危険運転致死傷罪の罰則と種類は?2026年改正の数値基準を解説
危険運転は重大事故を招く行為であり、法律でも厳しく規制されています。
2026年の法改正では危険運転致死傷罪の要件が見直され、飲酒量の数値基準や速度超過の判断がより明確になります。
さらにドリフト走行などの悪質行為も新たに対象に加わる予定です。危険運転の種類や罰則を正しく理解することは、自分と周囲を守るための重要な知識になります。
今回の記事では法改正をはじめ、危険運転に該当する行為や危険運転致死傷罪の罰則、危険運転を見つけたときの対処法について解説していきます。
目次
【2026年最新】危険運転致死傷罪の見直しへ!数値基準の導入で何が変わる?

※最高速度60km/h以下の道路(主に一般道)は+50km/h以上、最高速度60km/h超の道路(主に高速道)は+60km/h以上
危険運転致死傷罪の要件が見直されることが、2026年3月31日に閣議決定されました。
飲酒については現行の「正常な運転が困難」を数値化し、呼気1リットル当たり0.5ミリグラム以上を適用基準とする案が示されています。
高速度は「制御困難」だけでは不十分と判断され、数値基準を導入します。一般道は制限速度プラス50km/h超、高速道はプラス60km/h超が目安です。
さらにドリフト走行やウィリー走行のような、意図的な滑走行為も新たに処罰対象に含める方針です。
数値化は捜査や立証を容易にし、悪質事案の見逃しを減らす狙いがあります。
危険運転致死傷罪に該当する「6つの種類」を徹底解説
危険運転は自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律により、以下の6つが該当します。
①酩酊危険運転(お酒・薬物の影響)
②高速度危険運転(制御不能なスピード)
③技能欠如危険運転(未熟な技術・無免許)
④通行妨害目的危険運転(あおり運転)
⑤信号無視危険運転(赤信号の故意な無視)
⑥通行禁止道路危険運転(一方通行の逆走など)
これらの危険運転は、人身事故が発生しない場合であっても、取り締まりの対象です。
①酩酊危険運転(お酒・薬物の影響)
いわゆる「飲酒運転」です。また、飲酒以外にも薬物を体内に入れて、判断能力が低下した状態で運転する行為も該当します。
法律には「アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為」と記されています。
②高速度危険運転(制御不能なスピード)
一般的に「スピード違反」と呼ばれるものです。スピードを出しすぎることで、進行を制御するのが難しい運転を指します。
法定速度を守らなかったり、標識や標示で規定された速度を守らなかったりすると、速度超過として罰則や加点の対象となります。
法律には「その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為」と記されています。
③技能欠如危険運転(未熟な技術・無免許)
技能欠如危険運転とは、進行を制御する技能がないまま運転することです。運転技量不足、つまりハンドルやブレーキの操作等の技量が乏しいまま運転することは、事故を起こす危険性が高いとみなされます。
運転の経験や実際の走行状況などから技能の欠如が判断されたり、無免許運転も技能欠如危険運転に該当します。
法律には「その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為」と記されています。
④通行妨害目的危険運転(あおり運転)
通行妨害目的危険運転とは、近年で社会問題となっている「あおり運転」です。
人や車の通行を妨害する目的で、必要以上に車間距離を詰めたり、急ブレーキをかけたり、走行中の車の直前に割り込んだり等の行為が該当します。
現在、あおり運転は「妨害運転罪」として飲酒運転と同等の重い刑罰がくだされ、免許取消の対象です。
法律には「人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為」と記されています。
あおり運転については、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
⑤信号無視危険運転(赤信号の故意な無視)
信号無視危険運転とは、危険な速度で運転をしながら赤信号を無視して、人を死傷させる行為です。
赤信号の無視はもちろんのこと、危険な速度で運転することの両方が合わさって成立します。そのため、赤信号を無視しただけでは、信号無視危険運転の対象とはなりません。
法律には「赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為」と記されています。
⑥通行禁止道路危険運転(一方通行の逆走など)
通行禁止道路危険運転とは、通行禁止の道路を危険な速度で走行して、人を死傷させてしまう行為です。
車両通行止めの道路や歩行者や自転車専用の道路、立ち入り禁止区域にて、危険なスピードで通行した場合に成立します。また、一方通行や高速道路で逆走することも、通行禁止道路危険運転の対象です。
法律には「通行禁止道路を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為」と記されています。
危険運転致死傷罪の罰則

危険運転をして死傷事故を起こした場合の罰則は、自動車運転死傷行為処罰法第2条と自動車運転死傷行為処罰法第3条にて決められています。罪名は「危険運転致死傷罪」です。
罰則や内容は、下の表を参考にしてください。
【危険運転致死傷罪】
| 罰則 | 内容 |
|---|---|
| 死亡:1年以上20年以下の有期懲役 負傷:15年以下の懲役 ※無免許の場合は、6ヶ月以上20年以下の有期懲役 | 自動車運転死傷行為処罰法第2条 ①アルコールや薬物の影響により正常な運転ができない状態で走行 ②制御できないような速度で走行 ③制御する技能がないのに走行 ④妨害目的で、危険な速度で人や車に接近・割り込み ⑤危険な速度で故意に信号無視をして走行 ⑥危険な速度で通行禁止道路を走行 |
| 死亡:15年以下の懲役 ※無免許の場合は、6ヶ月以上20年以下の有期懲役 負傷:12年以下の懲役 ※無免許の場合は、15年以下の懲役 | 自動車運転死傷行為処罰法第3条 ⑦アルコールや薬物の影響により正常な運転ができないおそれがある状態で走行 ⑧特定の病気の影響により正常な運転ができないおそれがある状態で走行 |
※自動車運転死傷行為処罰法第6条による刑の加重
危険運転致死傷罪と「過失運転致死傷罪」の違いとは?
こちらでは、危険運転致死傷罪と過失運転致死傷罪の違いについて、過失運転致死傷罪の概要から罰則について解説していきます。
うっかりミスか、それとも故意か?成立要件の差
過失運転致死傷罪は、自動車の運転中に必要な注意を怠り、その結果として人を死傷させた場合に成立する犯罪です。
前方不注意や速度超過、ながら運転など、事故を回避できたにもかかわらず注意義務を守らなかった行為が対象となります。
危険運転致死傷罪のように悪質・故意性の高い運転ではなく、あくまで過失による事故として扱われる点が大きな違いです。
過失運転致死傷罪の罰則
過失運転致死傷罪の刑罰は「7年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金」です。
量刑はこの範囲内で決定しますが、傷害の程度が軽い場合には、情状により刑が免除される場合があります。
また民事責任も発生するため、事故の態様や注意義務の重要性を押さえることが大切です。
あおり運転等の危険運転に遭遇したら?警察への通報手順と身を守る方法

あおり運転をされたり、その他の危険運転を見つけた場合は、すぐに警察に通報してください。
安全な場所へ避難!車外へ出ず身の安全を確保する
あおり運転など、悪質な危険運転で身の危険を感じた場合、駐車場、高速道路ならサービスエリアなどに避難します。そして、安全を確保できたら落ち着いて警察に通報してください。
あおり運転で相手が追いかけて来た場合は、なるべく相手の車から離れる工夫をして、相手と直接話し合うのはNGです。相手が挑発してきても、車外から出ずにコミュニケーションを取らないようにしてください。
ちなみに、運転中の携帯電話・スマホの通話は原則禁止ですが、身の危険を感じた場合は例外です。
道路交通法第71条5の5では、運転中の通話に関して「傷病者の救護、又は公共の安全の維持のため、当該自動車等の走行中に緊急やむを得ずに行うものを除く。」と明記されています。
やむを得ず避難できない場合は、安全運転を心掛けながら警察に通報してください。
通報時に伝えるべき「3つの情報」ナンバー・車種・色
安全な場所に避難できたら、警察に通報します。通報する内容は、主に以下の3つです。
- 危険運転をした車のナンバー
- 危険運転の車種
- 危険運転の車の色
そのほか、覚えている範囲で警察に内容を話してください。ドライブレコーダーや同乗者のスマホで危険運転の様子を録画していたら、その内容を見返してみましょう。
まとめ|危険運転の種類と罰則を正しく知り重大事故を防ごう
- 2026年3月の閣議決定で、危険運転に関する法案が見直しされた
- 危険運転とは飲酒運転やあおり運転、スピード違反などが該当する
- 危険運転は人身事故が発生しない場合であっても、取り締まりの対象である
危険運転に関する法律は年々見直されており、2026年の法改正では危険運転致死傷罪の基準がより明確になります。
飲酒量や速度超過の判断が数値化され、悪質な走行行為への罰則も強化される流れです。
危険運転の種類を理解し、改正内容を把握することは、安全な運転環境を守るうえで欠かせない視点といえます。
この記事の監修者
DUKS 受付窓口責任者
吹浦 翔太
年間84,000件のフロントガラストラブルに対応するDUKSグループで、受付窓口の責任者を務めています。
2008年から6年間、現場での実務経験を積み、現在は国内主要ディーラー各社からの修理依頼を中心に、状況の整理と修理方針の判断に携わっています。
保有資格は「JAGUフロントマスター」「ダックス事務検定2級」。
現場で培った知見をもとに、お客様にとって最善の修理をご案内します。

