車を長期間放置する場合の対処法|車に何日乗らないとバッテリーが上がる?
のどかな田舎道や空き地の前、少し入りくんだ山道を走っているときなど、おそらく長く使われていないであろう「放置車両」を見かけたことはないでしょうか。
マンションやアパートの駐車場に長期間放置されている車なども「放置車両」ですが、長い間車を放置しておくと大変なことになってしまいます。長い間車を放置すると、ガソリンが腐ったりバッテリーが上がったりするので注意が必要です。
この記事では、車を長期間乗らない場合のリスクや対処法について解説していきます。
目次
車を3ヶ月〜半年乗らずに放置するとどうなる?
車を3ヶ月〜半年ほど乗らずに放置すると、以下のリスクがあります。
- ガソリンが腐る
- バッテリーが上がる
- タイヤが変形する
- 各パーツが劣化する
ガソリンは3ヶ月程度から劣化が進み、放置すれば酸化していき、強烈な異臭が発生してきます。また、3ヶ月以上も車を放置していると、高い確率でバッテリーが上がっているでしょう。
そのほか、同じ体勢を長期間続けることで、タイヤの一点だけに力が加わるため、ホイール等が変形します。そしてエンジンオイルが落ちることにより、鉄が酸化して部品の強度が下がります。
車を長期間放置した場合のリスクについては、以下の記事で詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
車は2週間~1ヶ月乗らないだけでバッテリーが上がる危険性がある
新しいか古いかなど状態にもよりますが、車を2週間〜1ヶ月乗らないだけでバッテリーは上がると言われています。特に真夏や真冬はバッテリーが上がりやすいので、車を2週間放置するだけで、バッテリーが上がってしまうかもしれません。
バッテリーが古い状態で、真夏や真冬に2週間以上も車を運転しないだけで、バッテリーが上がるリスクは高くなります。
【対策】車を長期間動かさない場合、最低限するべき5つのこと
やむを得ない事情で、車を長期間動かさない場合が出てきてしまうこともあるかもしれません。
もしそうなった場合に備えて、最低限やっておくべき5つのことを押さえておきましょう!
1:タイヤの空気圧を高めにしておき、定期的に動かす
タイヤの一定の箇所にだけ負荷がかかり続けてしまうと、フラットスポット(その部分だけ平らになってしまう状態)ができてしまいます。
一度タイヤにフラットスポットができてしまうと元に戻ることはなく、タイヤ4本全て交換しなければいけない状況もあり得るのです。
タイヤ部分に付いている、「ハブベアリング」にも同様のことが言えます。
2:ガソリンを腐らせないようにする
食べ物や薬と同じで、ガソリンにも消費期限のようなものがあります。
ガソリンが完全に腐ってしまうと、インジェクション(燃料を噴射する装置)に変質物が溜まってしまい、車を始動させることが難しくなります。そうなった場合、分解を余儀なくされたり、新品への交換が必要になったりするなど、手間も費用もかかってしまうので、ガソリンは極力腐らせないようにしてください。
また、ガソリンは放置後半年ほどで劣化が始まります。ガソリンが腐る(酸化する)と酢酸などに変質し、緑色に変色するため、強烈な刺激臭が発生します。
3:車内換気を定期的に行う
車内は湿気がこもりやすい環境です。換気をしないと、シート内部のスポンジやマットなどにカビが生えて、車内全体に嫌なニオイが付いてしまいます。湿気取りを設置したり、定期的にドアや窓を開けたりして、車内をしっかり換気してください。
4:バッテリーを充電する
車のバッテリーは微量の電気が常に流れ続けているため、車を長期間放置してしまうとバッテリーが上がってしまいます。バッテリー自体が劣化していれば、数日間の放置でも上がってしまいます。
いざ車を動かすときにバッテリーが上がっていては、車は正常な動きをしません。バッテリーの劣化を防ぐためにも、定期的な充電を行うか、ソーラーバッテリーをつなげるなどして対処してくださいね。
5:サイドブレーキの固着を防ぐ
これは古い年代の車に多いのですが、サイドブレーキを長期間引きっぱなしの状態にし続けると、固着してしまう確率が高くなります。できるだけ輪止めを使って車を動かさないようにし、引きっぱなしの状態を避けてください。
【結論】車は1~2週間に1度運転した方が維持が楽
車に長期間乗らないのであれば手放すか、手放さないのであれば、定期的に運転してください。車を手放す気がないのであれば、1〜2週間に1度、ある程度の距離を走行しましょう。
車のような機械物は「ただ置いておく」という状態が、最もコンディションを悪くさせる原因になります。車の品質が上がり、各箇所の耐久性も高くなっているからと言って、放置し続けることは危険です。
また、ただエンジンをかけるだけでは車の初電力が小さいため、バッテリーが上がりやすい状態になっていることになります。
「エンジンだけかけておけば大丈夫。」という考えは危険です。
やむを得ない事情がある場合は「車の長期保管サービス」を利用する
たとえば海外に長期間滞在したり、その間車の面倒見てくれる人がいなかったりといった、やむを得ない事情がある場合は「車の長期保管サービス」を利用するのがおすすめです。
車の長期保管サービスとは、業者が保有しているスペースで車を保管をするサービスです。タイヤの空気圧チェックや試運転確認、洗車などのサービスを行っています。
値段は業者にもよりますが、1ヶ月15,000円〜30,000円ほどです。室内か屋外か、サービス内容や車種によって価格が変動します。やむを得ない事情で車を長期間放置する場合は、車の長期保管サービスの利用を検討しましょう。
車は「持っているだけでお金がかかる」というのを覚えておく
自動車税や自賠責保険料などは車種や契約内容にもよりますが、そもそも車を所持している時点で、年間で数万円〜数十万円ほどが車の維持費としてかかってきます。
マンションの駐車場などの私有地に放置している場合、車の維持費と撤去費が必要です。どんな状態であれ自動車税や自賠責保険料、そして2年に1度の車検を受ける時点でお金はかかります。
車を所持しているということは、毎月毎年お金がかかるので、ただ放置しておくというのは勿体ない状況です。定期的に運転して車を動かすか、運転しないのであれば車を売却することを検討しましょう。
車を長期間放置する場合の対処法についてのまとめ
- 車を3ヶ月〜半年ほど乗らないと、ガソリンが腐ったりタイヤが変形したりする
- 車は2週間~1ヶ月乗らないだけでバッテリーが上がる危険性がある
- 2週間に1度は運転した方が、車の維持が楽になる
やむを得ない理由で長期間運転ができない場合、運転できる家族が身近にいれば、定期的に運転してもらうようにしましょう。身近に運転できる家族がいない場合は、専門店に相談して「車の長期間保管サービス」を利用してください。
車を放置しないことがベストですが、避けられない理由がある場合は、車を適切に保管できるようにしましょう。
この記事の監修者
DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。