車の盗難防止|カーセキュリティは意味ない?本当に意味のある車の盗難対策

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近年、車両盗難の手口はますます巧妙化し、特に国産の高級車が狙われるケースが増えています。

スマートキーの電波を悪用した「リレーアタック」や、車両の電子制御システムに直接介入する「CANインベーダー」など、高度な技術を駆使した盗難が発生しています。

こうした脅威に対抗するため、本当に意味のある自動車の盗難対策を把握し、カーセキュリティや盗難防止グッズの導入が不可欠です。

そこで今回の記事では、本当に意味のある自動車の盗難対策、カーセキュリティの種類や機能について解説していきます。

近年における自動車の盗難手口

近年における自動車の盗難手口
自動車の盗難手口

・リレーアタック
・イモビカッター
・コードグラバー
・CANインベーダー

近年の自動車盗難は巧妙化しており、特にスマートキーを悪用した「リレーアタック」や「コードグラバー」が増えています。

リレーアタックでは、スマートキーの電波を増幅して車両のロックを解除し、エンジンを始動させます。

一方、コードグラバーはスマートキーの信号を盗み取り、複製して不正に車を操作します。また、「イモビカッター」を使ってイモビライザーを無効化し、エンジンを始動させる手口もあります。

さらに、「CANインベーダー」は車両の電子制御システムに直接アクセスし、不正な指示を送ることで自動車が盗難される恐れがあります。

自動車の盗難手口については、こちらの記事でも詳しく解説しています。合わせて参考にしてください。

【結論】本当に意味のある自動車の盗難対策

本当に意味のある自動車の盗難対策

本当に意味のある自動車の盗難対策とは、窃盗犯に「面倒」と感じさせること、定期的に盗難情報をチェックすることです。

窃盗犯に「面倒」と感じさせること

窃盗犯は、誰かに見つかったり捕まったりするリスクを避けたいので、できるだけ早く自動車を盗難したいと考えています。

そのため、カーセキュリティを装備していたり、盗難防止グッズを装着していたりすると、時間がかかるため「面倒」「手間がかかる」と感じやすいです。

要するに「この車はセキュリティがしっかりとしているので、盗難するのに時間がかかり面倒かも。」と少しでも感じさせることで、自動車が盗難されるリスクが低くなります。

盗難情報を定期的にチェックする

カーセキュリティの技術が進歩すると共に、窃盗犯も自動車を盗難するための手口を考えます。たとえば「イモビカッター」のような、イモビライザーの盲点を突く盗難の手口も出てきました。

カーセキュリティの盲点を突く窃盗の仕方は、今後も出てくるかもしれません。そのため、定期的に盗難情報をチェックすることが重要です。

ニュースや警察の発表などから自動車の盗難手口をキャッチし、新たな盗難対策を把握しておくことで、自動車が盗難されるリスクを下げることができます。

カーセキュリティとは?

カーセキュリティとは、車両の盗難や不正アクセスを防ぐための防犯システムのことです。

一般的なカーセキュリティには、衝撃やドア開閉を検知して警報を鳴らすアラームシステム、エンジンの不正始動を防ぐイモビライザー、GPSを活用した追跡装置などがあります。

また、スマートキーの電波を悪用した盗難手口に対抗するため、電波遮断ケースの使用や、複数の防犯対策を組み合わせることが推奨されています。

高性能なカーセキュリティシステムでは、リモート監視やスマートフォン連携機能を備え、リアルタイムで異常を検知できるものもあります。

カーセキュリティは意味ない?盗難防止に有効な理由

カーセキュリティが盗難防止に有効な理由は、車両の不正な操作や侵入を防ぐ仕組みが備わっているためです。

たとえば、エンジンの始動を制限するイモビライザーは、盗難の大半を占める「エンジン始動型」の手口を阻止します。

また、警報システムやセンサーが異常を検知し、周囲に警告を発することで、窃盗犯の行動を抑制します。

さらに、GPS追跡機能を活用すれば、万が一盗難に遭った場合でも車両の位置を特定しやすくなります。これらの機能を組み合わせることで、より強固な防犯対策が可能になります。

【一覧】カーセキュリティの種類と機能

カーセキュリティの種類については、次のようなものがあります。

  • 警報機能(防犯ブザー、ショックセンサー)
  • イモビライザー
  • レーダーセンサー(接近検知)
  • 傾斜センサー(車両の傾きを検知)
  • IRセンサー(赤外線で侵入を検知)
  • ドアセンサー(トランクセンサー、ボンネットセンサー)
  • GPS追跡機能

こちらでは、カーセキュリティの機能について、詳しく解説していきます。

警報機能(防犯ブザー、ショックセンサー)

カーセキュリティの警報機能(防犯ブザー、ショックセンサー)

カーセキュリティの警報機能は、車両への不正なアクセスや衝撃を検知し、警報音を鳴らして周囲に異常を知らせるシステムです。

たとえば、ドアのこじ開けや窓ガラスの破損を感知すると、サイレンが作動し、盗難を防ぐ効果があります。

また、衝撃の強さに応じて警告音を変えるタイプも存在します。小さな振動には軽い警告、大きな衝撃には強い警報を発することで、より効果的な防犯対策が可能です。

イモビライザー

カーセキュリティのイモビライザー

イモビライザーとは、車両の盗難を防ぐための電子セキュリティシステムです。

車のキーとエンジンの間で固有の認証コードを照合し、一致しない場合はエンジンが始動しない仕組みになっています。これにより、物理的な鍵の複製だけでは車を盗むことができません。

ただし、イモビカッターなどの不正ツールを使った盗難手口も存在するため、追加の防犯対策と組み合わせることが推奨されています。

レーダーセンサー(接近検知)

カーセキュリティのレーダーセンサー(接近検知)

レーダーセンサー(接近検知)は、車両周囲の動きを感知し、不審な接近を警告するカーセキュリティ機能です。

たとえば、車両の近くに人や物が接近すると、警報音やライトの点滅で警告を発します。これにより、車上荒らしや盗難の抑止効果が期待できます。

また、センサーの感度を調整できるタイプもあり、誤作動を防ぎながら高い防犯性能を維持できます。

傾斜センサー(車両の傾きを検知)

カーセキュリティの傾斜センサー(車両の傾きを検知)

傾斜センサーは、車両の傾きを検知し、盗難や不正な移動を防ぐカーセキュリティ機能です。

たとえば、車がジャッキアップされてタイヤが盗まれたり、レッカー移動されたりする際に異常を感知して警報を発します。

カーフェリーや機械式駐車場では誤作動することがあるため、キャンセル機能を備えたタイプもあります。

このセンサーを他の防犯システムと組み合わせることで、より強固な盗難対策が可能になります。

IRセンサー(赤外線で侵入を検知)

カーセキュリティのIRセンサー(赤外線で侵入を検知)

IR(赤外線)センサーは、赤外線を利用して車内の温度変化を感知し、人の侵入を素早く察知します。これにより、窓を割って侵入する盗難や車上荒らしを防ぐ効果があります。

高感度なセンサーは誤作動を抑えつつ、確実に異常を検知できるため、他の防犯システムと組み合わせることでより強固なセキュリティを実現できます。

ドアセンサー(トランクセンサー、ボンネットセンサー)

カーセキュリティのドアセンサー(トランクセンサー、ボンネットセンサー)

ドアセンサーとは、車両のドアが不正に開けられた際に警報を発するカーセキュリティ機能です。

ドアのこじ開けや強制的な解錠を検知すると、サイレンが鳴り、周囲に異常を知らせます。これにより、盗難や車上荒らしの抑止効果が期待できます。

また、トランクやバックドアの開閉も監視できるタイプがあり、より広範囲な防犯対策が可能です(トランクセンサー、ボンネットセンサー)。

GPS追跡機能

GPS追跡機能

GPS追跡機能は、車両の位置をリアルタイムで把握し、盗難時の早期発見に役立つカーセキュリティシステムです。

スマートフォンと連携することで、車両の移動履歴を確認でき、異常な動きを検知すると通知が届く仕組みもあります。

特に、隠し設置が可能な小型GPSは、盗難犯に気付かれにくいです。仮に愛車が盗難されても、追跡の精度が向上されているため、盗難後の車両回収の可能性が高くなります。

リレーアタックによる車の盗難を防止する方法

リレーアタックによる車の盗難を防止する方法

リレーアタックによる車の盗難を防止するには、スマートキーを「節電モード」にしたり、電波遮断ケースの使用や鍵の保管場所を工夫したりするのが有効です。

スマートキーを「節電モード」にする

スマートキーを「節電モード」にすることで、リレーアタックを防ぐことができます。

トヨタの公式サイトでは、スマートキーの節電モードについて、次の設定方法が記載されています。

節電モード設定方法

スマートキーの施錠ボタンを押しながら、解錠ボタンを2回押すと、インジケータが4回光り、節電モードの設定が完了します。

引用:リレーアタックによる車両盗難に対する応急対策はあるか? | トヨタ自動車WEBサイト

節電モードを解除する際は、キーのいずれかのボタンを押せば大丈夫です。節電モードは盗難リスクを下げられるほか、電池が長持ちすることにも繋がります。

電波遮断ケースの使用、鍵の保管場所を工夫

節電モードの設定がないスマートキーの場合は、物理的に電波を遮断する方法が有効です。

スマートキーを電波を遮断するケースやポーチに入れることで、電波の漏洩を防ぎます。また、ビスケットやクッキーなどを入れる、大きな缶にキーをしまうのも効果があります。

もしくは、玄関付近など外部からアクセスしやすい場所を避け、奥まった場所や金属製の容器に保管してください。

自動車盗難防止グッズも合わせて使う

カーセキュリティ以外にも、自動車盗難防止グッズも合わせて使うと、愛車が盗まれるリスクが低くなります。

具体的には、ハンドルロックやタイヤロックで、物理的な防犯対策として有効な自動車盗難防止グッズです。

ハンドルロックは、ステアリングを固定し、車両の操作を困難にすることで盗難を防ぎます。一方、タイヤロックは車輪を動かせなくすることで、車両の移動を阻止します。

【ハンドルロック】

ハンドルロック

【タイヤロック】

タイヤロック

これらのグッズは、窃盗犯にとって解除が難しく、時間がかかるため、盗難の抑止効果が期待できます。

特に、スマートキーを悪用した盗難手口に対抗するため、物理的なロックと電子セキュリティを併用することが推奨されています。

カーセキュリティについてのまとめ

  • カーセキュリティは、車両の不正な操作や侵入を防ぐ仕組みが備わっており、盗難防止に有効
  • カーセキュリティには警報機能やイモビライザー、レーダーセンサーなどがある
  • カーセキュリティと合わせて、ハンドルロックやタイヤロックを使うと、盗難のリスクが下がる

近年では自動車の盗難手口が巧妙化しており、特に高級国産車は盗まれるリスクが高いです。

カーセキュリティを購入する際は、ディーラーやカー用品店のスタッフと相談して、自分に最適な防犯対策をしてください。

この記事の監修者

GlassD吹浦先生

DUKS  府中店 営業事務

吹浦 翔太

業務歴12年、現場での職務経験6年を経て今はお客様窓口の受注業務を担当しています。
現場で培った経験を活かしお客様に最善な修理をご案内しております。

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