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高齢者講習について|講習の必要性や講習内容、認知機能検査のテスト問題などを解説

雑学

近年では、高齢ドライバーによる事故や危険運転などを、テレビや動画で見かける機会が多くなりました。

運転技術に自信がないドライバーに関しては、免許を自主返納することができます。しかし環境によっては、車が生活必需品になっている人も多いです。

そのため、高齢ドライバーで車を運転したい人は、免許更新時に「高齢者講習」を受ける必要があります。

この記事では高齢者講習の内容や、認知機能検査のテスト問題などについて解説していきます。

高齢者講習とは

高齢者講習とは、運転免許を持っている70歳以上のドライバーが受ける講習のことです。

高齢者講習を受講しないと、運転免許証の更新はできません

高齢者講習の必要性と目的

高齢者講習が義務化になっているのは、以下の背景が要因です。

  • 運転免許を持つ高齢者が増えた
  • 高齢ドライバーによる交通死亡事故件数が増加傾向であること

警視庁の資料によると、事故全体に占める高齢ドライバーの事故割合は、新型コロナウィルス拡大前の令和元年(2019年)にピークを迎えました。

画像引用元:防ごう!高齢者の交通事故! 警視庁 (tokyo.lg.jp)

安全運転には、判断力・視力・反射といった身体機能が一定数必要です。これらの身体機能は、加齢に伴って徐々に衰えていきます。

高齢者講習は、自分の運転能力や技能水準を高齢者本人に自覚してもらい、必要なアドバイスを得てもらうのが目的です。

「70歳〜74歳」「75歳以上」とでは、講習の流れが異なる

70歳〜74歳、75歳以上とでは講習の内容が異なります。高齢者講習の内容は、座学・運転適性検査・実車指導です。

70歳〜74歳の場合は高齢者講習を受講後に、免許の更新を行います。75歳以上になると、高齢者講習に加えて「認知機能検査」を受けなければいけません。

画像引用元:高齢者講習等の流れ – 高齢運転者ー支援サイト (zensiren.or.jp)

認知機能検査で「認知症のおそれなし」と判定されたら、高齢者講習を受けて免許の更新をすることができます。

しかし、「認知症のおそれあり」と判定された場合は、医師の診断を受けて、診断結果によっては免許取り消しになる可能性があります。

高齢者講習の内容ついて

こちらでは、高齢者講習の時間や講習手数料、予約方法や当日の持ち物について解説していきます。

講習時間や手数料

高齢者講習の所要時間や手数料については、以下の表を参考にしてください。

講習の名称講習の所要時間講習の内容講習手数料
高齢者講習
(普通自動車対応免許所持者)
2時間座学・運転適性検査(60分)
実車 (60分)
6,450円
高齢者講習
(原付、二輪、小特、大特のみの方)
1時間座学・運転適性検査 (60分)2,900円
特定任意高齢者講習
(普通自動車対応免許所持者)
2時間座学・運転適性検査 (60分)
実車 (60分)
6,450円
特定任意高齢者講習
(原付、二輪、小特、大特のみの方)
1時間座学・運転適性検査 (60分)2,900円
運転免許取得者等教育
(高齢者講習同等)
2時間以上
(実車指導なしの方は1時間以上)
座学・運転適性検査 (60分以上)
実車 (60分以上)
教習所毎に異なります。

情報引用元:認知機能検査と高齢者講習(75歳以上の方の免許更新) 警視庁 (tokyo.lg.jp)

講習の内容は、座学・運転適性検査・実車指導の3つがあります。普通自動車対応免許を更新する際は、3つ全ての講習を受けなければいけません。

原付、二輪、小特、大特のみの免許を更新する人や、運転技能検査を受けた人は実車指導がなく、所要時間や手数料が軽減されます。

また、免許証の住所と別の都道府県で受講したい場合は、「特定任意高齢者講習」を受けることが可能です。

受講を希望する際は、都道府県の運転免許センターに問い合わせてください。

講習の内容

高齢者講習には、座学・運転適性検査・実車指導の3つがあります。

座学(講習時間:30分)

映像を視聴して、以下のことを確認します。
・道路交通の現状
・ドライバーの心構え
・交通ルール
・安全運転に関する知識

運転適性検査(講習時間:30分)

器材を使って、以下の検査を行います。
・静止視力
・動体視力
・夜間視力
・視野の検査

実車指導(講習時間:60分)

教習所のコース内を実際に運転して、課題をクリアします。課題は、主に以下の通りです。
・右左折
・信号通過
・一時停止
・クランク
・S字カーブ

※運転の状況に応じて指導員からアドバイスを受けます。

なお、高齢者講習は合否の判定はありません。受講するだけでOKです。

受講後は「高齢者講習終了証明書」が交付されて、それを持って免許更新の手続きを行います。

高齢者講習の予約

どの講習の場合も、免許更新期間満了日の6ヶ月前から受講することができます。ただし、免許更新期間満了日を超えると受講できないので注意してください。

自治体により異なりますが、免許更新期間満了日の約3ヶ月ほど前に、高齢者講習を知らせるハガキが届きます。

ハガキが届いたら、記載された自動車教習所などに予約を入れてください。自治体によっては、インターネットからの予約もできます。

ギリギリまで予約を取らないと、教習所が込み合って講習を受けられない可能性があります。早めに予約を取って、余裕を持って講習を受けましょう。

予約の空き状況については、管轄地域の警察のホームページから確認できる場合もあります。

当日の持ち物

高齢者講習の当日の持ち物については、以下の通りになります。

  • 高齢者講習等受講通知書(高齢者講習のお知らせハガキ)
  • 運転免許証
  • 受講手数料
  • 眼鏡、補聴器など運転に必要なもの

手数料については、受講内容によって金額が異なるので、予約する際にいくら必要か確認しましょう。

眼鏡、補聴器など運転に必要なものですが、運転免許証に条件として記載されている人は必ずお持ちください。

運転技能検査とは

75歳以上で一定の違反歴がある場合、免許更新の際に運転技能検査を受けなければいけません。

2022年5月13日に施行された道路交通法改正によって、新たに導入されました。

運転技能検査の対象者

運転技能検査の対象者は、以下の通りです。

  • 運転免許を更新する75歳以上
  • 免許証の更新期間満了日の、直前の誕生日の160日前の日前3年間に、一定の違反歴がある人

75歳という年齢ですが、令和4年10月12日以降に誕生日を迎える人に適用されます。運転技能検査の対象となる違反は、以下の通りです。

運転技能検査の対象となる違反
  • 信号無視
  • 通行区分違反
  • 通行帯違反等
  • 速度超過
  • 横断等禁止違反
  • 踏切不停止等、遮断踏切立入り
  • 交差点右左折方法違反等
  • 交差点安全進行義務違反等
  • 横断歩行者等妨害等
  • 安全運転義務違反
  • 携帯電話使用等

運転技能検査の内容

普通自動車でコースを運転して、課題をクリアする必要があります。

運転技能検査の課題
  • 指示速度による走行
  • 一時停止
  • 右左折
  • 信号通過
  • 段差乗り上げ

点数は100点満点となり、大型二種・中型二種・普通二種の免許所持者は80点以上、それ以外の免許所持者は70点以上で合格となります。

運転技能検査対象者の高齢者講習

運転技能検査に合格したドライバーは、実車指導なしの高齢者講習を受講することとなります。

合格した人は運転技能検査終了時に、「運転技能検査受検結果証明書」もしくは「認定運転技能検査受検結果証明書」が交付されます。

証明書は更新の際に必要となりますので、紛失しないように保管してください。

認知機能検査のテスト問題

75歳以上のドライバーになると、高齢者講習に加えて認知機能検査を受けなければいけません。

認知機能検査のテスト問題については、高齢運転者支援サイトにて公表されています。

以下が、高齢運転者支援サイトで公表されているテスト内容なので、参考にしてください。

【問題1】
検査時における年月日、曜日、時間を答えます。
ア.4種類のイラストが描かれたボードが4枚提示され、検査員の説明を受けながら記憶をします。
例)
これは、大砲です。
これはオルガンです。
これは、耳です。
これは、ラジオです。
この中に、楽器があります。
それは何ですか?→オルガンですね。
この中に、電気製品があります。
それは何ですか?→ラジオですね。
(以後、同じ要領で全16種類のイラストの説明を聞く。)
【問題2】
イ.別の検査(介入課題)を行います。
【問題3】
ウ.介入課題が終了したあとに、アで記憶をしたイラストをヒント無しで回答します。
(回答用紙に、先程ボードにどんな絵が描かれていたかを思い出しながら、できるだけ全部書くようにする。)
【問題4】
エ.アで記憶したイラストをヒント有りで回答します。
(回答用紙には、イラストのヒントが書いてありますので、そのヒントを手がかりに回答する。)
ヒントの例:「戦いの武器」、「楽器」、「体の一部」、「電気製品」など…

情報引用元:認知機能検査の方法及び内容 – 高齢運転者支援サイト (zensiren.or.jp)

高齢者講習についてのまとめ

  • 高齢者講習は70歳以上の運転免許所持者の場合、受講する義務がある
  • 75歳以上になると、認知機能検査を受ける必要がある
  • 対象期間に違反をした75歳以上のドライバーは、運転技能検査を受けなければいけない

年齢を重ねると、身体機能の衰えは避けられません。

「自分は運転技術に自信があるからだ大丈夫。」とは思わずに、対象年齢になったら高齢者講習について、内容をしっかりと把握するようにしてください。

この記事の監修者

GlassD吹浦先生

DUKS  府中店 営業事務

吹浦 翔太

業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。

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