フロントガラスが自然に割れる「熱割れ」とは?原因や対処法、見分け方を解説

運転中、ドライバーの安全を守ってくれる車の窓ガラス。そんな窓ガラスに、ひとりでにヒビが入ってしまう「熱割れ」が起きてしまうことがあります。
熱割れは、頻繁に発生するトラブルではありません。だからこそ、どのように対策をしたら良いのか、分かりづらいトラブルでもあります。
今回の記事では、熱割れが起こる原因や対処法、熱割れの見分け方について解説していきます。

目次
フロントガラスにできる原因不明のヒビ「熱割れ」とは?
「熱割れ」とは、ガラスが熱を受けることによってヒビが入ったり割れてしまったりすることです。
たとえば、冷えたグラスに熱い液体を急に注ぐと、割れることがあります。車のガラスにおいても、同じ現象が起こることがあるのです。
熱割れは、1枚のガラス内で極端な温度差が生じることが原因で起こります。多くの物質は熱を帯びると膨張し、反対に熱が下がるときには収縮しようとします。
しかし、1枚のガラスの中で膨張しようとしている部分と、収縮しようとしている場所がバラバラにあるとき、引っ張ったり押したりする力がひずみや負荷となってガラスにダメージを与えてしまいます。
【原因】フロントガラスに「熱割れ」が起こるのはなぜ?
フロントガラスの熱割れは、外気と車内の温度差が大きくなった時に熱割れが起こりやすくなります。
たとえば夏の強い日差しが、フロントガラスに当たり続けることで高温になり、その後に冷たい雨やエアコンの風が当たると急激な温度変化が生じます。
このような、温度変化が激しい状況下が、熱割れを起こす原因です。
真冬の寒い日に暖房を急激に強くすると、同様に熱割れのリスクが高くなります。また、凍結したフロントガラスを解凍しようとして、熱湯をかけると熱割れを起こしやすいです。
【画像】フロントガラスが「熱割れ」したときの見分け方
熱割れかどうかの見分け方ですが、ヒビ割れしているか形を見ればすぐに分かります。
熱割れしたガラスは、直角に蛇行しているような、ヒビが一本線に入っているような感じです。ちなみに、ヒビが1本だけ入るものもあれば2本以上入るものもあります。
衝撃が加わったときのヒビ割れは、ぶつかった箇所を中心に放射状にヒビが広がっています。
詳しくは、次の画像を参考にしてください。
【画像①】熱割れ
【画像②】衝撃が加わったときのヒビ割れ
【対処法】熱割れが起きてしまったらプロに依頼を
熱割れでガラスにヒビが入ったら、ディーラーや専門業者などのプロに相談してださい。
そのまま走行を続けたり、自力で修理や交換などを行ったりするのは困難です。なるべく早く、自動車ガラス専門の業者に連絡しましょう。
小さな衝撃でできる傷と異なり、熱割れが発生する場合にはガラスの周辺部から大きな亀裂が走ります。
割れて弱くなった部分に風圧や温度差による圧力が加わると割れはさらに広がります。安全に運転できないだけでなく、道路交通法違法に反する可能性もあるので、走行はしないでください。
【費用】熱割れでフロントガラスが割れたときの修理料金
熱割れに関わらず、フロントガラスにできたヒビは、傷が浅ければ修理で対応できます。
ディーラーや自動車ガラス専門の業者にフロントガラスの修理をお願いする場合、費用相場は10,000円〜25,000円ほどが相場です。
料金は自動車ガラス専門の業者の方が安く、ディーラーの方が高額な傾向です。
ただしヒビの範囲が広く、傷が深い場合はフロントガラス交換になります。費用は普通車の場合、輸入品ガラスで60,000円〜110,000円ほど、純正品ガラスで100,000円〜200,000円が相場です。
フロントガラス交換の費用については、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。
【保険】フロントガラスの熱割れに保険は適用できる?
熱割れでフロントガラスにヒビが入った場合、保険を適用できる可能性があります。
たとえば、飛び石でフロントガラスが割れた場合、保険を適用して修理費用や交換費用をカバーすることが可能です。
ただし、保険を適用すると等級が1ランク下がり、翌年の保険料が高くなります。また、修理費用が全額補償されるとは限りません。
熱割れでフロントガラスが割れた場合、契約内容にもよるので、加入している保険会社に相談してみましょう。
【防止策】熱割れを未然に防ぐ方法
ガラス内に部分的な温度差が発生することを防ぐのが、熱割れの対策になります。具体的には次のような方法が挙げられます。
日光を遮断する
室内の駐車場や車体全体を覆うボディカバーなどを活用して、ガラスが日光を受けるのを防ぎます。費用や手間はかかりますが、熱割れが発生する日光を遮断できるのが安心です。
注意してほしいのが、「日光を遮断すれば良いなら、遮光シートで十分」と考えてしまいそうですが、遮光シートでは同様の効果は得られない(むしろ逆効果になる場合もある)ので気を付けてください。
遮熱シートを貼らない・熱割れに対応したものを選ぶ
遮熱シートは、車内に日光を通さない代わりにシート自身が多くの日光を吸収して熱を帯びます(色付きのもの、特に黒色のシートはいっそう吸収率が高くなります。)
透けガラスだけよりも多く熱を吸収し、むしろ外気との温度差は大きくなってしまうため、熱割れ対策にはなりません。遮熱シートは貼らないか、専門店で熱割れに対応したシートを選んでもらうようにしましょう。
ガラスに物を接触させない
何かが接着・密着した状態では、日光の熱を受けたガラスが放熱することができません。不必要に何かを貼らないほか、サンシェードやカーテンが窓ガラスに密着しないように気をつけましょう。
ガラスの窓枠が劣化したら交換する
ガラスを固定している窓枠のゴムが劣化していると、温度差によってガラスの形状にひずみが生まれたときに、その力を分散させて逃がすことができなくなってしまい、結果、熱割れが起こりやすくなってしまいます。点検のタイミングで劣化していたら、適切に交換するようにしましょう。
フロントガラスの「熱割れ」についてのまとめ
- 「熱割れ」とは、ガラスが熱を受けることによってヒビが入ったり割れてしまったりすることです。
- 「熱割れ」の原因は、急激な寒暖差によるもの
- フロントガラスが「熱割れ」をしたら、すぐにプロへ修理を依頼する
熱割れの対処法として、部分的な温度差ができることを防ぐようにしてください。もしも熱割れが起きてしまった際は、無視したり自力で修理しようしたりせず、自動車ガラスの専門業者に連絡しましょう。

この記事の監修者
DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。