車が盗難されたら?盗難車が見つかる確率、盗まれやすい車種を解説

車の盗難は、所有者にとって大きな損失と精神的な負担をもたらします。
盗難された車が見つかる確率は、約24%と言われています。また愛車が発見されても、損傷を受けていることも珍しくありません。
特にランドクルーザーやプリウスなどの人気車種は狙われやすく、海外へ密輸されるケースもあります。
盗難に遭った際は、警察への届け出や保険会社への連絡を迅速に行い、適切な対応を取ることが重要です。
今回の記事では、車が盗難された場合の対処法、盗難された車が見つかる確率、盗難されやすい車種・時間帯・場所について解説していきます。
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目次
【対処法】車が盗難されたら?
もしも車が盗難されたら、まず警察に連絡し、盗難届を提出してください。その後、保険会社へと連絡して、車両の一時抹消登録の手続きを行います。
①警察に連絡し、盗難届を提出する
車が盗難された場合はまず110番に連絡し、盗難状況を伝えます。最寄りの交番や警察署に行き、盗難届を提出してください。
この際、車の登録番号や車台番号、車種、色、ナンバープレート、車台番号、盗難場所、盗難された時間帯、車の特徴(傷や装備品など)、積載品などの詳細情報が必要です。
車検証のコピーなどを用意しておくと、スムーズに手続きできます。
盗難届の受理番号は、保険請求や後の手続きに必要となるため、必ず控えておきましょう。
②保険会社に連絡する
警察への届け出が完了したら、速やかに保険会社へ連絡しましょう。盗難届の受理番号を伝え、契約している車両保険の適用可否を確認します。
保険会社は盗難の状況を調査し、補償の対象となるか判断します。保険の種類や契約内容によっては、盗難被害が補償されない場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
補償対象であれば、1〜2ヶ月ほどの調査が始まり、調査終了後に保険金の支払いが行われます。
保険金を受け取る際には、盗難車の所有権を保険会社へ移転する手続きが必要になる場合が多いです。
③車両の一時抹消登録の手続きを行う
盗難届を提出後、管轄の運輸支局や軽車検査協会で、一時抹消登録の手続きを行ってください。
車両の一時抹消登録を行うことで、盗難された車の車税の請求を止めることができます。
また、盗難された車が事故を起こした場合でも、所有者としての責任を問われるリスクを軽減できます。
必要書類として車検証、ナンバープレート、印鑑証明書、申請書などが求められます。一時抹消登録をすると、車税の還付を受けられる場合があり、盗難車が発見された際には再登録が可能です。
手続きの詳細は、管轄の運輸支局や自治体の公式サイトで確認しましょう。
※ローンを支払っている期間中は、車両の所有者がローン会社やディーラーになっているため、自分で手続きを行うことができないので注意してください。
④ローン会社やETCカードの発行元へ連絡する
車が盗難された場合、ローン会社やETCカードの発行元へ速やかに連絡しましょう。
ローンが残っている場合、盗難届の受理番号を伝え、今後の支払いについて相談してください。これは、車両の所有者がローン会社やディーラーになっているため、一時抹消登録の申請が自分でできないことも理由にあります。
また、ETCカードが車内にあった場合、不正利用を防ぐためにカード会社へ連絡し、利用停止の手続きを行いましょう。
ガソリンスタンドのカードも同様で、車内に置いていた場合は、利用停止の手続きを行うと不正利用を防げます。
迅速な対応が経済的な負担を軽減し、被害拡大を防ぐことにつながります。
盗難車が見つかる確率は24%
車が盗難されて警察に届け出をしたとしても、必ず取り戻せるとは限りません。
日本損害保険協会の「第22回 車盗難事故実態調査結果」によると、盗難車が発見される確率は約24%、実際に手元に戻ってくる確率は約19%と出ています。
そのため、盗難された車を取り戻すには、警察への連絡の他に、事前の対策が重要です。
盗難された愛車が見つかる確率を上げる方法
盗難された愛車を取り戻す確率を上げるには、警察への迅速な連絡はもちろん、GPS追跡装置の導入や、ナンバープレートの盗難防止対策をしておくのがおすすめです。
- 警察への迅速な連絡
- GPS追跡装置を設置する
- ナンバープレートの盗難防止対策
- 税関に連絡する
- SNSを活用する(個人情報の公開に注意)
警察への迅速な連絡
盗難に気づいたら、とにかく早く110番通報し、盗難届を提出することが最優先です。次の項目で解説する、GPS追跡装置を設置していれば、警察も積極的に追跡してくれます。
GPS追跡装置で得られた、正確な位置情報を速やかに共有することが、捜査の効率化と早期発見に直結します。
また、車両の特徴(車種、色、ナンバー、年式、装備品、傷など)を詳細に伝えることも重要です。
GPS追跡装置を設置する
車が盗難された際に手元に戻る確率を上げるには、GPS追跡装置を設置するのが有効です。
GPS追跡装置は市販の後付けタイプや、車メーカー提供のコネクテッドサービスを利用しましょう。車内にGPS発信機を隠して設置することで、盗難後にリアルタイムで車両位置を把握できます。
盗難犯は盗んだ後、一時的に別の場所に保管するケースが多いです。一時保管している間、GPS情報をもとに警察と連携することで、早期発見・回収に繋がる可能性が格段に高まります。
ナンバープレートの盗難防止対策
盗難車は、ナンバープレートを付け替えられるケースが多いです。そのため取り外しが難しい、特殊なナンバープレート用の防犯ネジを設置しておきましょう。
ナンバーがそのまま残れば、警察や監視カメラによる追跡もしやすくなり、早期発見につながります。
税関に連絡する
車が盗難された場合、税関へ連絡することで海外への不正輸出を防ぐことができます。盗難車は密輸されるケースがあるため、最寄りの税関の相談窓口に情報提供を行いましょう。
警察に盗難届を提出すると税関にも情報が共有されますが、タイムラグが生じる可能性があるため、直接連絡するのが望ましいです。
税関に連絡することで、運が良ければコンテナに積まれる前や、通関手続きの段階で発見され、取り戻せるケースもゼロではありません。
税関は全国の港を監視しており、盗難車の発見につながることもあります。迅速な対応が、車の回収や被害の拡大防止に役立ちます。
SNSを活用する(個人情報の公開に注意)
警察への届け出を済ませた上で、SNSなどで盗難車の情報を拡散し、目撃情報を募る方法もあります。
ただし、個人情報の公開範囲には注意し、不特定多数に安易に情報を流しすぎないよう注意しましょう。
【自動車の盗難件数】盗まれやすい車種は?
こちらでは、警察庁が公表している資料を元に、自動車の盗難件数(認知数)や検挙数、盗難に遭いやすい車種について解説していきます。
【盗難件数】直近10年間の推移
警察庁の資料によると、自動車の盗難件数は年々減少傾向にあります。2015年の自動車盗難の認知件数は13,821件でしたが、2020年以降は5,000件〜6,000件ほどで推移しています。
出典:令和7年3月・生活安全企画課・自動車盗難等の発生状況等について|警察庁
ただし、検挙率は50%前後で推移しているため、自動車の盗難に遭うと検挙できる確率は「4割から半分程度」ということが分かります。
盗難されやすい車種
盗難されている車種は2024年(令和6年)、2023年(令和5年)と、国産高級車が目立ちます。
出典:令和7年3月・生活安全企画課・自動車盗難等の発生状況等について|警察庁
警察庁の資料によると、盗難台数の多い車種は2024年がトヨタ・ランドクルーザー、2023年がトヨタ・アルファードということでした。
そのほか、レクサスのSUVなどの名前が上がっており、トヨタから発売される国産高級車は盗難に遭いやすいことが分かります。
※この数値は未遂等を含まないため、前述で紹介した「自動車盗難認知件数」とは異なります。
車が盗難されやすい時間帯・場所とは?
車が盗難されやすい時間帯と場所ですが、結論として「深夜」の「一般住宅」というのが一番多いです。
車が盗難されやすい時間帯
車が盗難されやすい時間帯は、圧倒的に深夜〜朝にかけてが多いです。日本損害保険協会の「第26回 車盗難事故実態調査結果」によると、2024年は深夜〜朝(22~9時)が59.3%、日中(9~17時)が27.1%、夜間(17~22時)が7.3と出ています。
長期休暇中(ゴールデンウィーク、お盆、年末年始など)や、連休前に増加する傾向が見られます。
多くの人が旅行などで家を空けるため、車が長時間放置される状況になりやすいです。また、車両の移動や手配に時間がかかることを逆手に取られやすいと考えられます。
車が盗難されやすい場所
車が盗難されやすい場所については、「一般住宅」が最も多いです。警察庁生活安全企画課の「自動車盗難等の発生状況等について」によると、2024年は「一般住宅」が全体の42.9%、「駐車場」が全体の27.0%と出ています。
盗難されやすい場所の傾向としては、具体的に次のケースが考えられます。
- フェンスやゲートがなく簡単に侵入できる場所
- 照明が少なく見通しが悪い場所
- 管理人や防犯カメラがない駐車場
また大通りに面した駐車場は、昼間は人目があっても夜間は人通りが少なくなり、盗難後にすぐに逃走しやすいという側面もあります。
「自宅の敷地内で、目が届く場所だから安心!」と油断していると、ある日突然車が盗まれていたという事態になりかねません。
車が盗難される前兆とは?
車が盗難される前兆や傾向として、動かす頻度が少ないというのがあります。月極駐車場のような場所だと、動いていない車というのはオーナーが来る頻度が少ないため、盗難しやすいというのが理由です。
その車が長い間動いていないかどうかの確認ですが、次のような方法で窃盗団は見分けます。
- タイヤの上に石ころを置く
- ワイパーに偽物の買取りチラシを挟む
車を動かせば、石が落ちたりチラシが無くなっていたりしているため、その車が長い間放置されているかどうかが確認できるというわけです。
そのため運転する機会が少ない人も、盗難防止の意味を含めて、たまに車を動かすようにしてください。
車を長い間放置する場合のリスクについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
車が盗難される近年の手口
車が盗難される近年の手口は、リレーアタックやイモビカッター、コードグラバーやCANインベーダーの4つです。
- リレーアタック
- イモビカッター
- コードグラバー
- CANインベーダー
リレーアタック
リレーアタックとは、スマートキーの仕組みを悪用した車両盗難の手口の一つです。
この方法では、スマートキーが発する微弱な電波を特殊な装置で増幅し、車両まで中継することで、ドアロックを解除しエンジンを始動させることが可能になります。
これにより、鍵が車両から離れた場所にあっても盗難が行われてしまいます。
【リレーアタックの仕組み】
イモビカッター
イモビカッターとは、車両の盗難防止装置である「イモビライザー」を無効化するための装置で、これを悪用した車両盗難の手口が問題視されています。
イモビライザーは、車の鍵に埋め込まれたICチップと車両側のセンサーが通信し、正しい信号が一致した場合にのみエンジンが始動する仕組みです。
しかし、イモビカッターを使用することで、この仕組みを無効化し、不正にエンジンを始動させることが可能になります。
【イモビカッターの仕組み】
コードグラバー
コードグラバーとは、スマートキーの仕組みを悪用した車両盗難の手口の一つです。
この方法では、スマートキーが発する電波信号を受信し、その信号に含まれる固有のIDコードを複製することで、車両のドアロックを解除し、エンジンを始動させることが可能になります。
この手口は、リレーアタックよりもさらに高度で悪質とされています。
【コードグラバーの仕組み】
CANインベーダー
CANインベーダーとは、車両の電子制御システムを悪用した高度な盗難手法の一つです。
この手口では、車両内部のネットワークであるCAN(Controller Area Network)に直接アクセスし、不正な指示を送信することで、エンジン始動やドアロック解除などを可能にします。
この方法は従来の盗難手法と異なり、スマートキーの電波を必要としません。物理的な痕跡をほとんど残さないため、非常に巧妙で厄介です。
【CANインベーダーの仕組み】
【Q&A】車の盗難についての、よくある質問
こちらでは車の盗難についての、よくある質問を解説していきます。
車が盗難されても、盗難届を出せば警察は基本的に動いてくれます。
ただし、足取りが掴めないと警察も動きにくいので、GPS追跡装置を設置するのがおすすめです。
カーセキュリティや、盗難防止グッズを活用しましょう。
自動車の盗難を防ぐには、窃盗犯に「面倒」と感じさせるのがポイントです。そのためアラーム機能のあるカーセキュリティや、ハンドルロックなどの盗難防止グッズの活用は有効です。
車が盗難されたら?についてのまとめ
- 車が盗難されたら、すぐに警察・保険会社・ローン会社などに連絡する
- 車の盗難件数は年々減少傾向にあるが、検挙率は40~50%程度である
- 車は「深夜」の「一般住宅」で盗難されやすい
もしも車が盗難されたら、すぐに警察・保険会社・ローン会社などに連絡しましょう。発見される確率は24%と低いですが、GPS追跡装置を設置したり、税関に連絡したりすることで、見つかる確率が上がります。
この記事の監修者
DUKS 府中店 営業事務
吹浦 翔太
業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
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