モバイルバッテリーの車内放置は危険!発火リスクと正しい対策

トラブル

「モバイルバッテリーをうっかり車内に忘れてしまった!」「キャンプや車中泊のとき、クーラーボックスに入れておけば安全?」と、車内での保管方法に不安や疑問を抱えていませんか?

結論から言うと、モバイルバッテリーの車内放置は、発火や車両火災につながる恐れがあり大変危険です。

また、熱対策としてやりがちな「保冷バッグやクーラーボックスでの保管」も、結露によるショートを引き起こすため絶対にNGとされています。

今回の記事では、年間8万4,000件以上のガラストラブルなど、長年車のメンテナンスに向き合ってきたプロフェッショナル「glassStyle」が、モバイルバッテリーの車内放置が危険な理由や、誤解しがちなNG保管方法、そして本当に正しい対策をデータに基づき分かりやすく解説します。

「万が一熱くなってしまった時の対処法」や「膨らんでしまったバッテリーの処分方法」も紹介していますので、大切な愛車とご自身の安全を守るために、ぜひ最後までお読みください。

モバイルバッテリーの車内放置が危険な理由

モバイルバッテリー 車内 危険

リチウムイオン電池は高温に弱いため、高温多湿になる夏の車内に、モバイルバッテリーを放置するのは危険です。

こちらでは、その理由について詳しく解説していきます。

リチウムイオン電池は高温に弱い

モバイルバッテリーに使われるリチウムイオン電池は熱に弱く、高温環境に置かれると内部の化学反応が進みやすいです。

真夏の車内は短時間で危険な温度に達し、高温多湿の車内では電池内部のガスが膨張しやすく、保護回路の負荷も増えるため、膨張や発煙につながるリスクが高まります。

最悪の場合は発火する恐れがあり、大惨事へとつながるため非常に危険です。

特に直射日光が当たる座席付近は温度上昇が急激で、わずかな放置でもダメージが蓄積しやすい点が問題になります。

真夏における車内温度の危険性

JAFのテストでは、炎天下に置いた車内が1時間で50℃を超える結果が示され、高温によって機器内部の部品が急速に劣化しやすくなります。

特にダッシュボード付近は直射日光で温度上昇が早く、1時間で70℃〜80℃の高温(表面温度)に達するため、モバイルバッテリーの保管に不向きです。

また、スマートフォンを放置すると「警告画面」が表示され、一部の機能を除いて使用不能になりました。

出典:真夏の車内温度(JAFユーザーテスト)

高温状態が続くと膨張や発煙のリスクが高まり、わずかな放置でも危険性が増す点を理解しておく必要があります。

夏の車内温度、ダッシュボードの熱さについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。

6月~8月はリチウムイオン電池の事故件数が高くなる

「NITE(製品評価技術基盤機構)」の統計によると、2020年〜2024年までの5年間にリチウムイオン電池搭載製品による事故が1,860件発生し、そのうち1,587件(約85%)が火災事故につながっています。

また同統計によると、気温の上昇とともに事故発生件数は増加し、6月〜8月はリチウムイオン電池の事故件数が増加することが判明しました。

リチウムイオン電池 事故 件数

※集計期間:2020年〜2024年

出典:NITE(製品評価技術基盤機構)

一番事故件数が少ない2月が89件なのに対して、最も事故件数の多い8月が228件と、約2.5倍も跳ね上がります。

これは、リチウムイオン電池は高温環境にさらされることで、電池内部の温度が上昇して、異常発熱や発火などのリスクが高まるためです。

特にモバイルバッテリーは発火しやすい

リチウムイオン電池の中でも、特にモバイルバッテリーは発火しやすいです。

東京消防庁の調べによれば、2023年(令和5年)における「リチウムイオン電池」の火災状況を見ると、モバイルバッテリーは製品用途別で、160件中44件と27.5%を占めました。

モバイル バッテリー 車内 爆発

※集計期間:2023年(令和5年)

出典:リチウムイオン電池搭載製品の出火危険 | 東京消防庁

【NG】危険なモバイルバッテリー保管方法

どうしても車内にモバイルバッテリーを保管したいからといって、クーラーボックスや保冷バッグの中に入れるのはやめてください。

また、シートの下やグローブボックスの中での保管もNGです。

クーラーボックスや保冷剤での保管はNG

クーラーボックスの中に入れたり、保冷剤で冷やしたりするなら安心と思われがちですが、モバイルバッテリーの保管には適していません。

クーラーボックスなどの密閉空間は熱がこもりやすく、車内の高温と組み合わさると逆に温度上昇を招く場合があります。

さらに、保冷剤で冷やそうとすると結露が発生して、リチウムイオン電池の端子や基板に水分が触れ、故障の原因になります。

冷やすつもりの行動がトラブルを引き起こすため、湿気や密閉を伴う保管方法は避けるようにしてください。

シートの下やグローブボックスの中での保管もNG

シートの下やグローブボックスなら直射日光を避けられると思われがちですが、密閉された車内では温かい空気がこもりやすく、高温多湿になりやすいです。

特に夏場は車内全体が短時間で熱を帯び、風通しの悪い収納スペースは外気より温度が上がることもあります。

見えない場所に隠しても安全性は確保できないため、密閉空間での保管は避ける必要があります。

車内でモバイルバッテリーを安全に扱う対策・方法

モバイルバッテリー 車内 対策

車内にモバイルバッテリーを放置するのは危険なので、安全性を重視するなら、車を離れる際は必ずモバイルバッテリーを持ち歩いてください。

また、車内に忘れてしまった場合は、自然に冷やすのがおすすめです。

結論|車を離れる際は必ず機器を持ち出す

車内でモバイルバッテリーを安全に扱うために最も確実な対策は、車を離れる際に必ず機器を持ち出すことです。

車内は季節を問わず温度変化が大きく、特に夏場は短時間で50℃近くまで上昇し、リチウムイオン電池に強い負荷がかかります。

シート下やグローブボックスに隠しても熱はこもりやすく、湿気が溜まることで内部基板の劣化も進みます。

高温や多湿は膨張や発煙の原因になるため、車内に置きっぱなしにしない習慣が最も効果的な安全対策になります。

忘れて高温になった電子機器は自然に冷ます

高温になったモバイルバッテリーを見つけた場合は、すぐに電源を入れたり充電したりせず、まず自然に温度を下げるようにしてください。

風通しの良い日陰に置き、ゆっくり温度を戻すのがおすすめです。

反対に、急激に冷やそうとして保冷剤を当てると結露が発生し、基板や端子を傷める原因になります。

夏でも安全な製品の選び方・劣化した電池の処分方法

夏場の外出時や車内への持ち込みにおいて、モバイルバッテリーを安全に扱うには、製品選びが欠かせません。

こちらでは、夏でも安全なモバイルバッテリーの選び方、劣化した電池の処分方法について解説していきます。

PSEマーク付きで保護機能が充実した製品を選ぶ

夏の車内でもモバイルバッテリーを安全に使用するのであれば、PSEマークが付いた製品を選ぶようにしてください。

PSEマークは「電気用品安全法」に基づく基準をクリアした証であり、内部保護回路の品質や発火リスクの低減が確認された製品にのみ表示されます。

出典:電気用品安全法の概要|経済産業省

発火のリスクを低減するなら、保護機能が充実したモバイルバッテリーを購入するのがおすすめです。

過充電や過放電を防ぐ制御回路に加えて、内部温度を監視するセンサーやショートを防ぐ仕組みが備わったモデルなら、リチウムイオン電池の負荷を大きく減らせます。

車内は短時間で高温になりやすく、電池が不安定になる条件がそろいやすいため、保護機能の有無が安全性に直結します。

信頼性の高いメーカーの製品を選ぶことで、夏場のトラブルを大幅に抑えられます。

膨らんだバッテリーの正しい処分・回収について

膨らんだモバイルバッテリーは内部でガスが発生しており、非常に危険な状態です。

自宅で保管し続けると発火の恐れがあるため、早めに正しい方法で処分する必要があります。

まず自治体ごとのルールを確認し、一般ゴミとして捨てないことが大前提です。

リチウムイオン電池は専門の回収ルートが用意されており、家電量販店やホームセンターなど、自治体と連携している店舗の多くが回収協力店として登録されています。

協力店はJBRCのホームページ「協力店・協力自治体検索」から確認してください。

ただし、JBRCおよび家電量販店の回収ボックスでは「膨張したバッテリー・変形したバッテリー」は回収対象外です(発火のリスクがあるため受け取り拒否されます)。

膨張してしまった場合は、製造メーカーのカスタマーサポートに回収を依頼するか、お住まいの自治体の窓口に直接相談して指示を仰ぎましょう。

快適なカーライフの情報は「glassStyle」をチェック

「glassStyle」は、年間84,000件以上のフロントガラストラブルに対応する「glassD・DUKS」が運営するオウンドメディアです。

今回紹介した記事をはじめ、フロントガラス交換やトラブルの対処法、カーコーティングについての情報を発信しています。

また、車に関連する最新情報や雑学も発信しているので、快適なカーライフを送りたい人にとって「今知りたい!」情報をキャッチすることができます。

気になる人は、以下のトップページから、ぜひ「glassStyle」の記事を覗いてみてください。

まとめ|車内放置は厳禁!正しい対策で安全なカーライフを

  • 夏の車内にモバイルバッテリーを放置すると発火する恐れがある
  • 保冷バッグの中にモバイルバッテリーを入れたり、保冷剤で冷やそうとしたりするのはNG
  • 車から離れる際は、必ずモバイルバッテリーを持ち出す

モバイルバッテリーの車内放置は、季節を問わず発火や車両火災のリスクがあり大変危険です。

「クーラーボックスなら大丈夫」という思い込みも、結露によるショートの原因となるため絶対にやめましょう。

最も確実な対策は「車を離れる際は必ず一緒に持ち出す」ことです。万が一放置して膨張してしまった場合は、メーカーや自治体の指示に従って正しく処分してください。

この記事の監修者

GlassD吹浦先生

             

DUKS  受付窓口責任者

吹浦 翔太

年間84,000件のフロントガラストラブルに対応するDUKSグループで、受付窓口の責任者を務めています。
2008年から6年間、現場での実務経験を積み、現在は国内主要ディーラー各社からの修理依頼を中心に、状況の整理と修理方針の判断に携わっています。
保有資格は「JAGUフロントマスター」「ダックス事務検定2級」。
現場で培った知見をもとに、お客様にとって最善の修理をご案内します。

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