車のオーバーヒートとは?オーバーヒートの前兆、対処法を解説
車が動かなくなる原因として、オーバーヒートがあります。
特に気温が高い夏場は、オーバーヒートに注意が必要です。オーバーヒートが起こるとエンジンが完全に止まり、立ち往生をしてしまいます。
長距離ドライブをする前は、車に異常がないか点検をしましょう。
この記事ではオーバーヒートが起こる前兆から、オーバーヒートが起きた際の対処法について解説していきます。
目次
オーバーヒートとはどんな症状?
オーバーヒートとは、車のエンジンが熱くなりすぎた状態のことです。
エンジンの内部では車を動かすために、ガソリンと空気の混合気を爆発・燃焼させています。このとき、エンジンはとても高温になりますが、同時に冷却作業も行われています。
冷却作業が正常に行われていないと、エンジンの温度上昇が止まりません。エンジンが高温になりすぎるとオーバーヒートが起こり、最悪の場合は車が動かなくなります。
オーバーヒートが起きる4つの前兆
オーバーヒートの前兆は、以下の4つです、
- 走行中の違和感
- 異音・異臭がする
- 水温計の異常
- エンジンから煙が出る
走行中の違和感
オーバーヒートの前兆として、走行中の違和感が挙げられます。車の運転中に以下の違和感を覚えたら、オーバーヒートを疑ってください。
- スピードの乗りが悪い
- エンジンが掛からなくなったり止まったりする
- エンジンの回転数が安定しない
- アイドリングができない
異音・異臭がする
オーバーヒートの前兆として、エンジンから「キンキン」や「カンカン」といった音が聞こえてくる場合があります。
異臭がする場合は、オイル焼けかもしれません。オイル焼けによる異臭がする場合、事態は深刻です。異臭を少しでも感じたら車を停めて、迅速な対応をしましょう。
水温計(水温警告灯)の異常
冷却水の温度を測るために設置されている水温計が、「C」よりも「H」の文字の方により近い場合、水温が高くなってしまっている可能性があります。
水温計が設置されていない車体の場合は、水温警告灯が点灯・点滅しているかどうか確認しましょう。
エンジンから煙が出る
ボンネットの間から、煙のような状況が立ちあがっている場合もオーバーヒートの前兆です。この煙の正体は水蒸気で、冷却水が熱により気化しています。
車がオーバーヒートを起こす3つの原因
車がオーバーヒートを起こす原因として、以下の3つが挙げられます。
- 冷却水・エンジンオイルの不足、漏れ、劣化
- ウォーターポンプの不調
- 電動ファンが動かない
冷却水・エンジンオイルの不足、漏れ、劣化
冷却水が十分に足りていないと、エンジンの温度が上がりやすくなってしまいます。気温の高い夏は冷却水が蒸発しやすいので、定期的にチェックすることが大切です。また、ラジエーターやホースから冷却水が漏れていないかもチェックしてください。
冷却水と同様に、エンジンオイルにもエンジンを冷却する働きがあります。オイルの不足、漏れ、劣化があると金属部分が滑らかに動かなくなるので、摩擦熱によるオーバーヒートを引き起こします。
ウォーターポンプの不調
ウォーターポンプとは、エンジンに水を行き渡らせる機能を果たします。このウォーターポンプが不調だと、冷却水の循環がうまく行なわれず、エンジンの温度が上昇してしまいます。
電動ファンが動かない
電動ファンはラジエーターの温度を下げるために、走行風を発生させる機能をもちます。この走行風が発生しないと、熱の上昇度が高くなります。
サーモスタットの故障
エンジンの温度を安定させるために使用されるサーモスタットが故障してしまうと、オーバーヒートが起きやすくなってしまいます。サーモスタットが故障してしまう原因には、経年劣化が第一に挙げられます。
夏はオーバーヒートが起きやすい
夏は気温が高いため、オーバーヒートが起こりやすいと言われています。それは、冷却水の温度が上がりやすいからです。
たとえば、夏の渋滞でアイドリングを続けると、エンジンに負担がかかります。帰省やアウトドアで長時間ドライブをして、渋滞に巻き込まれるとオーバーヒートをしやすいです。
そのため、夏場は水温計のチェックをこまめに行って、長時間の渋滞に巻き込まれたらサービスエリアでこまめに休憩をとるようにしてください。エンジンを一時停止して、車を休ませるようにしましょう。
オーバーヒートが起きたときの対処法
車の運転中にオーバーヒートが起きたら、自分で解決しようとするのはNGです。オーバーヒートが起きると、冷却水やエンジンが熱くなってしまいます。火傷のリスクがあるため、ロードサービス等を呼んでプロにお任せください。
オーバーヒートが起きたら、以下の手順で対処します。
車の異常を感じたら走行はやめて、路肩や駐車場など安全な場所に車を停めましょう。
エンジンを掛けたままボンネットを開け、エンジンルームの風通しを良くしましょう。エンジンをすぐに止めると、冷却水やエンジンオイルの循環が止まってしまい、エンジンが焼き付く可能性があります。
ただし、冷却水などが漏れていたり、冷却ファンが回っていなかったりする場合は、すぐにエンジンを切ってください。
ロードサービスに連絡して、到着するまで待ってください。
冷却水は100℃まで温度が上がっているので、自分で冷却水の漏れをチェックするのは危険です。冷却水のラジエーターキャップやリザーバータンクを外して、冷却水が噴射すると大火傷をする危険があります。
また、ボンネットから蒸気が出ている場合は、蒸気が高温になっているため火傷のリスクが高いです。
オーバーヒートが起きたときの修理・交換について
こちらでは、オーバーヒートが起きたときのパーツ修理や交換、後遺症について解説していきます。
パーツの修理・交換費用
オーバーヒートが起きたときは、故障箇所によって部品の修理や交換を行います。オーバーヒートが起きたときの修理・交換費用については、以下の数字を参考にしてください。
冷却水やエンジンオイルの交換・補充:1,000~4,000円
ラジエーター、ラジエーターファンの修理・交換:20,000~80,000円
ラジエーターホースの漏れ止め・交換:10,000~20,000円
サーモスタット(温度調整器)の修理・交換:5,000~20,000円
ウォーターポンプの修理・交換:50,000~80,000円
冷却用電動ファンの交換:20,000~100,000円
※費用はあくまで目安です。
オーバーヒートの後遺症
軽度のオーバーヒートであれば、冷却水やエンジンオイルの交換で済む可能性があります。
症状が重いと後遺症として、エンジン内部のパーツ破損やラジエーターの損傷、エンジンオイルや冷却水の蒸発や漏れによる現象が起こります。エンジンの修理や載せ替えが必要になり、多額の費用が必要です。
走行中にオーバーヒートの後遺症が原因で、事故を起こす危険性があります。また、廃車にしなければいけない可能性もあります。
そのため、オーバーヒートが起きたときは、車を早めに修理したりパーツ交換をしたりすることが大切です。
オーバーヒートを防ぐには、日常点検が大切
オーバーヒートを起こさないためには、日常点検が大切です。以下のパーツに異常がないか、こまめに点検しましょう。
- 冷却水、エンジンオイルは定期的に補充・交換する
※冷却水は2年、エンジンオイルは半年に1回が目安 - ウォーターポンプから冷却水が漏れていないかチェックする
- 10年もしくは10万km走行したら、サーモスタットを交換する
- 長距離運転をする際はこまめに休憩をとるようにする
夏はオーバーヒートが起きやすいため、長距離ドライブの前は、これらの箇所を点検するのがおすすめです。
オーバーヒートについてのまとめ
- オーバーヒートとは、車のエンジンが熱くなりすぎた状態のこと
- オーバーヒートの前兆は、走行中に違和感を覚えたり、異音・異臭がしたりする
- オーバーヒートが起きたら安全な場所に車を停めて、ロードサービスを呼ぶ
冷却水やエンジンオイルを定期的に交換しないと、オーバーヒートの危険性が高くなります。気温が高く、遠出をする機会の多い夏場は注意が必要です。夏を迎える前に、冷却水やエンジンオイルの補充・漏れがないかをチェックしましょう。
この記事の監修者
DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。