店員さんに相談してみてください。
フロントガラスをアルコールで拭く
家庭用のアルコールスプレーが普及しているなか、手の消毒に使うエタノールなど、アルコールをフロントガラスに拭きかけて解凍する方法があります。
解氷スプレーの主成分は、消毒用アルコールと同じ成分です。そのため、消毒用アルコールから解氷スプレーを自作することができます。
消毒用アルコールを使用した、解氷スプレーの作り方は以下の通りです。
・消毒用アルコール:2
・水:1
以上の割合で混ぜた液体を、フロントガラスの凍結に吹きかければ簡単に溶かすことができます。
アルコールを使ったフロントガラスの凍結を解消する方法は、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
アイススクレーパーを使う
アイススクレーパーとは、凍結したガラスの表面に付着している雪や氷、霜などを削り取るヘラのようなものです。「アイスカッター」とも呼ばれています。
アイススクレーパーを使う場合、単体で使用するとかなり時間がかかってしまうのでエアコンや解氷剤と併用するようにしてください。
また、中には金属製のスクレーパーも販売されていますが、ガラスを傷つけてしまう恐れがあるため、できるだけプラスチック製やゴム製のものを使うようにしましょう。
フロントガラスが凍る温度や条件
フロントガラスが凍る気温は「4℃以下」です。気温が4℃以下、物体の表面が0℃以下になると霜がおります。フロントガラスに降りた霜は、「放射冷却」と呼ばれる現象により凍結します。
空気中の水蒸気が夜間に冷えた地面や物体に触れて、その表面に結晶したものです。
日中に温められた地面の熱が、夜間に宇宙へ放出されるとともに気温が低下する現象です。夜になると昼間のうちに溜まった熱が地面から放射されるため、地面の温度が下がっていき、それに伴って地表に近い空気も急激に冷やされます。
つまり空気中の水蒸気が、放射冷却によって冷えたフロントガラスに付着することで、フロントガラスが凍結します。
フロントガラスの凍結を防止する方法
フロントガラスの凍結を防止するには、以下の方法がおすすめです。
- 凍結防止シートを使う
- 毛布や厚みのあるタオルをかけておく
- プチプチを使う
- なるべく屋根がある場所へ駐車する
- 冬場はワイパーを立てておく
- ガラスに撥水処理を行う
- 油膜を除去しておく
フロントガラスの凍結が頻繁に起こる場合は、専用の凍結防止シートを購入するのがおすすめです。もしくは、毛布や厚みのあるタオルをかけておくか、プチプチを使うようにしてください。
凍結防止シートや毛布、プチプチを前日の夜にフロントガラスにかけておきましょう。そうすれば凍結を防げて、翌日に回収するだけで大丈夫です。
その他の方法を含めて、フロントガラスの凍結を防止する方法は、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
フロントガラスが凍結したときに「やってはいけないこと」
フロントガラスが凍結した際に以下のようなこのような行為は、フロントガラスが割れたりワイパーが劣化したりするので、絶対にやってはいけません。
- 熱湯をかける
- ワイパーを動かす
- 叩いて氷を割る
熱湯をかける行為
凍結したフロントガラスに、熱湯をかけないでください。ガラスが急激に温められ空気の膨張に伴って割れる危険性があるうえ、気温が特に低い地域ではお湯をかけてもすぐに再凍結してしまう可能性があります。
時間が迫っていて、どうしてもお湯をかけて対処しなければならないという状況であれば、以下の手順を試してみてください。
フロントガラスにお湯をかける場合は自己責任・自己判断で行うことになります。基本的にはフロントガラスが割れてしまう危険があるため、おすすめはできません。
ワイパーを動かす行為
ワイパーを動かしてフロントガラスの氷を取ろうとすると、ゴム部分が痛んでしまいます。ゴムが劣化すると雨水や汚れを拭き取る効果が弱まり、車検にも通らないので絶対にやめてください。
また、ワイパーはガラスに接触しているので、一緒に凍結してしまいます。気温が低い日や雪の日は、ワイパーをフロントガラスから離して立てておくのがおすすめです。
叩いて氷を割る行為
氷を叩いて割ろうとすると、フロントガラスまで一緒に割ってしまう危険性があります。ハンマーやカナヅチなど、金属製の道具を使うのは特に危険です。
たとえ小さな傷やヒビだとしても、時間が経過すると大きな傷やヒビになるので、ガラスの修理や交換が必要になります。
フロントガラスが凍結したときの対処法まとめ
- フロントガラスが凍結したら、デフロスターを使うのがおすすめ
- フロントガラスが凍結する原因は、放射冷却によるもの
- 凍結防止のためには、凍結防止シートや毛布をかけておく
フロントガラスが凍結したら、デフロスターを使うのがおすすめです。デフロスターを使いながら30℃程度のぬるま湯をかけると、解凍する時間を短縮することができます。
ただし、解凍するために熱湯を使うのはNGです。熱湯を使うとガラスが急激に温められて、空気の膨張に伴って割れる危険性があります。
この記事の監修者
DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。