車の塩害とは？塩害が起りやすい海からの距離、塩害対策を解説

夏は海水浴等で、海に行く機会が多くなります。また、夏に限らず車で旅行する際は、海沿いの道路を走ることもあります。

そんなとき注意して欲しいのが、潮風による「塩害（えんがい）」です。夏は家族をよく海に連れて行く人、サーフィンや日焼けが趣味でよく海に行く人は、塩害に注意してください。

この記事では塩害の内容を中心に、塩害が起りやすい海からの距離、塩害対策について解説していきます。

塩害とは、潮風で車が錆びること

車の塩害は、車の金属部分に塩分が付着することが原因で、ボディ等を錆びさせてしまうことです。

厳密に言うと、車に塩が付着するだけでは錆びは発生しません。鉄に付着した塩が、直射日光を受けて蒸発することで、車の鉄部分が錆びてきます。

海沿いは風が強く、潮風には多くの塩分が含まれているため、海沿いでドライブ・駐車をすることで塩害が起きる可能性があります。

また、防錆び処理をしている車でも、塩害に遭うリスクはあります。車の小さい傷やすき間に塩分が溜まると錆びができやすく、錆び始めるとあとは広がる一方です。最終的には、パーツの破損やエンジンルームの故障に繋がったり、車の寿命が短くなったりします。

車の塩害が起こりやすい地域・海からの距離

三菱電機は、国土交通省が公表した「飛来塩分量全国調査」をもとに、「各地域における塩害地域の目安」を公開しています。

それによると、塩害が起こりやすいとされている海からの距離は以下の通りです。

出典：三菱電機｜各地域における塩害地域の目安

この距離内の地域で生活している場合、塩害に遭うリスクが高いです。何も対策をせずに車を放置すると、ボディが錆びたりパーツが故障したりします。

潮風以外で起こる塩害の可能性

海に行ったり沿岸部で生活していなくても、塩害に遭う可能性があります。塩害は潮風以外にも、台風や融雪剤が原因で起こる危険性があるからです。

台風

台風は海上で発生し、風に乗って日本列島を縦断・横断します。強風で海水中の塩分が巻き上げられ、台風の移動で「塩害」が起こるケースです。

台風が通過したあとは、内陸部でも「塩害」が起こる可能性があります。梅雨〜秋にかけては台風が日本列島を襲うケースがあるので、注意が必要です。

融雪剤

実は冬場でも、塩害が起こる可能性があります。積雪の多い地域では、道路の凍結防止のために融雪剤を使用します。

融雪剤には「塩化カルシウム」「塩化ナトリウム」「塩化マグネシウム」などの塩化物が含まれている場合があり、これが塩害を起こす原因となる場合があります。

積雪した高速道路に融雪剤が撒かれていると、タイヤ周りのエンジンルーム、ボディ下などに塩害が起こる可能性があるため注意が必要です。

融雪剤については、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。

塩害対策には洗車やボディコーティングが有効

車の塩害対策には、洗車やボディコーティングの施工が有効です。

すぐに洗車して塩害を防ぐ

海沿いを走行したあとや台風のあとなど、塩害の危険性がある場合はすぐに洗車しましょう。塩害防止で洗車を行う際は、以下の3つを意識してください。

海沿いの道路には、大量の塩分が落ちています。ドライブするとタイヤに塩分が付着して、ホイールやボディ下を錆びさせてしまう可能性があります。

ボディ全体は当然しっかり水洗いして、タイヤなどの足回りも丁寧に掃除してください。そして自分で洗車する場合、夏場は暑い時間帯や炎天下での掃除はやめましょう。

ボディコーティングで塩害対策を

ボディコーティングをすると表面に膜ができて、塩が付着しにくいです。コーティングには、主に以下の効果があります。

紫外線に強くなり雨風の多い夏前にはボディコーティングの施工がおすすめです。車の塩害対策でボディコーティングをする場合、それぞれのコーティングの種類と値段は下の表を参考にしてください。

ボディコーティングは、新車か使用車によって値段が変わってきます。業者にコーティングをお願いする際は、複数の店舗から無料見積をもらい、値段やサービス内容を十分に比較しましょう。

ボディコーティングの値段については、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。

潮風から車を守るための対策

海水浴に行くと、海の近くに車を停めざるを得ません。車は半日〜1日ほど潮風に晒すだけで、ボディ表面がベタベタになる場合があります。

潮風から車を守るためには、ボディカバーを被せたり、ドアや窓は常に閉めておいたりするのが有効です。

ボディカバーを被せる

海沿いで駐車するときは、ボディカバーを被せることで、塩分が車に付着するのを防げます。

ただし、車の走行中はボディカバーを被せることができず塩分が付着します。ボディカバーを被せても、帰宅後はちゃんと洗車してください。

ドアや窓は常に閉めておく

海岸近くに車を駐車すると、車を休憩場所にすることがあります。車で休憩する場合、窓やドアを開けっぱなしにするのはやめましょう。ドアの金具やカーナビなどの精密機器に、塩害が起こる可能性があります。

お子さんを車で休憩させる場合は、大人が連れ添ってエアコンをかけるようにしてください。

塩害に遭いやすい地域で生活している人は、定期的なメンテナンスを

沿岸部や積雪が多い地域で生活している人は、塩害に遭う可能性が高いです。そのため、洗車やコーティング以外にも、定期的な車のメンテナンスが欠かせません。

車の下回りなど、洗車しにくい箇所のパーツに塩分が付着して金属部品が錆びると、車の故障に繋がったり車の寿命が短くなったりします。

そのため、定期的にディーラーや整備工場等で、車の金属部の中心に各部品を点検してもらい、必要であればパーツ交換や修理を行ってください。

車の塩害についてのまとめ

海沿いを走ったあとや台風のあとは、こまめに洗車することで塩害を防げます。

洗車するのが少々手間に感じる人は、ボディコーティングを施行しましょう。塩分や汚れを簡単に落とせて、洗車が楽になります。