冬の運転|冬道の安全運転5則や冬道の危険性、事前準備を解説

雑学

冬の運転ですが、夏場とは異なる危険が多く潜んでいます。特に冬道では、路面凍結や視界不良などが原因で事故率が大幅に上昇し、一部地域では冬の事故率は夏の約3倍にもなるという報告があります。

高速道路や一般道を問わず、安全にドライブするためには、事前の対策と運転時の注意が欠かせません。

今回の記事では、冬道での安全を守るための運転のコツやアドバイスを紹介しながら、事故を防ぐための具体的な対策について解説していきます。

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冬の事故率は夏の約3倍?!

「NEXCO中日本金沢支社」の調査によると、冬の事故率は最大で夏の約3倍にも増加します。

冬の事故率は夏の約3倍

出典:冬の高速道路を安全にご利用いただくために|NEXCO中日本金沢支社調べ

金沢市のある石川県は北陸地方になり、日本では比較的寒かったり雪が降ったりします。そのため、東京や大阪といった都市部と比べると、この数値はオーバーに感じるかもしれません。

しかし、冬は東京や大阪でも雪が降って、積雪する場合があります。また、都心部を離れて郊外に行くと、朝方は路面凍結している場合もあります。

そんなとき、普段と同じ感覚で運転していると、操作を誤って事故を起こすかもしれません。そんなときは、冬の運転を覚えておいて、慎重な操作が求められます。

冬の運転・冬道の危険性

冬の運転、冬道の危険性

冬の運転、冬道の危険性としてまず挙げられるのが路面凍結です。また、雪が降ると視界不良になったり、路肩の雪が邪魔になったりします。

路面凍結

積雪が多くない地域でも、雨に濡れた路面が気温の低下によって凍結してしまうことがよくあります。

冬タイヤに変えたからといって、100%スリップしないとは言い切れません。道路走行時は、路面の状態をよく確認した上で、普段より走行速度を落とし目視確認の頻度を増やすようにしましょう。

あわせて、トンネルを抜けた先や橋の上などは凍結しやすくなっているので特に注意してください。万が一に備えて車間距離も充分に保ち、急ブレーキは絶対に踏まないようにして下さい。

視界不良

冬は雪や吹雪などによって、視界不良のなか運転しなければいけない場合があります。

雪が降ると、雪が邪魔になったり視界が暗くなったりするため、普段よりも道路状況や周囲の状況が確認しづらいです。そのため、事故を引き起こす恐れが高くなります。

雪が降って、視界不良のなか運転しなければいけない場合は、ライトを点けて速度を落としながら走行してください。

北国など雪が降りやすい地域では、雪や吹雪などによって視界が真っ白な状態になる「ホワイトアウト」という現象が起こります。

ホワイトアウトは一瞬のうちに視界が遮られるため、その影響で交通事故も多発してしまいます。

ホワイトアウトが起きてしまったときは速やかに安全な場所へ駐車し、待機するようにしてください。

このとき、路肩に駐車してしまうと追突事故が発生してしまう危険があるので、待避所や安全に駐車できる駐車場へ車を停めましょう。

路肩の雪

雪の多い地域などでは、除雪車によって路面の雪を路肩に避ける光景をよく見かけます。

雪が路肩に積まれていると、普段よりも道路の幅が狭くなり、そのぶん見通しも悪くなってしまいます。

その影響で歩行者や自転車の発見が遅れ、接触事故に繋がる可能性も高くなってしまうのです。

冬の運転は「冬道の安全運転5則」を守る

冬の運転は「冬道の安全運転5則」を守る

冬の運転については、「冬道の安全運転5則」を守ることが大切です。

冬道の安全運転5則

1.スピードは、夏場より10km/h以上減速する
2.車間距離は、路面乾燥時の2倍以上とする
3.急加速、急ブレーキ、急ハンドル等の「急」な操作はNG
4.視界不良時は、前方をよく見て早めに徐行する
5.無理な追い越しはNG

こちらでは、それぞれの運転について解説していきます。

1.スピードは、夏場より10km/h以上減速する

冬の運転では、夏場よりもスピードを10km/h以上落として運転してください。

冬道では路面が凍結している可能性が高く、タイヤのグリップ力が大きく低下します。そのため、制動距離が夏場よりも長くなり、急ブレーキでは止まりきれない可能性が高いです。

安全運転の基本として、冬道では夏場よりも10km/h以上減速して走行することが推奨されています。特に交差点やカーブでは、慎重な速度調整が欠かせません。

速度を抑えることで、万が一のスリップ時にも車両のコントロールがしやすくなり、事故のリスクを大幅に減らすことができます。

2.車間距離は、路面乾燥時の2倍以上とする

雪道や凍結した道路では、車間距離を路面乾燥時の2倍以上空けるようにしましょう。

冬道では、雪や氷によってタイヤの制動力が大幅に低下するため、前方車両との距離を十分に確保することが大切です。

乾いた路面での車間距離では不十分であり、少なくとも2倍以上の間隔を空ける必要があります。

特に停止までの距離が長くなるため、前の車が急ブレーキをかけた際に追突を防ぐためにも、余裕を持った距離が命を守るポイントになります。

速度だけでなく、距離の意識も冬道では欠かせません。

3.急加速、急ブレーキ、急ハンドル等の「急」な操作はNG

冬道では急加速、急ブレーキ、急ハンドル等の「急」な操作は絶対にやめてください。雪道や凍結した路面では、急な操作がスリップやスピンの原因になります。

急加速するとタイヤが空転しやすく、急ブレーキでは制動距離が伸びて止まりきれないことがあります。

急ハンドルも車体のバランスを崩しやすく、特にカーブでは危険です。雪道や凍結路では、すべての操作を「ゆっくり・なめらかに」行うことが基本であり、安全運転の第一歩です。

アクセルやブレーキ、ハンドル操作は慎重に行い、車の挙動を安定させましょう。

4.視界不良時は、前方をよく見て早めに徐行する

雪や吹雪で視界が悪くなると、歩行者や障害物の発見が遅れがちになります。こうした状況では、前方の様子を常に確認しながら、早めに速度を落として徐行することが重要です。

ヘッドライトやフォグランプを活用し、周囲に自車の存在を知らせるよう工夫してください。視界不良時の運転は、慎重すぎるくらいがちょうどよく、事故防止には「見えにくい=止まれる速度」が基本です。

5.無理な追い越しはNG

冬道では路面が滑りやすく、加速や車線変更の際に車両が不安定になりやすいため、無理な追い越しは非常に危険です。

特に圧雪や凍結路では、追い越し時にタイヤがグリップを失い、スリップや衝突につながる可能性があります。

前方車両が遅く感じても、焦らず一定の車間距離を保ち、安全な状況でのみ慎重に判断することが重要です。冬道では「急がず、譲り合う」姿勢が事故防止につながります。

冬が来る前に準備しておきたいこと

冬が来る前の車の準備

冬の運転は、事前準備が大切です。たとえば、スタッドレスタイヤに履き替えておいたり、タイヤチェーンを用意したりすることは欠かせません。

また、フロントガラスに撥水コーティングを施工したり、ワイパーやウォッシャー液の確認と交換をしたりしましょう。

  • スタッドレスタイヤに履き替える
  • タイヤチェーンを用意する
  • フロントガラスに撥水コーティングを施工しておく
  • ワイパー、ウォッシャー液の確認と交換をする

スタッドレスタイヤに履き替える

雪道を運転する際は、スタッドレスタイヤに履き替えるのは必須です。

JAFが行った「圧雪路・時速40km/hでの制動距離テスト」では、スタッドレスタイヤとオールシーズンタイヤでは、ブレーキが効き始めてから車が停止するまでの距離に、5m以上の差があることが分かっています。

出典:JAF|走れても止まれない、雪道のノーマルタイヤ(JAFユーザーテスト)

スタッドレスタイヤの選び方については、以下の記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。

タイヤチェーンを用意する

スタッドレスタイヤに履き替える以外にも、車にタイヤチェーンを積んでおくことをおすすめします。

スタッドレスタイヤに履き替えたとしても、チェーン規制が発令された場合は、タイヤチェーンなしでは走行できません。

ゴム、ウレタン等の非金属チェーン、布製タイヤチェーンであれば、金属チェーンよりも簡単に装着ができます。

2020年末の関越道では、新潟豪雪の影響で2,100台以上の車が立ち往生しました。国土交通省の調べによると「冬用タイヤやチェーン未装着車両が走行していたこと」が、原因のひとつとして挙げられています。

参考:国土交通省|今冬発生した大規模な車両滞留等について

タイヤのチェーンについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。

フロントガラスに撥水コーティングを施工しておく

フロントガラスに撥水コーティングを施工しておくことで、冬でも安全に車を運転することができます。

フロントガラスに撥水コーティングを施工することで、雨や雪の日でも視界を確保できたり、ガラスの凍結を防いだりするメリットがあります。

特にフロントガラスは、念入りにコーティングを行ってください。コーティングを施している人も、今一度しっかりコーティングを行うと安全です。

冬の撥水コーティングについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。

ワイパー、ウォッシャー液の確認と交換をする

通常のワイパーは雪や凍結によるサビで故障しやすくなり、機能が落ちてしまいます。

特に気温が低い地域(降雪が多い、山間部など)に住んでいる場合は、本格的な積雪になる前に必ず冬用のワイパーに交換しておきましょう。

また、気温が低い地域はウォッシャー液が凍ってしまうこともあるので、氷点下でも凍らない冬用のウォッシャー液に交換しておくとベストです。

冬の運転についてのまとめ

  • 一部地域では、冬の事故率は最大で夏の約3倍に増加する
  • 冬の運転は「冬道の安全運転5則」を守る
  • 冬が来る前に、スタッドレスタイヤへの履き替えや、タイヤチェーンの用意も済ませておく

冬の運転は、夏とは異なるリスクが多く潜んでいます。路面凍結や視界不良など、冬道特有の危険に備えるには、正しい知識と事前の対策が欠かせません。

安全なドライブを実現するためには、冬道の運転のコツやアドバイスを意識し、慎重な操作を心がけることが大切です。

この記事の監修者

GlassD吹浦先生

DUKS  府中店 営業事務

吹浦 翔太

業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。

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