低燃費タイヤは意味ない?ノーマルタイヤとの違い、省エネ効果を解説
低燃費タイヤ(エコタイヤ)と聞くと「燃費が良くなってガソリン代の節約になるのでは?」と、考える人もいると思います。
燃料費の高騰が続く世の中で、ガソリン代を少しでも抑えたいなら、低燃費タイヤへの交換はおすすめです。
この記事では、低燃費タイヤとノーマルタイヤの違い、省エネ効果について解説していきます。
目次
低燃費タイヤとは?ノーマルタイヤとの違い
低燃費タイヤと普通のタイヤ、いわゆるエコタイヤとノーマルタイヤとの違いは「燃費」「寿命」「重量」です。
燃費
低燃費タイヤはノーマルタイヤに比べて、燃費が1〜5%向上すると言われています。もちろん、運転する環境や低燃費タイヤのグレードにもよりますが、タイヤの燃費への寄与率が向上します。
寿命
ノーマルタイヤは走行距離3万km、または5年以内が交換時期とされています。対して低燃費タイヤは偏摩擦しにくいタイヤなので、走行距離4〜5万kmが交換の目安です。
ノーマルタイヤよりも寿命が長いということは、それだけ交換の手間や費用を減らせることになります。
重量
低燃費タイヤは転がり抵抗を削減するため、基本的に軽量に作られています。軽量化により、少ないエネルギーでタイヤを回転するのがメリットです。
低燃費タイヤは「転がり抵抗性能:A以上 + ウェットグリップ性能:a~d」
低燃費タイヤの性能を表すのは、「転がり抵抗性能」と「ウェットグリップ性能」です。それぞれグレード(等級)が設定されており、等級が上がるほど低燃費タイヤとして優れています。
・燃費に関する性能
・転がり抵抗とは、走行中にタイヤが損失してしまうエネルギーのこと
・転がり抵抗性能は「転がり抵抗係数(RRC)」の数値から、5段階のグレード(等級)に分けられている
・AAA、AA、A、B、Cの5段階の等級に分けられ、AAAが最も転がり抵抗係数(RRC)が良く、燃費の向上に優れている
・安全性に関する性能
・路面が濡れた状態でのタイヤのグリップ力(タイヤと路面の摩擦力)に関して、4段階のグレード(等級)に分けられている
・a、b、c、dの4段階の等級に分けられ、aが最もグリップ性能が良く、安全性に優れている
低燃費タイヤの条件は、等級が「転がり抵抗性能:A以上」で「ウェットグリップ性能:a~d」です。
ちなみに「ウェットグリップ性能:a」だとしても、「転がり抵抗性能:C」の場合は、低燃費タイヤとはなりません。
反対に「転がり抵抗性能:A以上」であれば「ウェットグリップ性能:d」でも、低燃費タイヤとして認められます。
低燃費タイヤとそれ以外のタイヤの見分け方
低燃費タイヤの見分け方は、タイヤに貼ってあるラベルで判断できます。下記の画像のラベルが貼られていれば、低燃費タイヤです。
画像引用元:JATMA|転がり抵抗性能とウェットグリップ性能の両性能をグレーディングシステム(等級制度)に基づく表示を行い
また低燃費タイヤと低燃費タイヤ以外の、性能を表した画像を用意しましたので参考にしてください。
【低燃費タイヤ(エコタイヤ)】
このタイヤは「転がり抵抗性能:AA」で「ウェットグリップ性能:C」です。「転がり抵抗性能:A以上」「ウェットグリップ性能:d以上」の基準を満たしているため、低燃費タイヤになります。
【低燃費タイヤ(エコタイヤ)以外のラベル】
反対に上の画像は「転がり抵抗性能:B」で「ウェットグリップ性能:b」です。「転がり抵抗性能:A以上」「ウェットグリップ性能:d以上」の基準を満たしていないため、低燃費タイヤではありません。
低燃費タイヤのデメリット
ここまで低燃費タイヤの特長を解説しましたが、もちろんデメリットも存在します。それは、雨の日のグリップ力が弱くなることと値段が高いことです。
低燃費タイヤは、転がり抵抗が少ないのが特長ですが、そのため柔らかい素材がよく使われています。タイヤの素材が柔らかいとブレーキの効きが悪くなり、雨の日のグリップ力が弱くなるのがデメリットです。
デメリットを考慮するのであれば、転がり抵抗性能「AAA」でウェットグリップ性能「a」の低燃費タイヤがあれば理想ですが、そうはいかないのが現状です。
そのため、低燃費タイヤで運転をする際はスピードを出しすぎず、雨の日の急発進を控えるように気を付けてください。
また、低燃費タイヤはノーマルタイヤよりも、1本数千円ほど値段が高いです。
低燃費タイヤは元が取れる?省エネ効果について解説
転がり抵抗性能のグレード(等級)が1つ上がると、燃費は1%改善されると言われています。
つまり、転がり抵抗性能AAAとCのタイヤでは、約4%も燃費に差が出てきます。どれくらい燃費が改善するのか、比較を以下の表にまとめたので参考にしてください。
転がり抵抗性能 | 燃費改善 | 1リットル165円 | 年間節約金額 |
---|---|---|---|
AAA | 4% | 6.6円 | 7,920円 |
AA | 3% | 5.0円 | 6,000円 |
A | 2% | 3.3円 | 3,960円 |
B | 1% | 1,7円 | 2,040円 |
C | 0% | 0円 | 0円 |
※月平均1,000km、年間12,000km走行した場合。平均燃費10km/リットルで計算。
出典:日本自動車タイヤ協会| タイヤの性能試験 低燃費タイヤ等のラベリング(表示方法)制度 (一社)
出典:ブリジストン|低燃費タイヤとは 低燃費タイヤの条件や、グレーディングシステムなどをご紹介します
頻繁に車の運転をして走行距離を稼ぐ人は、タイヤ交換の回数を減らせます。そのためトータルで考えると、価格も抑えることができるのでコスパは良いです。
余計な廃棄タイヤを出すこともないので、環境にも優れています。さらに2024年4月現在ではガソリン代が高騰しているため、低燃費タイヤに履き替えた方が、長い目で見るとランニングコストを抑えることができます。
念のため元が取れるかどうかは、燃費で浮いたガソリン代と低燃費タイヤ1本あたりの料金を比較して、どちらが得なのかシミュレーションしてみてください。
低燃費タイヤ(エコタイヤ)についてのまとめ
- 低燃費タイヤはノーマルタイヤに比べて、燃費・寿命の点で優れており、重量も軽い
- 低燃費タイヤの条件は、転がり抵抗性能が「A以上」で、ウェットグリップ性能が「a~d」
- ガソリン代の高騰を考えると、低燃費タイヤの方がランニングコストを節約できる
ガソリン代の節約を考えているなら、低燃費タイヤへの交換がおすすめです。ノーマルタイヤから転がり抵抗性能AAAの燃費タイヤに買い替えると、年間で約8,000円ものガソリン代が節約できます。
タイヤ交換の時期も伸びるため、長く車に乗るなら低燃費タイヤへの買い替えを検討してみてはいかがでしょうか。
この記事の監修者
DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。