車の脱脂にアルコールは使える?脱脂剤以外の方法と効果を解説

メンテナンス

車に付着した汚れは、排気ガスなどの油分で構成されています。車をコーティングする際、油汚れを取り除くための『脱脂作業』が必要です。

脱脂作業をしないと、コーティングをしても膜が塗装面としっかりと結合しないリスクがあります。

「車の脱脂にはエタノールなどのアルコールを使える。」と、聞いたことがある人もいるでしょう。

この記事では、車の脱脂作業からアルコールで脱脂する際の注意点について解説していきます。

車の脱脂作業とは?

脱脂とは、車のボディなどをコーティングする際に、脱脂剤を使って汚れや脂分を取り除く作業のことです。

コーティング剤の成分と、塗装面の脂分は化学反応を起こす可能性があります。

化学反応が起きると、コーティング後に曇るなど見た目に影響が出るため、脱脂作業をしっかりと行わなければいけません。

脱脂剤には、脱脂シャンプーやシリコンオフなどがあります。身の回りにあるものであれば、アルコールの使用もOKです。

カーコーティングの脱脂の手順

コーティング前に、脱脂をする手順は以下の通りです。

【脱脂の手順】

  1. 洗車をする
  2. 脱脂剤をクロスに含ませて拭く
  3. 仕上げに清潔なクロスで拭く

まず、油脂や小さなゴミを落とすため、脱脂作業を行う前に洗車します。カーシャンプーで十分に泡立ててから、綺麗に汚れを落としてください。

洗車後は脱脂剤を含んだクロスで、コーティングする箇所を万遍なく拭いていきましょう。

成分で脱脂するため、あまり力強く拭かないようにしてください。それよりも、磨き残しなどのムラが出ないよう、均等的に拭くことを心掛けましょう。

脱脂作業後は、余分な水分を残さないために、清潔なクロスで乾拭きするようにしてください。水分が残っていると、コーティングの硬化が上手くいかず、シミや色ムラの原因となります。

特に夏場は水分がすぐに蒸発して水垢の原因になるので、クロスで素早く拭くようにしましょう。

車の脱脂剤の種類

車の脱脂剤の種類は、主に以下の3つです。

  • 脱脂シャンプー
  • シリコンオフ
  • アルコール(エタノール)

脱脂シャンプー

脱脂シャンプーには、洗車に適した洗剤の成分と、脂分を落とす専用成分の両方があります。

弱アルカリ性・中性のシャンプーがありますが、肌が弱い場合は弱アルカリ性を選んでください。

また、安価なシャンプーの場合は界面活性剤の質が悪く、汚れが落としづらい場合があるので、シャンプー選びには注意しましょう。

シリコンオフ

シリコンオフには、油脂汚れを落とす有機物が含まれており、簡単にボディ表面の油分を除去することができます。

コーティング前の下地処理はもちろん、ペイント補修やステッカーなどを貼る前の脱脂などに使うことも可能です。

アルコール(エタノール)

アルコールで、ボディに付着した油分を落とすことができます。

脱脂シャンプーやシリコンオフと比べて除去力は落ちますが、皮膚や人体への害が少ない成分が特徴です。

強力な成分で車のボディに負担をかけたくない人や、女性にはおすすめと言えるでしょう。私たちの身の回りにあるもので言えば、手を消毒するエタノールを使用してもかまいません。

脱脂剤の代わりにアルコールを使う場合の注意点

脱脂剤の代わりにアルコールを使う場合は、以下の点に注意してください。

【注意点】

  • 炎天下や塗装表面が熱いときは、シミや色ムラが発生しやすいため使用を避ける。
  • 換気の良い場所で使用する。
  • 火気厳禁(ストーブや焚火の近くなどで使用しない)。
  • 使用後は手をよく洗う。

アルコールを使用する場合は、火の傍は危険です。寒くてもストーブなどは置かないようにしましょう。

また、前述でも触れましたが、脱脂シャンプーやシリコンオフと比べると除去力は落ちます。

しっかりと脱脂したい場合は、脱脂シャンプーかシリコンオフを使用するようにしてください。

凍結したフロントガラスにも効果的

寒い季節の朝方などは、車を運転して出掛けようとした時、フロントガラスが凍っていることが多くなってしまいます。

ぬるま湯をかけて溶かしていくパターンが多いかと思いますが、お湯を作るまでの時間がもったいないので、そんな時こそエタノールを活用しましょう!

用意する物

スプレータイプのエタノール(もし、エタノールがスプレータイプでない場合は、空のスプレーボトルを用意してください)

【方法】

エタノールをフロントガラスに、シュッシュと吹きかけるだけです。たったこれだけの作業で、あっという間に凍ったフロントガラスがクリアになっていきます。

先ほど掃除の手順で、内側の場合は内装材が変色する恐れがある、と記載ましたが、これは外側から吹きかけるので大丈夫です。

春夏秋冬問わず、朝は忙しい物。気分も焦りがちですよね。寒い季節は除菌や予防のために普段からエタノールを使う習慣をつけておき、いざとなったら凍結したフロントガラスを解消する時に使用してください。

最後に

アルコールは脱脂作業はもちろん、車のガラス掃除や凍結対策に向いているのが分かっていただけたと思います。

専用のエタノール脱脂剤でも構いませんが、手を消毒するエタノールでも問題ありません。

日常生活にあるものでガラスの油膜落としをするなら、中性の台所洗剤やウーロン茶でも代用できます。

台所洗剤やウーロン茶でガラスの油膜を落とす方法は、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。


この記事の監修者

GlassD吹浦先生

DUKS  府中店 営業事務

吹浦 翔太

業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。

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