車中泊で快適に過ごす方法|場所選び、冬の寒さ・夏の暑さ対策について解説

車中泊では夏も冬も、快適に過ごすためには事前の準備と季節ごとの対策が必須です。
キャンプ感覚で趣味として楽しむ人もいると思いますが、災害の避難として車中泊をしなけらばいけない場合があります。
特に日本は地震が多い国なので、いつ車中泊を余儀なくされるか分かりません。
防寒グッズや冷感アイテム、ポータブル電源などの必須アイテムは、快適性を左右する大きな要素となります。また、場所選びや換気の注意点など、安全面にも配慮が必要です。
今回の記事では、初心者でも安心・快適に車中泊を過ごせるよう、季節別の必須グッズや注意点を詳しく解説していきます。
目次
車中泊の必須アイテム①ポータブル電源

季節問わず、車中泊ではポータブル電源が必須です。夏であれば、ポータブルクーラーや扇風機が必要です。冬の車中泊では、携帯用の電気ヒーターや電気ケトルを使用したい人もいると思います。
また、スマホの充電が切れないよう、電源は必須です。そのため、車中泊の際はポータブル電源を用意しておきましょう。
ポータブル電源とは、一般的なモバイルバッテリーよりも容量が大きいバッテリーで、蓄電池としても使用できます。
高出力でAC出力ポートが搭載されているので、スマホの充電から生活家電へ電気を供給することが可能です。
手軽なものでしたら、30,000円ほどから購入できます。キャンプ用グッズや防災グッズの1つとして、用意しておくと便利です。
車中泊の必須アイテム②保存水

車中泊では、万が一の備えとして保存水を車に積んでおくと安心です。
特に夏は高温による脱水症状のリスクが高く、エアコンを切った状態での車内は熱中症の危険もあるため、こまめな水分補給が欠かせません。
一方、冬は暖房の使用で乾燥しやすく、寒さによる体力消耗もあるため、温かい飲み物用の水や調理用の水が役立ちます。
保存水は未開封であれば高温下でも品質が保たれやすく、災害時のライフライン途絶にも対応できます。
ペットボトルの水を数本常備しておけば、飲用だけでなく手洗いや簡易調理にも使えるため、季節を問わず車中泊の安心材料になります。
車に積んでおく水については、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
車中泊の場所選び

車中泊は、できるだけ人気(ひとけ)の多い場所を選ぶようにしてください。車中泊で道の駅を利用する場合は、「RVパーク」の認定施設がおすすめです。
できるだけ人気(ひとけ)の多い場所を選ぶ
夜の人気(ひとけ)のない場所で車中泊をすると、強盗などの事件に巻き込まれてしまう危険性があります。できるだけ人の多い駐車場や道の駅、サービスエリアを選びましょう。
また、人が集まる場所には近隣にトイレがある可能性が高いので、トイレの心配がなくなります。
道の駅やサービスエリアで車中泊をする場合の注意点
道の駅やサービスエリアはあくまで「休憩場所」であり、「宿泊場所」ではありません。災害などの緊急時を除いて、キャンプのような趣味の車中泊での利用は気を付けなければいけません。
仮眠程度の休憩であればかまいませんが、半日〜1日利用するような長時間利用はNGです。ゴミを持ち込んだり、洗面台で洗い物や洗濯をしたりするような行動は絶対にやめましょう。
国土交通省のホームページでは、道の駅での車中泊について、次のように言及しています。
「道の駅」駐車場での車中泊は可能ですか?
「道の駅」は休憩施設であるため、駐車場など公共空間で宿泊目的の利用はご遠慮いただいています。
もちろん、「道の駅」は、ドライバーなど皆さんが交通事故防止のため24時間無料で利用できる休憩施設であるので、施設で仮眠していただくことはかまいません。
引用:道路:道の相談室:休憩施設「道の駅」|国土交通省
道の駅で車中泊をするなら「RVパーク」の認定施設がおすすめ
道の駅で車中泊をするなら、専用設備が整った「RVパーク」の認定施設での利用が快適で安心です。
RVパークは日本RV協会が定めた施設要件を満たした場所で、24時間利用可能なトイレや電源設備、ゴミ処理スペースなどが整備されています。
夏はエアコン使用のための電源が重宝され、冬は暖房機器の稼働や凍結防止にも役立ちます。
多くのRVパークは事前予約が可能で、混雑する連休や観光地周辺でも確実に車中泊できるメリットがあります。
利用料は、1泊1,000円〜3,000円程度が一般的です。電源や設備の充実度によって異なりますが、安心して過ごせる環境を考えれば十分に価値があります。
温泉、旅館、道の駅、遊園地等々の様々な施設でRVパークの設置が進んでいます。認定施設については「くるま旅公式」のWEBサイトからご確認ください。
NG行動|夏も冬も車中泊でのエンジンかけっぱなしは危険

車中泊で、エンジンをかけっぱなしにするのは危険です。一酸化炭素中毒になったり、バッテリーが上がったりする恐れがあります。
一酸化炭素中毒になる恐れがある
暖房や冷房をつけて、車内で快適に過ごしたいところですが、エンジンのかけっぱなしは危険です。
エンジンをかけっぱなしにしてしまうと排気ガスが車内に逆流し、一酸化炭素中毒になる恐れがあります。
特に積雪地帯では車のマフラーが雪でふさがることもあり、排気ガスを排出できなくなるため、危険性が高くなります。
バッテリーが上がる恐れがある
バッテリー上がりは、電気の発電量よりも使用量のほうが上回ってしまうときに発生します。
車のバッテリーは走行させることで充電されますが、車中泊では車が止まっている状態なので、まず充電されることはありません。
そして冬の車中泊の場合、エンジンをかけて暖房をかけると、電気の使用量が増えてバッテリーが上がりやすくなります。
そのため、電気の発電量よりも使用量のほうが上回りやすい状態になるため、バッテリーが上がる可能性が高いです。
車中泊ではこまめにドアや窓を開けて換気をする
車中泊では、定期的な換気は必要です。ドアや窓を閉めっぱなしにしてしまうと、酸欠になる恐れがあるほか、狭い車内にこもりっぱなしだとエコノミー症候群になる危険性があります。
対策としては、ときどき窓やドアを開けて換気し、ご自身も外に出て軽いストレッチを行ってください。
ドアや窓を全開にしたまま寝ると、強盗などの危険性があります。寝る際はドアや窓を閉じておき、換気の際はすぐに閉じれる状態にしてください。
【夏】車中泊の暑さ対策アイテム

夏の車中泊では、暑さ対策としてポータブルクーラーは必須です。近年は温暖化により、真夏の日中は気温が40℃になることも珍しくなく、夜でも熱中症の心配はあります。
こちらでは、車中泊の暑さ対策アイテムについて解説していきます。
ポータブルクーラー
夏の車中泊では、エンジンをかけっぱなしにできないため、ポータブルクーラーが有効な暑さ対策になります。
最近のモデルはコンパクトで持ち運びしやすく、USB電源やポータブル電源で稼働するタイプもあり、車内でも静かに使用することが可能です。
冷風機能に加えて除湿や空気循環の効果もあり、湿気の多い夜でも快適に過ごせます。
虫対策としても、窓を閉めた状態で涼しく過ごせるため、網戸や虫除けスプレーに頼らずに済むのが利点です。
特に電源容量や冷却方式(ペルチェ式やコンプレッサー式)を確認して選ぶと、車中泊に適したモデルが見つかります。
冷感インナーや冷感ポンチョ
夏の車中泊では、寝苦しさや汗による不快感を軽減するために冷感インナーの着用が効果的です。
接触冷感素材を使ったインナーは、肌に触れた瞬間にひんやりとした感触があり、車内の蒸し暑さを和らげてくれます。吸汗速乾性にも優れているため、寝汗をかいてもすぐに乾き、肌に張りつく不快感を防ぐことが可能です。
また、最近では冷感ポンチョという、羽織るだけで涼しくなるポンチョが販売されています。ポンチョを水で濡らした後、手で水分を絞り、羽織るだけで涼しさを感じることができるアイテムです。
サンシェードやカーテン
夏の車中泊では、直射日光による車内温度の上昇を防ぐためにサンシェードが欠かせません。
フロントガラスやサイドウィンドウに装着することで、日差しを遮り、車内の熱こもりを軽減できます。
特に断熱素材を使ったタイプは、遮光性が高く、冷房効率も向上します。夜間の虫対策としては、窓を少し開けて換気しながらも、カーテンや虫除けネットで侵入を防ぐ工夫が有効です。
冬場でもカーテンは外気の冷気を遮断し、車内の保温効果を高める役割を果たします。プライバシーの確保にもつながるため、季節を問わず車中泊の快適性を支えるアイテムです。
【冬】車中泊の寒さ対策アイテム

冬の車中泊で気を付けなければいけないのは、なんと言っても「寒さ」です。特に窓からくる冷気や、冷たい床から体温が奪われるのを防がなければいけません。
そのため寝袋や毛布、アンダーウェアは、冬の車中泊の寒さ対策に必須のアイテムです。
寝袋や毛布
コンパクトにまとめられる寝袋は、収納性が高く使い勝手も良いものばかりです。
キャンプ用や防災グッズとしても活躍するので、車庫やトランクなどに収納しておくと良いでしょう。防寒性を重視するのであれば、登山用の寝袋がおすすめです。
また、寝袋と併せて毛布も備えておくと安心です。寝るとき以外にも、車に居るときの防寒具になります。敷くタイプの毛布があれば、冷たい床からの底冷えを防ぐことが可能です。
アンダーウェア
ヒートテックなどの、アンダーウェアも必須です。個人差もありますが、夜は上半身3枚・下半身は2枚ほど着こんでおくと良いでしょう。
【冬】寒さ対策に100均で用意できる防寒グッズ

車中泊では、手軽に用意できる寒さ対策として、ご家庭や100均で用意できる暖房グッズがあります。たとえば湯たんぽやカイロ、インスタントスープなどです。
- 湯たんぽ
- カイロ(貼らないタイプ)
- アルミシートやサンシェード
- 味噌汁やコーンスープ等の、インスタントスープ
- 結露防止シート
こちらでは、ご家庭や100均で購入できる物を中心に、車中泊におすすめの寒さ対策グッズについて解説していきます。
湯たんぽ
寝るときには湯たんぽを寝袋や毛布に入れておけば、朝まで暖かく過ごすことができます。
キャンプなどの短期間であれば、100円ショップの湯たんぽがおすすめです。
プラスチック製で軽く持ち運びに便利で、400ml以上のサイズが冬の車中泊には適しています。
カイロ(貼らないタイプ)
冬の車中泊に、やはりカイロは欠かせません。手袋や靴下を装着していても、手足の指先は冷えてきます。
首元や背中、脇の下や足の付け根などを中心に当てると、効果的に体を温めることができます。
ただし、同じ部位にずっとカイロを当てていると低温火傷を起こす危険性があるので注意しましょう(湯たんぽも同様)。
貼らないカイロを上手に使い、満遍なく体の部位を温めるようにしてください。
アルミシートやサンシェード
100均で購入できるアルミシートは、床に敷けば底冷え対策に、内側から窓ガラスに目張りすれば、冷気を遮断してくれます。
アルミシート以外では、夏場の暑さ対策に使うサンシェードが有効です。こちらもアルミシートと同様に、床に敷いたり窓ガラスの内側に貼ったりしてください。
アルミシートやサンシェードを窓ガラスに貼り付ける際は、養生テープも一緒にあると便利です。
味噌汁やコーンスープ等の、インスタントスープ
インスタントスープも、100均やスーパー等で購入が可能です。体をしっかり温めることができるので、味噌汁やコーンスープ等のインスタントスープを常備しておくと良いでしょう。
結露防止シート
冬の車中は体温や暖房器具の使用により、結露が発生しやすいです。結露が起きると、乾いた後にガラスが汚れたり、カビが生えたりしてしまいます。
そのため、結露防止シートも備えておきましょう。こちらも、100均で購入することができます。
もしも用意できなかった場合は、タオルや雑巾を使って、定期的に結露を拭き取ってください。
車中泊についてのまとめ
- 車中泊では、ポータブル電源や保存水があると安心
- 道の駅で車中泊をする場合は「RVパーク」の認定施設の利用がおすすめ
- 車中泊ではこまめにドアや窓を開けて換気する
車中泊では夏も冬も、快適に過ごすためには季節ごとの対策と事前の準備が欠かせません。
電源の確保や場所選び、暑さ・寒さ対策など、車中という限られた空間で無理なく過ごすには、適切なアイテムと注意点を押さえることがポイントです。
安全性と快適性を両立させるためにも、今回紹介したグッズや対策を参考に、しっかりと準備をして車中泊を快適に過ごしてください。
この記事の監修者
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DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。












