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フロントガラスのフィルム施工は車検に通るのか|可視光線透過率がポイント

雑学

駐車場などで、フロントガラス全体に色がついている車を見かけたことはありませんか?

フロントガラス に色がついている場合は「カーフィルム」と呼ばれるフィルムが施されている場合が多くあります。このカーフィルムは、フロントドアより後ろのガラスに施工することが基本とされています。

日差し対策や覗き見対策として使用されることが多いカーフィルムをフロントガラスやフロントドアガラスに貼り付けることは可能ですが、条件があります。

今回は、「フロントガラスにカーフィルムを貼ることは可能なのか」ということに焦点を当て、車検時の注意点などについて詳しく解説していきます。

フロントガラスにフィルムを貼ることはできる

フロントガラスにフィルムを貼る行為自体は、違法にも違反にもあたらないため、フロントガラスへのフィルム貼り付けは可能であると言えます。

しかし、フロントガラスにフィルムを貼り付ける場合にはいくつかの条件があり、それらの条件を全てクリアする必要があります。

条件が満たされていないと違法改造とみなされてしまうので、これからご紹介する条件はぜひよく覚えておいてください。

「可視光線透過率が70%以上であること」が必須条件

フロントガラスとフロントドアに貼り付けることができるフィルムは、法律で基準が定められています。

違反にあたるかどうかはフィルムの「可視光線透過率」で決まります。

「可視光線透過率」とは、「瞳にどれだけ光を取り込むか」という度合を表すものです。例えば、この「可視光線透過率」が0%だった場合、光がまったくない暗闇の状態になります。

フロントガラスにフィルムを貼る場合、走行時の視界保全の面から、「可視光線透過率が70%以上であること」が必ず満たされていなければなりません。

この規定に違反している車両には整備命令が出され、改善しない場合3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金が科せられます。

フロントガラスだけではなく、運転席や助手席側の窓ガラスにも同じ規則が適用されています。フロントガラス、運転席側のガラス、助手席側のガラスの三面にフィルムを貼り付ける場合は可視光線透過率に充分注意してください。

※上に色の付いた車が走っているように、フロントガラスに関しては開口部の上部から20%以内の範囲なら色の付いたフィルムを施工することが許可されています。

(例:開口部が80cmなら上部16cmまで施工が可能です。)

条件をちゃんと満たしていれば車検には通る

基本的な考え方として、車のフロントガラスには運転時の視野を妨げるものを貼り付けてはいけません。

ステッカーやシールなどは国交相の定める保安基準に対して不適合と見なされるため、どんなに小さなものでも違反になってしまいます。

フロントガラスにステッカーやシールを貼り付けてはいけないと定められているのであれば、フィルムも違反になってしまうのでは?と疑問に思いますが、フロントガラスに貼り付けるフィルムに関しては国土交通省が基準を定めています。

参考:https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_fr7_000007.html

また、車検において運転時の視野を妨げるものがないか、ロントガラスの可視光線透過率が70%を下回っていないかなど、必ずチェックされます。

新しい車種にはフィルムを貼ることができない?

新しい車種の場合、フィルムを貼ることができない場合があります。

フィルムを貼ることができない理由は、比較的最新の車種は、IR(赤外線)とUV(紫外線)カット効果のある機能を持ち合わせたガラスを使用していることがあるからです。

この機能が備わっているガラスは、可視光線透過率が普通のガラスより低い場合が多く、フィルムを貼り付けてしまうと透過率がぐんと下がってしまうのです。

フロントガラス〝以外〟にフィルムを貼るのは違反?

可視光線透過率の基準がクリアしていれば、フロントガラスにフィルムを貼ることができることが分かりましたが、フロントガラス以外のガラスにフィルムを貼るのは違反なのでしょうか?

先述したように、カーフィルムというものはそもそも、リア三面に貼り付けるのが一般的です。

フロントドアやフロントコーナーなどの前方ガラスの場合は、フロントガラスと同様に可視光線透過率に基準をクリアする必要があります。

しかし、リアドア、リアドアクォーター、リアガラスなどの後方部分に所在するガラスには、可視光線透過率に関する基準は設けられていません。

スモークフィルムなど、透明度の低いフィルムも使用することができるので、フロントガラス以外にフィルムを貼り付けても違反や違法にはあたらないのです。

カーフィルムを貼るメリット

貼り付けるのに手間がかかるようにも感じられるカーフィルムですが、車のガラスにフィルムを貼ることで得られるメリットが大きいことを忘れてはいけません。

例えば、以下のような効果を得ることができます。

  • 断熱効果
  • 車内のプライバシー確保
  • 車上荒らしの防止
  • ガラス飛散の防止

カーフィルムは日光を遮る効果があるので、夏場はクーラーの効き目も良くなり、車内を快適な空間に保ちやすいです。

また、外から車内を見通しにくくしてくれるので、プライバシー保護や車上荒らしの防止にもなります。

カーフィルムを貼るメリットなど、カーフィルムの種類については以下の記事でも詳しく解説しています!

近年ではオーロラ(ゴースト)フィルムも人気

近年では、オーロラ(ゴースト)フィルムも人気のカーフィルムになります。

オーロラフィルムとは、天候や見る角度によって、青色・紫色・黄色・緑色などの色味に変化するカーフィルムです。

ベタ単一色のスモークフィルムと異なり、ガラス一つでも色んなカラーを見せられるので、オシャレにドレスアップする目的で使用する人がいます。

外から見ると暗く見えますが、可視光線透過率も80〜90%以上の物が主流です。

フロントガラスにフィルムを貼るときは

専門家やプロに相談する

フロントガラスや車両の前方部分のガラスにフィルムを貼る際は、しっかりと専門家やプロに相談するようにしましょう。

フィルムを自分の力で貼るのは非常に難しいです。

フィルムをガラスに貼る際、フィルムとガラス面上に気泡が入らないようにヒートガンを使用したり、フィルムを張る前にガラス面上を徹底的にクリーニングしたりする必要があるため、

「フィルムくらい自分で貼れるのでは?」と思えますが、意外と大変な作業であり、自分の力で完璧に貼りつけることは難しいです。フィルムを貼る際は、出来るだけプロの業者に任せるようにしてください。

施行時間は3~4時間程度かかるため時間に余裕を持つ

プロの業者に依頼してフィルムを貼る場合、施工時間に大体3~4時間ほど要します。

比較的時間がかかってしまうため、時間に余裕のあるときに行いましょう。

料金の相場は、一般的な車両で3~4万円、大型で4~6万円ほどです。

詳しい見積もりは実際にプロの業者さんへ問い合わせてみてください。

最後に

フィルムをフロントドアガラスに貼ることはできますが、可視光線透過率が70%以上であることは必ずクリアしなければならない条件です。

フロントガラスにフィルムを貼ることで、車そのものや車に乗る人にとって様々なメリットが生まれます。もしガラスが破損してしまっても、破片が辺りに飛び散ってしまうのを防ぎ、リスクを軽減することも可能なのです。また、後部座席はプライバシーの保護や日差しをカットする効果もあります。

フロントガラスや前方のガラスにもフィルムを貼りたいと思ったときは、専門家やプロに相談し十分に検討してから実施するようにしましょう!

この記事の監修者

GlassD吹浦先生

DUKS  府中店 営業事務

吹浦 翔太

業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。

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